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農協の存在意義と意思決定・ガバナンス構造の研究

小賀坂 行也 東北大学

2020.03.25

概要

本研究では、次章以降で農協の存在意義やあるべきガバナンス構造について、個別事例や統計を用いながら考察を行う。

第2章では、先行研究の整理と研究課題の設定を行う。これまでに、多くの研究者によって様々な観点から農協研究が行われてきており、その内容の論点整理を行う。また、地域協同組合論のなかでは、農協の存在意義に関する議論がされており、その論点とされていることの整理を行いながら本研究の課題を設定する。

第3章では、農協の存在意義と意思決定について、仙台農協の取組を事例として考察を行う。仙台農協は、2011 年に発生した東日本大震災の復旧・復興対応をしており、非常事態における地域農業や食料供給に対する取組について検証する。また、2018 年 4 月に子会社を設立し事業を分割しているが、その内容からは、都市農協として多くの准組合員・利用者を抱えるなかで子会社を設立した経緯や理由を把握する。そして、仙台農協では、第4 次中期経営計画の時期に、農協経営に対してトップダウンだけではなく、ボトムアップとして職員の意思を反映する仕組みがあった。その取組についても考察を行うことで、農協経営の意思決定に必要となるガバナンス構造を模索する。

第4章では、農協の経営ガバナンス構造として、理事会制度と経営管理委員会制度の 2 つを比較し分析を行う。経営管理委員会制度は、従来の理事会の問題点を解消するために新たにできた制度だが、総合農協統計表を用いて、その運営実態はどうなっているのかを把握する。

第5章では、第4章で分析した理事会制度と経営管理委員会制度について、それぞれの制度で運営している農協の個別事例をもとに、それぞれの長所と短所について分析を行う。理事会制度の事例は仙台農協とし、経営管理委員会制度については、静岡県のとぴあ浜松農協及び愛媛県の越智今治農協とする。両制度の分析を行う前に、補節として、仙台農協が実施した貯金残高が1,500~3,000 億円規模の農協に対するガバナンス体制に関するアンケート調査について、その回収結果を分析し農協の実態の把握を試みる。

最後に、第6章では、それまでに考察してきた内容を踏まえて、農協の存在意義とあるべきガバナンスについて提言するとともに政策的含意を示唆し、本研究の総括を行う。

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参考文献

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