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大学・研究所にある論文を検索できる 「Transplantation of Human-induced Pluripotent Stem Cell-derived Cardiomyocytes Is Superior to Somatic Stem Cell Therapy for Restoring Cardiac Function and Oxygen Consumption in a Porcine Model of Myocardial Infarction」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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Transplantation of Human-induced Pluripotent Stem Cell-derived Cardiomyocytes Is Superior to Somatic Stem Cell Therapy for Restoring Cardiac Function and Oxygen Consumption in a Porcine Model of Myocardial Infarction

石田, 勝 大阪大学

2020.10.31

概要

〔目的(Purpose)〕
体性幹細胞を用いた細胞シート移植は、虛血性心筋症モデルを用いた実験において、心機能改善をもたらす。iPS細胞から分化誘導された心筋細胞は、新たな細胞ソースとして注目されている。小動物を用いた実験では、iPS由来心筋細胞シート移植の有効性、安全性、再生メカニズムの可能性が証明されつつある。新たな細胞種類としてのiPS由来心筋細胞を臨床治験へ応用するにあたり、従来の体性幹細胞シート移植とiPS由来心筋細胞シート移植の治療効果を、大動物モデルを用いた実験で比較、検討する必要があった。今回は、ブタ心筋梗塞モデルを用いた、iPS由来心筋細胞シー卜移植と体性幹細胞シート移植の治療効果の比較検討を行なった。

〔方法ならびに成績(Methods/Results)〕
メスのクラウンミニブタの前下行枝にリングを装着、心筋梗塞モデルを作成、1ヶ月後の心エコーで左室駆出率が60%以下となったモデルを各治療群に群わけした。ヒトiPS細胞シート移植群(iPS-CM群/移植細胞数:1xI0^8個/n=7)ヒト筋芽細胞シート移植群(SM群/移植細胞数:1x10^8個/n=7)、ヒト骨髄間葉系幹細胞シート移植群(MSC群/移植細胞数:1xlO^8個/n=7)1とコントロール群(Control群/細胞移植は実施せずに開胸、閉胸のみ/n=8)の4群間で心機能の変化を比較した。観察期間は細胞移植後2ヶ月とし、2ヶ月目に心臓を摘出した。ブタに対するヒト由来細胞移植となるため、細胞移植直後から、心臓摘出術まで、タクロリムス、MMF、プレドニンによる免疫抑制を実施した。心臟MRI、心エコーおよび左室内圧測定による心機能評価に加えて、IIC酢酸PETを用いて、ドブタミン負荷下での心筋酸素消費量を測定した。各細胞シート移植群は、コントロール群と比較して、有意に左室駆出率の改善が認められた(iPS-CM群;+7.3%±2.2%,SM群;+5.8%±5.4%,MSC群;+3.3%±2.8%,Control群;-4.4%±3,8%,P<0.05)。左室収縮末期容積は、iPS-CM群が、他の細胞移植群と比較して、有意に拡大傾向が抑制されていた(iPS-CM群;+2.2ml±1.2ml,SM群;+4.4ml±2.2ml,MSC群;+5.6ml±2.9ml,Control群;+9.9ml±3.0ml%,Pく0.05)。左室全体にかかる壁応力(iPS-CM群;-37.5Pa±21.8Pa,SM群;-13.5Pa±10.3Pa,MSC群;+27.8Pa±25Pa,Contro群;+36.7Pa±l4.3Pa, P<0.05)および心筋梗塞部の局所にかかる壁応力(iPS-CM群;-40.3Pa±4.1Pa,SM群;-22.8Pa±5.3Pa,MSC群;-10.3Pa±6.4Pa,Control群;+20.9Pa±5.9Pa,P<0.05)のいずれも、iPS-CM群において、他の細胞シート移植群と比較して、有意に壁応力が軽減されていることが判明した。心エコーのスペックルトラッキング法を用いて、心筋梗塞部のストレインを測定したところ、iPS-CM群では、他の細胞シート移植群と比較して、ストレイン値が有意に改善していた(iPS-CM群;+13.1%±2.2%,SM群;+7.1%±2.1%, MSC群;+7.4±1.6%,Control群;+5.6%±1.2%,P<0.05)。心筋梗塞部と非梗塞部において、ストレイン値がピークに到達するまでの時間を計測し、2点間の時間の差を評価したところ、iPS-CM群において、移植後2ヶ月目に、時間の差が有意に縮小していた(iPS-CM群;115ms±53ms,SM群;232ms±79ms,MSC群;373ms±118ms,Control群;345ms±128ms,P<0.05)。IIC酢酸PET検査を用いた、ドブタミン負荷(10γ)条件下での、酸素消費あたりの心筋仕事量を評価したところ、iPS-CM群では、他の細胞シート移植群に比べて有意に酸素消費効率の改善が認められた(iPS-CM群;+3.13ml x mmHg x 10^5±1.9,SM群;-2.1ml x mmHg x 10^5,±1.6%,MSC群;-2.2ml x mmHg x 10^5±2.1,Control群;-4.1ml x mmHg x 10^8±3.8,P<0.05)。心筋梗塞周囲部における、動脈密度を病理検査で評価した。iPS-CM群では、他の細胞シート移植群と比較して、有意に動脈密度が高くなっていることが判明した。心筋梗塞部および梗塞周囲部において、アポトーシスに陥った心筋細胞数の割合を病理検査で評価した。iPS-CM群では、アポトーシスに陥った心筋細胞数が有意に少ないことが判明した。

〔総括(Conclusion)〕
ヒトiPS細胞由来心筋細胞シート移植は他のヒト体性幹細胞シート移植と比較して、血管新生、抗アポトーシス効果を惹起し心筋酸素消費効率を改善させることにより、ブタ心筋梗塞モデルにおいて、より高い心機能改善効果を示すことが示唆された。

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