書き出し
Comparison of “click-to-sense” assay with frozen section analysis using simulated surgical margins in breast cancer patients
概要
[目的(Purpose)]
乳癌の乳房温存手術の際、乳腺断端の術中迅速組織診断が施行されることが多いが、この検査は多くの労力と時間を要する。我々は生組織を用いた簡便で迅速な診断法として、click-to-sense法(癒細胞に高発現するアクロレインの並光発現を5分間反応後測定)を報告しており、乳腺切除断端の診断法の開発を行っている。
[方法ならびに成繽(Methods/Results)]
我々は乳癌の乳房切除標本(150例)を対象とし、腰線より2cm程度離れた所から2か所の乳腹組織片(1-800)を採取し(乳房温存手術における切断端のシミレーション)、生組織片にclick-to-sense法を実施して蛍光頭微鏡で観察した。また、同組織片から凍結切片(術中迅速組織診のシミレーション)、及び永久標本(FRPE)を作成し最終病理診断を行った。本測定法の結果において、弱拡大では癌細胞は明瞭にアクロレインの蛍光発現を描出され、強拡大では病細胞の形態を確認することができた。また永久標本による最終病理診断に対する本測定法の正診率(97.3%)は、凍結切片による正診率(98%)と同等であった。
[総括(Conclusion)]
Click-to-sense法は、簡便で迅速な術中診断法として今後の臨床応用が期待される。