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Clinical Implications of Pre- and Postoperative Circulating Tumor DNA in Patients with Resected Pancreatic Ductal Adenocarcinoma

山口 拓朗 広島大学

2021.03.23

概要

Clinical Implications of Pre- and Postoperative Circulating Tumor DNA in
Patients with Resected Pancreatic Ductal Adenocarcinoma
(切除後膵癌患者における術前および術後の Circulating Tumor DNA の臨床的
意義)
広島大学大学院医系科学研究科

外科学

山口 拓朗
全文要約
通常型膵癌 Pancreatic Ductal Adenocarcinoma (PDAC) で認められる遺伝子
変異のうち、KRAS 遺伝子変異は発癌初期段階に生じ、かつ高頻度に認められ
る。Circulating tumor DNA (ctDNA) は腫瘍細胞に由来し無細胞状態で存在し
ている DNA で、腫瘍に関連する遺伝子変異を有する。本研究は膵癌患者におけ
る KRAS 遺伝子変異 ctDNA の存在と、予後に与える影響に関して検討した。
対象と方法
当科にて PDAC と診断され膵頭十二指腸切除術が行われた患者を対象とした。
データ、サンプルは前向きに収集され、後ろ向きに解析を行った。ctDNA 解析
のための血液サンプルは手術直前の麻酔導入時、および手術後 3 日目に採取し
た。ctDNA の解析は QX100 Droplet Digital PCR System を用いた。
結果
2006 年 6 月から 2016 年 1 月の期間で、合計 123 例の膵頭十二指腸切除術が行
われた。そのうち、通常型膵癌以外の組織型、腹水細胞診陽性例、大動脈周囲
リンパ節転移陽性例、手術関連死亡例を除いた 97 例で解析を行った。
原発腫瘍で KRAS 遺伝子を認めたのは 78 例であった。術前 ctDNA は 24 例、
術後 ctDNA は 27 例で陽性であった。術後 ctDNA を有する場合、無再発生存期
間 recurrence-free survival (RFS)、および全生存期間 overall survival (OS)
はいずれも不良であった。続いて、術前および術後 ctDNA の存在で患者を 4 群
に分けた場合、9 例でいずれも陽性、55 例でいずれも陰性、15 例で術前のみ陽
性、18 例で術後のみ陽性であった。ctDNA の陰性化および陽性化は患者の RFS
および OS に影響を与えなかった。
RFS、OS の予後予測因子の解析を行った。単変量解析の結果から、術前 ctDNA、

術後 ctDNA は RFS 不良 (P = 0.004, P = 0.027)、OS 不良 (P <0.001 , P = 0.008)
の予測因子であった。Cox 比例ハザードモデルを用いた多変量解析の結果から、
術前 ctDNA、術後 ctDNA はいずれも RFS 不良の独立した予測因子とはならな
かった (P = 0.236, P = 0.104)。一方、術前 ctDNA は OS 不良の独立した予測
因子であった (P = 0.008)。術後 ctDNA は OS の独立した予後不良因子ではな
かった(P = 0.302)。
術前 ctDNA が陽性であった 24 例に関してサブ解析を行った。24 例中、16 例
は補助化学療法が行われ、8 例では行われていなかった。補助化学療法を行った
群では有意に OS が延長していた (生存期間中央値 18.3 ヶ月 vs. 7.1 ヶ月, P =
0.002)。
考察
術前 ctDNA の存在は OS 不良の独立した予測因子であり、このことは術前
ctDNA が強力な補助化学療法な患者を選別する重要なマーカーであることを示
唆する。同時に、術前 ctDNA は術前療法が必要な患者を選別するのにも重要で
ある可能性がある。一方、術後 ctDNA は RFS、OS いずれに関しても予後不良
因子とはならなかった。また、術後の ctDNA の陽性化および陰性化も患者の予
後に影響を与えなかった。本研究において、術後に ctDNA が陽性化した群では
手術中の腫瘍周囲の操作が影響していた可能性があり、術後の血液サンプル採
取時期に関して今後更なる検討が必要であると考えられた。

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