Reduction of in situ force through the meniscus with phased inner resection of medial meniscus: an experimental study in a porcine model

概要

〔目 的(Purpose)〕
半月板の構造において、辺縁部の重要性は過去に報告されてきたが、内縁部の荷重伝達機能について直接的な検討はなされていない。本研究の目的は、内側半月板内縁部が担う荷重伝達機能を立証することである。

〔方法ならびに成績(Methods/Results)〕
14のブタ膝を用いた。6自由度関節simulatorに正常膝を設置し、4つの異なる屈曲角度(30°、60°、90°、120° )にて300-Nの垂直荷重を負荷した。この時の膝の3次元軌跡を記録した。続いて内側半月板内縁部を30%、60%、90%幅で段階的に切除し、同様の力学試験を繰り返した。最後に、内側半月板を全切除し全ての動態軌跡を再現し、重ね合わせの原理で内側半月板の担う荷重(in situ force)を算出した。また、荷重時の大腿骨-脛骨位置関係の変化も算出した。in situ forceは、全ての屈曲角度において、内縁部30%幅の切除も含め、半月板切除幅に応じて減少した。特に、切除幅が60%以上の膝では、全ての屈曲角度で有意な減少を示し、120°の屈曲角度では30%幅でも有意に減少した。大腿骨-脛骨位置関係は、全ての屈曲角度で切除幅に応じ荷重下の内反変化量が有意に増大した。

〔総括(Conclusion)〕
内側半月板切除幅は、半月板自体が担う合力の減少と内反アライメント増大に関与していた。半月板内縁部も大腿骨から脛骨への荷重伝達に寄与する。