リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

リケラボ 全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索するならリケラボ論文検索大学・研究所にある論文を検索できる

リケラボ 全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索するならリケラボ論文検索大学・研究所にある論文を検索できる

大学・研究所にある論文を検索できる 「Rubicon-regulated beta-1 adrenergic receptor recycling protects the heart from pressure overload」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

コピーが完了しました

URLをコピーしました

論文の公開元へ論文の公開元へ
書き出し

Rubicon-regulated beta-1 adrenergic receptor recycling protects the heart from pressure overload

Akazawa, Yasuhiro 大阪大学

2022.04.30

概要

〔目的(Purpose)〕
心不全は先進国における主要な死因の一つであり,最新の治療を行っても予後は不良であるため,新規治療標的の探索が急務である.81アドレナリン受容体(81AR)は心筋細胞表面に存在するG蛋白質共役受容体で,心筋細胞の陽性変力作用に寄与しており,61ARがダウンレギュレーションされることが不全心における心筋収縮力の低下の一因と考えられている.61ARのダウンレギュレーション機構において,刺激された61ARはエンドサイトーシスによりエンドソームに輸送された後,細胞表面にリサイクルされるか,リソソームで分解されることが報告されているが,その制御機構は不明である.一方,Rubiconは細胞内分解系の一つであるオートファジーを抑制すると同時にエンドソームとリソソームの融合を抑制し,エンドサイトーシス性分解を負に制御することが知られている.以上のことから,本研究では心筋細胞61ARのダウンレギュレーションにおけるRubiconの役割を明らかにすることを目的とした.

〔方法ならびに成績(Methods/Results))
まず,CreToxPシステムを用いて心訪細胞特異的Rubicon欠損マウス(ノックアウトマウス)を作豐した。10週齢における定常状態では,コントロールマウスと比較して心機能や組織重搶に差を認めなかった.横行大動脈縮窄術(transverse aortic conslriclion:TAC)による圧負荷誘導性心不全病態モデルを作髪したところ,ノックアウトマウスでは1週後に心臟超音波法により測定した左室拡張末期径および左室収縮末期径が有意に拡大し,左室径短縮率が有意に低下した.心重量及び左室重揖はノックアウトマウス,コントロールマウスとも,TACにより有意に増加したカヾ,両群間で有意差を認めなかった.一方で,肺重燧はコントロールマウスと比較しノックアウトマウスで有意に増加しており,ノックアウトマウスは心機能低下に加えて心不全を呈したと考えられた.組織学的評価では,ヘマトキシリンーエオジン染色による心筋細胞横断面積,アザンマロリー染色による心臓線維化領域面積,免疫染色によるCD45陽性細胞数およびCD68陽性細胞数は,いずれの群でもTAC手術後に増加したが,両群間の有意差は認めず,ノックアウトマウスの心機能低下に肥大,線維化,炎症は関与していないと考えられた.TAC1週後の心臟における61ARの発現後を評価したところ,コントロールマウスと比較しノックアウトマウスで有意に減少していた.この時点でのオートファジ一活性の指標であるLC3TIの発現搔には両群間に差を認めず,81ARの減少にオートファジー性分解は関与していないと考えられた•心不全による二次的な影響を避けるために,ノックアウトマウスが心不全を呈する前のTAC後3日時点での61AR発現量を検討したところ,ノックアウトマウス心では有意に減少しており,以後の実験はTAC3日後に行うこととした.経心尖部的にIFFミラーカテーテルを挿入し左室内圧測定を行ったところ,コントロールマウスではドブタミンの経静脈投与により濃度依存的に心拍数及びmaxiniwndP/dtが有意に増加したのに対して,ノックアウトマウスでは増加せず,61ARの減少が陽性変力作用の低下に寄与していると考えられた.また,TAC後の心臓においてノックアウトマウスではコントロールマウスと比較し61ARシグナリングの下流に位相するホスホランバンのリン酸化が有意に減少しており,61ARシグナル伝達が低下していると考えられた.詳細なメカニズムを検討するため,初代培養新生仔ラット心筋細胞にRubiconに対するsborthairpinRNAを生成するアデノウイルスベクターを感染させ,Rubiconノックダウン細胞を作製した後に,イソプロテレノール刺激を加えたところ,コントロール細胞ではB1AR発現最に変化を認めなかったのに対して,ノックダウン細胞ではイソプロテレノール刺激24時間後に8IARの発現量が有意に減少した.61ARに対するリサイクリングアッセイを行ったところ,コントロール細胞に比してノックダウン細胞ではリサイクルされる81ARが有意に減少しており,Rubiconは81ARのリサイクリングを正に制御していると考えられた.その制御メカニズムの詳細については,新たな今後の検討課題である.

〔総括(Conclusion)〕
Rubiconは心筋細胞81ARのリサイクルの維持により,61ARのダウンレギュレーションを抑制する.Rubiconは心不全に対する新規治療標的となる可能性があり,今後の臨床応用が期待される.

全国の大学の
卒論・修論・学位論文

一発検索!

この論文の関連論文を見る