書き出し
大規模地震発生後の土砂災害警戒避難基準雨量の設定と解除時期に関する実験的研究
概要
大規模地震により開口亀裂が形成されると,その下流の地下水深は急増し,開口亀裂の直下流部では崩壊発生限界雨量が最大で18%も低下するといった興味深い事実が明らかになった。また,地震時に作用する加速度の増加とともに斜面の安定性は低下し,北海道胆振東部地震と同等の2.2Gの加速度が作用すると,斜面の安定性は30%以上も低下する事実が明らかになった。また,0.85Gの加速度が作用した場合には1.0ヶ月~3.0ヶ月経過しても安全率の明瞭な回復傾向は認められなかったのに対し,3.0Gの加速度が作用した場合には,加振後3.0ヶ月が経過すると,加振前と同程度にまで回復するといった注目に値する結果となった。