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大学・研究所にある論文を検索できる 「A New Challenge for Reconstructing Paleotsunami from Limited Geological Information: Systematic Integration with Geophysical and Numerical Approaches」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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A New Challenge for Reconstructing Paleotsunami from Limited Geological Information: Systematic Integration with Geophysical and Numerical Approaches

Higaki, Hokuto 東北大学

2023.09.25

概要

博士論文

A New Challenge for Reconstructing Paleotsunami from
Limited Geological Information: Systematic Integration
with Geophysical and Numerical Approaches
(限られた地質情報による古津波の復元に向けた新たな挑戦:
地球物理学的および数値的アプローチとの系統的統合)

Hokuto HIGAKI

令和 5 年

古津波の波源推定は調査地の選定,堆積物記録の数および年代決定の正確さに大きく依存する.それに
もかかわらず,津波堆積物調査の適切な調査地点を制約する一般的な手法は未だ確立されていない.そ
こで本研究では,‘数値実験で波源により期待される津波堆積物の特徴を予測することで,事前に津波
堆積物の調査地点として期待できる度合いを評価できるのではないか’および‘古地形復元を含め,地
質情報と地球物理学的データを統合した土砂移動計算により,必要最低限の地点で波源を制約できるの
ではないか’という 2 つの仮説に基づき,地質学的,地球物理学的,数値的アプローチを系統的に統合
した津波堆積物調査を房総半島において実施するとともに,古津波波源推定研究の新しい枠組みを提案
する.
房総半島沖は,太平洋プレート(PAC)
,フィリピン海プレート(PHS)および北アメリカ大陸プレ
ート(CON)の三重会合点が存在し,歴史的に巨大津波を伴う地震が繰り返し発生してきた.そのた
め,各境界における地震の頻度と規模を把握することは,この地域のリスク評価にとって重要な課題
である.しかし,房総半島の沿岸地域は都市化により大きく改変されており,津波堆積物調査に適し
た土地がほとんど残されていない.そこで,本研究では,津波土砂移動モデルを用いて日本海溝
(CON/PAC)
,相模トラフ(CON/PHS)および PHS/PAC の 3 つの境界を波源とする津波により,期
待される津波堆積物の層厚,分布面積および体積を予測した.この予測と古地図や土地利用図,既往
の地質調査との比較により,銚子市は房総半島沿岸に襲来する津波の波源推定に適した調査地域とし
て有望であることを明らかにした.
本研究ではさらに,数値実験結果に基づいて銚子市で現地調査を行い,得られた 2 つの砂質イベン
ト堆積物について,地形学的,堆積学的,古生物学的証拠をもとに既往の認定手順に従って津波堆積
物であると認定した.これらの津波堆積物は,層序関係および 14C 年代測定により,小畑池で発見さ
れた津波堆積物(Higaki et al., 2021)と対比できることが認められた.さらに,約 1000 年前の古津
波イベントの発生年代を詳細な 14C 年代測定とベイズ推定により 903–1025 年と制約することができ,
銚子市の 976 年の伝承津波との関係を明らかにした.
地中レーダー(GPR)を用いて得られた地下構造データと,掘削調査に基づく地質記録を統合する
ことで,正確な計算用古地形標高モデルの復元が可能となり,津波土砂移動モデルにおける不確実性
が低減された.最終的に,津波土砂移動モデルの計算結果と現地調査で観測された津波堆積物の層厚
との比較により,銚子市の 976 年の伝承津波が 1677 年延宝房総沖津波と同じく日本海溝南部で発生し
た津波地震である可能性が高いことを明らかにした.この結果は,日本海溝南部で巨大津波を伴う津
波地震が繰り返し発生している可能性が高いことを示唆する.さらに日本海溝中部の古津波履歴との
比較により,日本海溝の中部と南部の間に巨大地震発生における時空間的関連性(ひずみの蓄積と解
放の連鎖)が存在する可能性が示唆された.
既往の津波堆積物研究では調査地域は経験的に選択されていたが,本研究の結果,数値モデリング
と古地図や土地利用図などの周辺情報を統合することにより,津波波源推定に有効な調査地点として
期待できる度合いを事前に評価できることを明らかにした.さらに,GPR データと掘削調査に基づく
地質記録を統合することで,津波土砂移動モデルのための古地形標高モデルにおける不確実性を低減
することができ,結果として,限られた地質記録から波源モデルを推定できることを明らかにした.
参考文献:Higaki, H., Goto, K., Yanagisawa, H., Sugawara, D. and Ishizawa, T., 2021, Three
thousand year paleo-tsunami history of the southern part of the Japan Trench. Progress in Earth

and Planetary Science, 8:28. ...

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