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大学・研究所にある論文を検索できる 「Effect of Continuous-Flow Mechanical Circulatory Support on Microvasculature Remodeling in the Failing Heart」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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Effect of Continuous-Flow Mechanical Circulatory Support on Microvasculature Remodeling in the Failing Heart

齊藤, 哲也 大阪大学

2020.12.31

概要

[目的(Purpose)]
末期車症心不全患者における標準治療は心臓移植であるが、脳死移植ドナー不足により心臓移植登録から心臓移植までの待機期間が長く、心臓移植までの橋渡しとして左補助人工心臓(LVAD)を用いた重症心不全治療が行われている。
近年左補助人工心臓を用いた心不全治療が、拍動型LVADから定常流LVADに移行し、その治療成績が向上しており、心臓移植適応のない未期重症心不全患者において、特に欧米では心臓移植の代替治療となりつつある。

重症心不全患者において、LVAD装着により左室の容量・圧負荷が軽減され、その結果心機能が改善しLVAD離脱に至る患者がいることが知られているが、左心機能改善効果において拍動型LVADよりも定常流型LVADが劣るという報告がある、その機座に関し理学的、病理学的検索がされてはいるものの、明らかになっていない。

定常流型LVAD補助により血管リモデリングに影響を及ぼす液性因子であるレニン・アンギオテンシン系 (RAS)が完進し、腎臓細動脈や大動脈のリモデリングに影響を与えることが報告されている。

また心不全の機序の一つとして心筋内微小循環障害があげられるが、長期定常流型LVAD補助下における心筋内微小循環のリモデリングに関しては明らかにされていない。

今回、長期にわたる定常流左補助循環が左心室心筋内の微小循環のリモデリングに影響を与えると仮説を立て、長期LVAD補助下における左心筋内微小循環のリモデリングを病理学的に検証した。

[方法]
2002年から2012年までにLVAD植込みを行い、心臓移植に到達した29例中、補助人工心臓装着前後で心筋サンプルを採取し得た18例を対象とした。拍動型IVAD装着群:8例、定常流型LVAD装着群:10例の2群とし、①LVAD植え込み前後の心機能の推移を心臓超音波検査を用いて2群間で比較検討した。またLVAD植込み時、心臓移植時に採取した左室心筋組織を病理学的に検索し、②心筋細胞短径、繊維組織率、微小血管度、細動脈形態を2群間で比較検討した。③real time PCRを用いて心筋組織内のACE,ATIR, AT2Rの伝子発現量の変化を2群間で比較検討した。

[結果]
① 心臓超音波検査ではLVAD装着前と12ヶ月後で比べ、両群とも左室の縮小、心収縮率の改善を認めた。Pで左室型の縮小傾向、収縮率のより改善する傾向を認めたが、有意差は認めなかった。

②組繊学的検査では、両群ともLVAD植込み前に肥大していた心筋細胞の縮小傾向を認め、LVAD前後で心筋組織の繊雑化率に変化を認めなかった。心筋内の微小循環の評価では、LVAD植込み前後で心筋組織内の毛細血管密度の有意な上昇認め、両群間に有意差を認めなかった。また心筋組織内の細動脈平滑筋層の厚さを比較すると、定常流LVAD装着群では細動脈平滑筋層の厚さが有意に増加していたが(P=0.0002)、拍動型LVAD装者群では増加を認めなかった(P=0.28)。

③心筋組織内のACEの発現量はLVAD植込み前後で有意な増加を認めなかった。また拍動型LVAD装者群においでAT2RのmRNA発現量が有意に増加し、ATIR/AT2Rが有意に低値となった(P=0.007)。

[総括]
拍動型LVAD装着群、定常流型LVAD装着群ともに左室のunload効果により心臓超音波検査において左の縮小、左室収縮能の改善を認め、また両群とも病理学的に左心筋細胞肥大の改善を認めており、両群ともに生理学的、病理学的に心筋のリバースリモデリングを認めた。

長期LVAD装着下の心筋内微小循環リモデリングに関して、両群ともにLVAD装着前後で毛細血管密度の上昇を認めた。一方で心筋細動脈平滑筋層の厚さは拍動型LVAD群で変化を認めなかったのに比べ、定常流型LVAD群で優位に増加傾向を認めた。細動脈は心筋内の最小の抵抗血管で心筋血流の制細血管であり、平滑筋層の肥厚は心筋の冠血流予備能の低下を引き起こす可能性が考えられた。AT2Rの発現が拍動型LYAD群において増加しており、ATIR/ATZRが有意に低値であったことは、細動脈の平滑筋層の肥厚とRASが関連する可能性が示唆された。

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