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書き出し

COVID-19 流行禍における学校給食後の歯磨きと歯科保健活動の現状把握

安冨, 和子 小川, 真由子 信州大学

2023.08.22

概要

Shinshu Journal of Public Health Vol. 18 No. 1, August 2023

   COVID-19
流行禍における学校給食後の歯磨きと歯科保健活動の現状把握
02-4
安冨和子(飯田短期大学)、小川真由子(皇學館大学)
キーワード: COVID-19、歯磨き、歯科保健活動、養護教諭、口腔衛生状況

要旨:2020 年 1 月に日本に侵入した COVID-19 は、2023 年で 3 年が経過した。この間、小・中学校
等における学校内感染(クラスター)も多発した。2021 年 1 月に新聞・テレビ等で歯磨きによるクラ
スターの発生が報道されると、給食後の歯磨きや、歯科保健活動を中止する学校が増加した。養護教
諭は児童生徒における齲歯等の治療状況の悪化や歯肉炎の増加などの口腔衛生状況の変化を感じ取り、
感染症予防として歯科保健活動の重要性を鑑み、様々な歯科保健活動の工夫を行っていた。
A.目的

 COVID-19 発生以前の歯科保健活動の実施率

 COVID-19 発生後、給食後の歯磨き及び歯科保

は 82.1% であったが、発生後は 57.1% であり約

健活動が学校において見直されている。その現

25.0% 減少した。発生以前は小学校 98.5% 中学校

状を把握するとともに、COVID-19 発生 2 年が経

58.6% の実施率であり、小学校においては、ほと

過した時期に、児童生徒の口腔衛生状況の変化

んどの学校で歯科保健活動が実施されていた。

と、歯科保健活動の現状について調査した。

  養 護 教 諭 は、COVID-19 発 生 2 年 後(2022 年

B.方法

3 月)の児童生徒の口腔衛生状況について、齲

 A 県、B 県、C 県に勤務する養護教諭を対象

歯等の治療状況の悪化(41.4%)、歯肉炎の増加

に、2022 年 3 月 9 日 ~ 22 日 の 期 間、Google フ

(40.7%)、齲歯の増加(27.1%)を挙げていた。

ォームのアドレスを送付し、アンケート調査を

 COVID-19 発生後、給食後の歯磨きや歯科保健

実施した。調査内容は、所属学校種、学校規模、

活動で工夫していることとして、感染予防の歯

COVID-19 発生前後の給食後の歯磨き及び歯科保

の磨き方の指導、蛇口の自動水洗化や洗口場の

健活動の有無、児童生徒の口腔衛生状況の変化

使い方の改善、指導教材や掲示物の工夫、啓発

(歯肉炎・齲歯・治療状況)について調査した。

活動の充実、家庭との連携、教員の感染予防指

また、給食後の歯磨き及び歯科保健活動を実施

導等であった。困っていることとして、蛇口や

する上での工夫と困難点について、自由記述に

洗口場等の施設設備の不足、飛沫感染予防対策

て回答を求めた。

の徹底、歯科受診控えの対応、歯肉炎や、齲歯

C.結果

の増加、マスク生活の弊害、給食後の歯磨きを

 A 県 42 人 B 県 37 人 C 県 25 人その他 8 人合計

中止したことによる歯磨き習慣の乱れなどが挙

112 名の養護教諭から回答を得た。

げられていた。

 COVID-19 発生以前(2019 年 12 月)は、調査

D.考察

校の 73.2% が給食後の歯磨きを実施していたが、

 2020 年 1 月に COVID-19 が日本国内に侵入し

発生後(2022 年 1 月)は 44.6% の実施率となり、

た。2021 年 1 月に新聞・テレビ等で歯磨きによ

COVID-19 発生以前より約 30% 減少した。発生

る市中クラスターの発生報道 1) 等の影響により、

以前の給食後の歯磨き実施状況は、校種別では、

小・中学校では、給食後の歯磨きが中止される傾

小学校 86.2% 中学校 62.1% であり、中学校より小

向が見られた。ライオン株式会社が行った調査

学校の方が給食後の歯磨きを実施していた。小

でも、保育園・幼稚園・小学校の昼食後の歯磨

学校の規模別では、小規模校 93.5% 大規模校が

きの実施率はコロナ禍にあっては 50% であった

58.3% であり、小規模校の方が給食後の歯磨きを

と報告している 2)。本研究においても、44.6% と

実施していた。

ほぼ同様の調査結果であった。歯科保健活動に
40

信州公衆衛生雑誌 Vol. 18 No. 1, August 2023

Shinshu Journal of Public Health Vol. 18 No. 1, August 2023

E.まとめ

も 、 44.6%と ほ ぼ 同 様 の 調 査 結 果 で あ っ た 。

おいても 57.1% の実施率であり、どちらも発生

護教諭は口腔衛生状況の変化を感じ取り、様々

COVID-19 発生後においては、給食後の歯磨き

歯 科 保 健 活 動 に お い て も 57.1%の 実 施 率 で

以前と比較すると 25 ~ 30% 減少していた。調査

な歯科保健活動の工夫を取り入れて継続実施し

あした
り 、3ど
ち ら も 発 生 以 前 と 比 較 す る と 25~
県ともに実施率の地域差はあったが、減

や歯科保健活動を中止した学校が増加した。
養護
ていた。

30%減
少 し てい た 。調 査し た 3 が発生して以来、
県と も に実 施
少していたことから、COVID-19

教諭は口腔衛生状況の変化を感じ取り、
様々な歯
F.利益相反

率学校における給食後の歯磨き及び歯科保健活動
の 地 域差 は あっ た が、減 少 し て いた こ とか

科保健活動の工夫を取り入れて継続実施してい
 利益相反ありません。

らを中止した学校が増加していたことが分かった。
、 COVID-19 が発生して以来、学校における給

た。
G.文献

食後の歯磨き及び歯科保健活動を中止した学校
給食後の歯磨きや歯科保健活動を中止した学校

F.

益相反
1)
厚生労働省:データからわかる-新型コロナ

は、飛沫感染予防や密を避ける工夫等が難しい
が増加していたことが分かった。
給食後の歯磨き

ウ イ ル ス 感 染 症 https://covid19.mhlw.go.jp 
利益相反ありません。

ため中止を選択していた。一方、実施していた
や歯科保健活動を中止した学校は、
飛沫感染予防

年 4 月 26 日アクセス) 
文(2022

G.文

学校では、感染予防対策の様々な工夫をおこな
や密を避ける工夫等が難しいため中止を選択し

2)
ライオン株式会社 : 2021/08/30 コロナ禍にお
1)厚生労働省:データからわかる-新型コロナ

い継続実施していたことが分かった。
ていた。一方,実施していた学校では、感染予防

けるオーラルケア実態調査
ウイルス感染症
https://covid19.mhlw.go.jp

 新谷らは、コロナ禍の令和 2 年度(2020 年)
対策の様々な工夫をおこない継続実施していた

https://www.atpress.ne.jp/news/273338/LL
(2022
年 4 月 26 日アクセス)

に養護教諭らが捉えていた歯科保健の課題は、①

img 273338 1.png(2022 年 4 月 27 日 アクセ

2)ラ イ オ ン 株式 会 社 : 2021/08/30

ことが分かった。

齲歯の治療率が低い②保護者との連携③保健教

コロナ

ス)

禍 に お ける オ ーラ ル ケア 実 態 調査

新谷らは、コロナ禍の令和 2 年度(2020 年)に

育の実施体制づくり④新型コロナウイルス感染

3) 新谷ますみ、山本智美、齊藤奈保子 他:新

https://www.atpress.ne.jp/news/273338/LL

養護教諭らが捉えていた歯科保健の課題は,①

症流行による指導制限であったとし、課題解決の

型コロナウイルス感染症流行時における歯科

齲歯の治療率が低い②保護者との連携③保健教

img 273338 1.png(2022 年 4 月 27 日 アクセ

育の実施体制づくり④新型コロナウイルス感染

ス)

ために自治体保健師と連携し、参観日での保護

保健教育~令和2年度五所川原市養護教員

者への働きかけを行っていた。地域の養護教諭

会の教育実践~,弘前大学教育学部紀要 26,

症流行による指導制限であったとし、課題解決

3)新谷ますみ、山本智美、齊藤奈保子他:新型

のために自治体保健師と連携し,参観日での保
禍においても、児童生徒の歯科保健活動を継続

コロナウイルス感染症流行時における歯科保

(謝辞)

護者への働きかけを行っていた。地域の養護教
し続けることが重要と捉えていた 3)。本研究にお

健教育~令和2年度五所川原市養護教員会の
本研究に賛同し,協力をいただいた養護教諭の

組織で課題や取り組みを共有し合い、COVID-19

23-32,2022

教育実践~,弘前大学教育学部紀要 26,23先生方及び福田博美(愛知教育大学)山田玲子

諭組織で課題や取り組みを共有し合い,COVIDいても養護教諭は、COVID-19 発生 2 年後の児童

32,2022
(北海道教育大学)の先生方に心より感謝いた

19生徒の口腔衛生状況において、齲歯等の治療状
禍においても、児童生徒の歯科保健活動を継

(します。
謝辞)

。本研究
続し続けることが重要と捉えていた
況の悪化、歯肉炎、齲歯の増加を感じていたこ
3)

においても養護教諭は、COVID-19
発生 2 年後の
とから、対策として担任や保護者、地域の養護

本研究に賛同し,協力をいただいた養護教諭の

教諭同士、関係機関等が連携して感染予防対策
児童生徒の口腔衛生状況において、齲歯等の治

先生方及び福田博美(愛知教育大学)山田玲子

をおこないながら、給食後の歯磨きや歯科保健
療状況の悪化、歯肉炎、齲歯の増加を感じてい

(北海道教育大学)の先生方に心より感謝いたし

活動を行うことが重要であると思われる。
たことから、対策として担任や保護者、地域の

ます。

E.まとめ
養護教諭同士、関係機関等が連携して感染予防
 COVID-19 発生後においては、給食後の歯磨き
対策をおこないながら、給食後の歯磨きや歯科

や歯科保健活動を中止した学校が増加した。養

保健活動を行うことが重要であると思われる。

COVID-19発生後の給食後の歯磨き・歯科保健活動実施状況

実施

未実施

歯磨き

発生前

**

発生後







発生前

**

発生後
0

20

40

60

41

80

100

**P<0.01
120

信州公衆衛生雑誌 Vol. 18 No. ...

参考文献

食後の歯磨き及び歯科保健活動を中止した学校

給食後の歯磨きや歯科保健活動を中止した学校

F.

益相反

1)

厚生労働省:データからわかる-新型コロナ

は、飛沫感染予防や密を避ける工夫等が難しい

が増加していたことが分かった。

給食後の歯磨き

ウ イ ル ス 感 染 症 https://covid19.mhlw.go.jp 利益相反ありません。

ため中止を選択していた。一方、実施していた

や歯科保健活動を中止した学校は、

飛沫感染予防

年 4 月 26 日アクセス) 文(2022

G.文

学校では、感染予防対策の様々な工夫をおこな

や密を避ける工夫等が難しいため中止を選択し

2)

ライオン株式会社 : 2021/08/30 コロナ禍にお

1)厚生労働省:データからわかる-新型コロナ

い継続実施していたことが分かった。

ていた。一方,実施していた学校では、感染予防

けるオーラルケア実態調査

ウイルス感染症

https://covid19.mhlw.go.jp

新谷らは、コロナ禍の令和 2 年度(2020 年)

対策の様々な工夫をおこない継続実施していた

https://www.atpress.ne.jp/news/273338/LL

(2022

年 4 月 26 日アクセス)

に養護教諭らが捉えていた歯科保健の課題は、①

img 273338 1.png(2022 年 4 月 27 日 アクセ

2)ラ イ オ ン 株式 会 社 : 2021/08/30

ことが分かった。

齲歯の治療率が低い②保護者との連携③保健教

コロナ

ス)

禍 に お ける オ ーラ ル ケア 実 態 調査

新谷らは、コロナ禍の令和 2 年度(2020 年)に

育の実施体制づくり④新型コロナウイルス感染

3) 新谷ますみ、山本智美、齊藤奈保子 他:新

https://www.atpress.ne.jp/news/273338/LL

養護教諭らが捉えていた歯科保健の課題は,①

症流行による指導制限であったとし、課題解決の

型コロナウイルス感染症流行時における歯科

齲歯の治療率が低い②保護者との連携③保健教

img 273338 1.png(2022 年 4 月 27 日 アクセ

育の実施体制づくり④新型コロナウイルス感染

ス)

ために自治体保健師と連携し、参観日での保護

保健教育~令和2年度五所川原市養護教員

者への働きかけを行っていた。地域の養護教諭

会の教育実践~,弘前大学教育学部紀要 26,

症流行による指導制限であったとし、課題解決

3)新谷ますみ、山本智美、齊藤奈保子他:新型

のために自治体保健師と連携し,参観日での保

禍においても、児童生徒の歯科保健活動を継続

コロナウイルス感染症流行時における歯科保

(謝辞)

護者への働きかけを行っていた。地域の養護教

し続けることが重要と捉えていた 3)。本研究にお

健教育~令和2年度五所川原市養護教員会の

本研究に賛同し,協力をいただいた養護教諭の

組織で課題や取り組みを共有し合い、COVID-19

23-32,2022

教育実践~,弘前大学教育学部紀要 26,23先生方及び福田博美(愛知教育大学)山田玲子

諭組織で課題や取り組みを共有し合い,COVIDいても養護教諭は、COVID-19 発生 2 年後の児童

32,2022

(北海道教育大学)の先生方に心より感謝いた

19生徒の口腔衛生状況において、齲歯等の治療状

禍においても、児童生徒の歯科保健活動を継

(します。

謝辞)

。本研究

続し続けることが重要と捉えていた

況の悪化、歯肉炎、齲歯の増加を感じていたこ

3)

においても養護教諭は、COVID-19

発生 2 年後の

とから、対策として担任や保護者、地域の養護

本研究に賛同し,協力をいただいた養護教諭の

教諭同士、関係機関等が連携して感染予防対策

児童生徒の口腔衛生状況において、齲歯等の治

先生方及び福田博美(愛知教育大学)山田玲子

をおこないながら、給食後の歯磨きや歯科保健

療状況の悪化、歯肉炎、齲歯の増加を感じてい

(北海道教育大学)の先生方に心より感謝いたし

活動を行うことが重要であると思われる。

たことから、対策として担任や保護者、地域の

ます。

E.まとめ

養護教諭同士、関係機関等が連携して感染予防

COVID-19 発生後においては、給食後の歯磨き

対策をおこないながら、給食後の歯磨きや歯科

や歯科保健活動を中止した学校が増加した。養

保健活動を行うことが重要であると思われる。

COVID-19発生後の給食後の歯磨き・歯科保健活動実施状況

実施

未実施

歯磨き

発生前

**

発生後

発生前

**

発生後

20

40

60

41

80

100

**P<0.01

120

信州公衆衛生雑誌 Vol. 18 No. 1, August 2023

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