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大学・研究所にある論文を検索できる 「酵母Scheffersomyces stipitisを宿主とした多様なバイオマス原料からのレスベラトロール生産プロセスの開発と食品廃棄物Upcycleプロセスの事業化」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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書き出し

酵母Scheffersomyces stipitisを宿主とした多様なバイオマス原料からのレスベラトロール生産プロセスの開発と食品廃棄物Upcycleプロセスの事業化

小林, 優真 神戸大学

2023.03.25

概要

Kobe University Repository : Kernel
PDF issue: 2024-05-02

酵母Scheffersomyces stipitisを宿主とした多様な
バイオマス原料からのレスベラトロール生産プロセ
スの開発と食品廃棄物Upcycleプロセスの事業化

小林, 優真
(Degree)
博士(科学技術イノベーション)

(Date of Degree)
2023-03-25

(Date of Publication)
2024-03-01

(Resource Type)
doctoral thesis

(Report Number)
甲第8676号

(URL)
https://hdl.handle.net/20.500.14094/0100482424
※ 当コンテンツは神戸大学の学術成果です。無断複製・不正使用等を禁じます。著作権法で認められている範囲内で、適切にご利用ください。

(別紙様式 3
)

論文内容の要旨



名小林優真



攻科学技術イノベーション研究

論文題目(外国語の場合は,その和訳を併記すること。)

酵母 S
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f
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v
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e
ss
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sを宿主とした夕様なバイオマ
ス原料からのレスベラトロール生産プロセスの開発と食品
廃棄物 U匹 y
c
l
eプロセスの事業化

指導教員

蓮沼誠久

(氏名:

小林優真

NO.

1)

発展途上国の急激な経済発展と人口増加に伴う都市部での廃棄物の排出量の急激な増大
や、マイクロプラスチックなどをはじめとした廃棄物の環境蓄積、そして先進国から発展途
上国などへの不法な廃棄物の輸出といった、廃棄物処理に関わるあらゆる問題が世界各国
で生じている。中でも、食料関連の廃棄物が全廃棄物の中で最も高い割合を示しており、廃

3億トンに至り、廃棄物の処理
棄物全体の 30%以上を占めている。その排出量は年間約 1
プロセスには温室効果ガス排出量は約 33億トンと推定されている。
それら課題を解決することを目的に、多くの大学やベンチャー企業、大企業が技術開発や
新しいビジネスモデルの構築に邁進している。その渦中において、 67%の食糧供給を輸入に
依存している日本もまた世界有数の食糧輸入大国として、海外で生産されている食品廃棄
物を含めた地球全体で食品廃棄物の排出量削減や循環型社会の実現に向けた積極的な取り
組み・アピールを行っていくことが、極めて重要といえる。
本稿の目的は、全世界が抱える廃棄物問題の中の食品廃棄物に着目し、それらを解決する
査を微生物による有用化
一つのビジョンとして『有効活用されずに廃棄されている食品残 i
合物の製造のための原料として再利用する UPCYCLEプロセスの構築』というビジョンで、
その実現に資する研究の結果をまとめる。そして本アイデアの社会実装に向けた仮の会社
を立ち上げることを目指して、経営戦略の策定とその妥当性に関する分析の結果を示すこ
とを目的とする。本論文の構成は、以下の通りである。
第一章では、食品廃棄物問題を概観し、その解決策の一つとして着目したバイオリファイ
ナリー技術による廃棄物処理技術について紹介する。

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h
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e
ss
t
i
p
i
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i
sを宿主とした多様なバ
第二章では、先端科学特定研究テーマ「 S
イオマス原料からのレスベラトロール生産」で行ってきた研究について詳細に述べる。具体
的には、学術論文をベースに、 S
.
s
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I
P
i
t
i
sを宿主としたレスベラトロール生産株の構築、本
株を用いて実施した多様なバイオマス原料からのレスベラトロール生産試験の結果と炭素

t
i
p
i
t
i
s細胞内代謝動態の変化に着目し
源の違いが及ぼすレスベラトロール生産過程の S s
た解析結果をまとめ、本研究で得られた考察と結論について議論を展開する。
第三章では、先端科学特定研究テーマ「レスベラトロール生産における混合糖利用の検討」

.s
t
i
p
i
t
i
sを
で行った研究について詳細に述べる。具体的には、第二章での研究で創出した S
宿主としたレスベラトロール生産株 (
S
s

T
4
V

a
r
o
7
r
n
)を用いて、製糖工程で排出される食品
廃棄物の一つ、廃糖蜜(モラセス)を原料としたレスベラトロール生産を行い、スクロース、
グルコース、フルクトースの混合糖であるモラセスを炭素源とした際の Ss
t
i
p
i
t
i
sによるレ
スベラトロール生産への影響を代謝解析の観点から解析を実施し、本研究で得られた考察
と結論について議論を展開する。
第四章では、先端科学技術特定研究の成果として得られた「食品廃棄物の有効活用プロセ
スにおける技術的ブレイクスルー」をまとめ、その技術的ブレイクスルーの応用可能性とし

(氏名:

小林優真

NO.

2)

て「多様な食品廃棄物を原料としたバイオリファイナリープラットフォーム創出」と「レス
ベラトロールを出発基質とした多様なスチルベン化合物の生産」の内容を述べる。そして技
術的ブレイクスルーとその応用可能性を元に、新たなイノベーション・アイデア『食品廃棄

.s
t
i
p
i
t
i
sによる新たな Upcycle化学品の製造サプライチェーンの実現』
物を原料にした S
を提案し、そのアイデアの背景にあるエビ殻排出業者の抱える課題と具体的な『製品・サー
ビス』を紹介することで、本アイデアの独自性と競争優位性について述べる。
第五章では、前章で提案したイノベーション・アイデアの実現を目的とした、仮の新会社
の設立前 2年間の製品開発、コンセプト検証段階から収益化が見込める設立後 5年までの
事業戦略を述べる。
第六章の技術戦略では、先端科学特定研究テーマの社会実装を目指す上で課題となる、末
達成な技術的課題をまとめ、その解決に向けた具体的な研究開発や、他社との共同研究の計
画を記述した技術戦略ロードマップをまとめ、最後に全体の研究開発方針について述べる。
第七章の知財戦略では、先述する事業戦略の実施と事業における競争優位性の補強、そし
て先端科学特定研究テーマと技術戦略で述べた研究開発の権利化など、知的財産の保護に
関する戦略を述べる。具体的には、仮の新会社で実施する事業内容に関連する特許の侵害防
止調査を行い、次いで将来的に得られる研究成果や発明に関する知産管理の基本方針につ
いて述べる。
第八章の財務戦略では、新会社の設立から安定した営業利益の確保が見込まれるまでの
財務状況を仮定し、計画上で必須となる資金調達計画を立案する。
最後に、本稿で述べた先端科学技術特定研究テーマおよびイノベーション・アイデア、新会
社の経営戦略の展望をまとめて第九章を結言とする。

論文審査の結果の要旨

(別紙 1)
氏名
論文
題目

小林優真

sを宿主とした多様なバイオマ ス原料からの
i
t
i
p
i
t
ss
e
c
y
m
o
s
r
e
f
f
e
h
c
酵母 S
pcycleプロセスの事業化
レスベラトロール生産プロセ スの開発と食品廃棄物 U
区分

職名

主査

教授

蓮沼誠久



副査

教授

吉田健一




副査

准教授

石井純

副査

教授

尾崎弘之





要 旨
本研究は,全世界が抱える廃 棄物問題の中の食品廃棄物に 着目し,それらを解決するた め,有効活用さ
れずに廃棄されている食品 残清を微生物による有用化 合物製造のための原料とし て再利用するアップサ
s
i
t
i
p
i
t
ss
e
c
y
m
o
s
r
e
f
f
e
h
c
イク)にプロセスの構築に向 けた取り組みである。先端科 学技術研究としては「 S
ル生産における混
ル生産」と「レスベラトロー
ス原料からのレスベラトロー
を宿主とした多様なバイオマ
合糖の検討」に取り組み,廃 糖蜜からのレスベラトロール 生産技術を開発した。イノベ ーションストラテ
ジーとしてはこの成果を応用 し、食品廃棄物を原料とした 新たなアップサイクル化学品 の製造サプライチ
ェーンの実現を提案した。
sを宿主としたレスベラトロー ル生産株の構築、多様なバイ
i
t
i
p
i
t
.s
ノンコンベンショナル酵母で ある S
の違いがもたらすレスベラト ロール生産パター
ロール生産能の評価、炭素源
オマス原料からのレスベラト
ンの解析とメタボローム解析 を行い、レスベラトロール生 産技術としての可能性を調べ た。具体的には 8
種類の単糖類及び二糖類を炭 素源とした評価を行った。さ らに、製糖工場の副生成物で ある廃糖蜜を原料
としたレスベラトロール生産 に取り組み、その構成糖であ るスクロース、グルコース、 フルクトースの量
比がレスベラトロー)し生産 に及ぼす影響に関する知見を 得た。モラセスを原料とし、 当該酵母を生体触媒
としたレスベラトロール生産 技術の妥当性を検証した。ま た、こうした研究の応用とし てスチルベン化合
物群の新規生産を構想し、ア ップサイクル化学品の製造プ ロセスを検討した。ケースス タディとして、エ
ビ養殖から加工、販売プロセ スにおける残消排出における 課題抽出と、スチルベンオリ ゴマー製造による
課題解決の仮説を構築した。 イノベーションアイデアの社 会実装に向けた事業戦略の策 定、今後の技術課
題の解決に向けた研究閲発の 計画と体制の立案、知財戦略 と財務戦略の策定に取り組ん だ。
先端研究成果は優れた学術的 意義を有しており,イノベー ションストラテジーの内容も 充実している。
本論文から小林氏は先端科 学技術の研究開発能力とと もに知的財産化,生産技術 開発,市場開拓までの
学術的研究成果の事業化移行 プロセスをデザインする能力 を有しており,本研究化が輩 出する博士人材の
素養を有していると判断できる。
提出された論文は科学技術イ ノベーション研究科学位論文 評価基準を満たしており,学 位申請者の小林
優真は,博士(科学技術イノ ベーション)の学位を得る資 格があると認める。

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