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SCYL1 arginine methylation by PRMT1 is essential for neurite outgrowth via Golgi morphogenesis

天野, 元揮 大阪大学

2020.08.31

概要

〔目的(Purpose)〕
近年、Protein arginine methyltransferase1(PRMT1)によるタンパク質アルギニンメチル化は脳の発達に重要であることが報告されている。しかし、脳の発達においてゴルジ体の構造及び機能に対するPRMT1の影響は明らかにされていない。SCY1 like pseudokinase1(SCYL1)はゴルジ体内及びゴルジ体から小胞体へタンパク質等を輸送するcoat protein complex 1 (COP1)小胞の形成を介してゴルジ体の形態を制御する。SCYL1 variantsは脳の発達に異常を与えることが報告されているが、SCYL1の機能制御機構は未だに不明である。本研究の目的は、SCYL1はPRMHによってアルギニンメチル化修飾を受けるのか、またSCYL1のアルギニンメチル化がゴルジ体の形態に影響するのか、そしてこれらが神経細胞の発達(神経突起の伸長)に与える影響について検討した。

〔方法ならびに成績(Methods/Results)〕
(1)SCYLlのアミノ酸配列のC末端にFlag tagを組み込んだベクターをHeLa細胞に導入し、SCYLl-Flagを強制発現させた。SCYLl-Flagを抗Hag抗体用いて免疫沈降し、アルギニンメチル化認識抗体ASYM24及び抗γ2-COP(COP1小胞のサブタイプの一つ)抗体を用いて解析した結果、SCYLl-Flagのアルギニンメチル化及びγ2-CΟΡとの結合を確認した。
(2) SCYL1-Flagのアルギニンメチル化レベル及びγ2-COPの結合量はアルギニンメチル化阻害剤oxidized adenosine (AdOx)の負荷により有意に減少した。
(3)γ2-CΟΡとの結合領域(SCYL1のC末端のRKLD配列)のアルギニンをアラニンに置換したSCYLl-Flag AKLD(変異型)ベクターを作成し、SCYLl-Flag AKLDのアルギニンメチル化レベル及びγ2-COPの結合量解析した。その結果、SCYLl-Flag RKLD(野生型)と比較するとSCYLl-Flag AKLDのアルギニンメチル化レベル及びγ2-COPの結合量は有意に減少した。
(4)HeLa細胞のマイクロソーム画分をイオジキサノ ール密度勾配超遠心分離法により分画し、解析した結果、ゴルジ体画分においてSCYL1とPRMT1の共局在を確認した。
(5)PRMT1 small interfering RNA (siRNA)導入によりPRMT1の発現レベルが低下したHeLa細胞にSCYLl-Flagを発現させ、解析した結果、SCYLl-Flagのアルギニンメチル化レベル及びγ2-CΟΡの結合量が有意に減少した。
(6)PRMT1 siRNAを HEK293T細胞に導入し、内在性SCYL1を抗SCYL1抗体により免疫沈降し解析した。その結果、内在性SCYL1のアルギニンメチル化及びPRMT1の発現レベル低下による内在性SCYL1のアルギニンメチル化レベルの減少を確認した。
(7)胎生17日目マウス脳及び胎生18日目ラット海馬由来培養神経細胞を可溶化し、内在性SCYL1を免疫沈降し解析した結果、脳及び培養神経細胞内に発現するSCYL1のアルギニンメチル化を確認した。
(8)胎生18日目ラット海馬由来培養神経細胞の軸索伸長及び樹状突起の複雑性に対するアルギニンメチル化阻害[AdOxまたはPRMT inhibitor1 (AMI-1)を負荷]の影響を解析した結果、AdOx及びAMI-1負荷群において軸索と樹状突起の伸長が有意に抑制された。
(9)SCYL1 siRNAを導入したRat-Ι細胞において観察されたゴルジ体の形態異常は、siRNA耐性SCYLl-Flag RKLDを発現させると回復したが、siRNA耐性SCYU-Flag AKLDの発現では回復されなかった。
(10)胎生18日目ラット海馬由来培養神経細胞にSCYL1 siRNAを導入し、軸索伸長への影響を解析した結果、軸索伸長が有意に抑制された。この軸索伸長の抑制は、siRNA耐性SCYLl-Flag RKLDを発現させると回復したが、siRNA耐性SCYLl-Flag AKLDの発現では回復されなかった。

〔総括(Conclusion)〕
本研究により、PRMT1はSCYL1をアルギニンメチル化修飾することが明らかとなった。また、この分子メカニズムよりCOP1小胞の形成を介してゴルジ体の形成を制御し、神経突起伸長に関与することが明らかになった。SCYL1 variantsは脳の発達異常だけでなく、急性肝不全や骨形成異常が報告されていることから、PRMT1によるSCYL1の機能制御機構は様々な臓器発達に重要であることが示唆される。

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