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大学・研究所にある論文を検索できる 「アドバンスケアプランニングをより効果的に実践するための実証研究 : 全ての人ひとりひとりの希望にそった人生の最終段階における医療･ケア提供のために」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。
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アドバンスケアプランニングをより効果的に実践するための実証研究 : 全ての人ひとりひとりの希望にそった人生の最終段階における医療･ケア提供のために

羽成, 恭子 筑波大学

2021.08.03

概要

日本は、平均寿命がこの 70 年間延伸し続け 1、死亡者数も増加し続けており 2、世界でも類をみない高齢多死社会に突入している。高齢者の数も増加し、介護を必要としている人の人数も増加していることに加え 3 、年間約 100,000 人が家族介護を理由に離職をしている4。一方、諸外国でも今後高齢化は急速に進行していくことが予想され 5、日本のみならず世界においても、全ての人ひとりひとりが自身の希望する人生の最終段階を経て最期をむかえることへの備えが必要である。

人生の最終段階にどのような疾患を患うか、どのような状態になるのかは自身で選択することはできないが、がんや心疾患、老衰、脳血管疾患など、死亡に至る疾患や状態になった際、自身がどのような医療やケアや療養を受けたいのかは本来選択することが可能なはずである。近年はいずれの疾患であっても新たな治療法や新薬の開発で、治療の選択肢が広がっており、自身の人生における価値や目標に沿った治療の選択が可能となってきた。しかし、高齢者の 43%は人生の最終段階の治療に関する意思決定が必要となるものの、そのうち 70%は意思決定が必要な時に判断能力を喪失しているという報告が示唆するように 6、自身で人生の最終段階の治療に関する意思決定が困難となる場合が考えられる。意思決定能力を失ったときに、どのような治療の選択肢があり、どのような意思決定が必要になるかは予測不能なことが多く、その適用基準も状況に応じて様々である 7。近年では、代理意思決定者や家族、そして医療介護提供者が個人の人生における価値や目標を、あらかじめ話し合いを通して共有することで、患者自身が意思決定困難な状況でも患者の意向を反映した意思決定が可能になると考えられている。そして、将来受ける治療を含む医療や介護、療養に関連する個人の人生における価値や目標や好みを理解し、周囲の人々と共有していくというプロセスを重視したアドバンスケアプランニング（Advance care planning :以下 ACP）の重要性が指摘されている。ACP に関する海外の論文本数は 1993 年までは年間 1 桁台であったが、1994 年からは 2 桁台となり、2017 年では 800 件を超えてきていることからも 8、その重要性が広く認識されてきていることが読み取れる。

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参考文献

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3. Ministry of Health, Labour, and Welfare Present condition and future prediction of Long-Term Care Insurance System. 2018; https://www.mhlw.go.jp/file/06- Seisakujouhou-12300000-Roukenkyoku/0000213177.pdf. Accessed April 2, 2020.

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