ヘリコバクター・ピロリ抗体(ラテックス法)の考察とピロリ未感染予測式の開発
概要
筑波大学
博士(医学)学位論文
1
ヘリコバクター・ピロリ抗体
(ラテックス法)の考察と
ピロリ未感染予測式の開発
2022
筑波大学
髙山
敬子
原典論文
1.この学位論文は下記を原典とする。
The Optimal Cut-off of the Latex Immunoassay (LZ Test) for Helicobacter
pylori Infection Based on the Stool Antigen Test and Helicobacter
pylori-associated Gastritis
Takako Takayama, Hideo Suzuki, Kosuke Okada, Shintaro Akiyama, Toshiaki
Narasaka, Kazushi, Maruo, Taku Sakamoto, Emiko Seo, Kiichiro Tsuchiya
Internal Medicine 61:2103-2109, 2022
The
Optimal
Cut-off
of
the
Latex
Immunoassay
(LZ
Test)
for
Helicobacter pylori Infection Based on the Stool Antigen Test and
Helicobacter pylori-associated Gastritis (jst.go.jp)
Prediction of true Helicobacter pylori-uninfected status using a
combination of age, serum antibody and pepsinogen: Logistic regression
analysis
Takako Takayama, Hideo Suzuki, Kosuke Okada, Takeshi Yamada,
Kazushi Maruo, Yoko Saito, Yuji Mizokami
PLoS One, Vol.15, e0240040, 2020. DOI: 10.1371/journal.pone.0240040.
eCollection 2020, PMID: 33002056
2
2. この学位論文では、Internal Medicine Editorial Office の博士論文への
再利用に関する許諾を得て、規定に基づき再利用をしている。著作権は日本内
科学会に帰属する。
この学位論文では、PLOS ONE に掲載された論文の内容を Public Library of
Science 社の規定に従って再利用している。
3
目次
略語
....................................................................6
第1章
序論
........................................................... 7
第2章
便中ピロリ抗原と内視鏡所見を指標とした LZ テスト‘栄研’
H.ピロリ抗体(ラテックス免疫比濁法)の最適カットオフ値の検討
(研究 1) ...................................................... 10
2.1
背景 ............................................................ 10
2.2
目的 ............................................................ 13
2.3
方法 ............................................................ 14
2.4
結果 ............................................................ 15
2.5
考察 ............................................................ 17
2.6
結論 ............................................................ 22
第3章
ヘリコバクター・ピロリ抗体に年齢と PG 値を加えた未感染予測式の
開発:ロジスティック回帰分析(研究 2) ......................... 23
3.1
背景 ............................................................ 23
3.2
目的 ............................................................ 24
3.3
方法 ............................................................ 24
3.4
結果 ............................................................ 26
4
3.5
考察 ............................................................ 28
3.6
結論 ............................................................ 31
第4章
総括 .............................................................. 32
4.1
研究のまとめ
................................................. 32
4.2
臨床現場における活用 ........................................... 33
4.3
今後の展望 ...................................................... 34
4.3.1
異なる対象における検証 ....................................34
4.3.2
未感染、現感染、既感染の感染状態の判別 ....................35
謝辞 ....................................................................... 37
要約図 ..................................................................... 38
図表 ....................................................................... 39
参考文献 ................................................................... 47
5
略語
以下に本文中で用いる略語を示す。
Pepsinogen (PG): ペプシノゲン
Proton pump inhibitors (PPI): プロトンポンプ阻害薬
Enzyme immunoassay (EIA 法): 酵素免疫測定法
Chemiluminescent enzyme immunoassay (CLEIA 法): 化学発光酵素免疫測定法
Latex immunoassay (LIA 法): ラテックス免疫比濁法
Receiver operating characteristic (ROC) curve: ROC 曲線
Area under the curve (AUC): ROC 曲線下の面積
6
第1章
序論
本邦で胃がんはがん死亡数の男女計 3 位(2020 年)を占め、その対策が求め
られている。胃がんの主な原因はヘリコバクター・ピロリ菌(以降、ピロリ菌)
感染であり、ヒトの胃粘膜に持続感染することで、胃炎→萎縮→腸上皮化生→
異形成といった一連の病態を引き起こし、最終的に胃がんに至るとされている
(1)。ピロリ菌感染と胃がんの関連に関しては、これまでに多くの研究で明ら
かになっている。スナネズミを用いたピロリ菌感染モデルでは、胃がんの発症
が確認された(2,3)。またヒトでの本邦の前向きコホート研究では、1,246 名の
ピロリ菌陽性者と 280 名のピロリ菌陰性者を平均 7.8 年観察したところ、胃が
んはピロリ菌陽性者の 36 名(2.9%)に発症したのに対して、ピロリ菌陰性者か
らは発症しなかった(4)。つまり、胃がんがピロリ菌感染によるものであれば、
除菌により胃がん発症を予防できる可能性がある。ピロリ菌除菌後の胃がん発
症に関してはスナネズミ感染モデルで感染早期の除菌ほど予防効果が高いこと
が報告され(5)、本邦の多施設ランダム化比較試験でも除菌治療により胃がん
の再発率が低下することが証明されている(ハザード比 0.339、p = 0.003)(6)。
近年、韓国からは除菌薬とプラセボによる中央値 9.2 年の前向き研究で胃がん
発症率がそれぞれ 1.2%と 2.7%であったことが報告され(ハザード比 0.45、p =
0.03)(7)、メタ解析でも除菌による胃がんの予防効果が示されている(8)。こ
のように、胃がんの一次予防としてのピロリ菌除菌が有用であることから、本
邦では、2013 年 2 月にヘリコバクター・ピロリ感染胃炎が保険診療対象疾患と
定められた。その後 4 年間で除菌治療件数は年間約 150 万件となり、胃がん死
7
亡者数は 2013 年 48,427 人、2014 年 47,903 人、2015 年 46,659 人、2016 年
45,509 人と徐々に減少傾向となっている(9)。2010 年の本邦の報告では、2020
年頃団塊の世代が胃がん発生のピークを迎えるが、除菌とその後の内視鏡検診
により胃がん死亡者数を抑制可能(10)と予測していた。国立研究開発法人国立
がん研究センターの統計情報(11)によると、2020 年の胃がん死亡者数は 42,319
人であり対策の効果であると考えられる。
一方、わが国の二次予防である胃がん検診は長年胃 X 線(バリウム)検査が
主体であったが、その後、複数の観察研究において胃内視鏡検査による胃がん
死亡率減少効果を証明する報告があり(12,13)、国立がん研究センターの「有
効性評価に基づく胃がん検診ガイドライン 2014 年度版」で対策型検診・任意型
検診としての胃内視鏡検査の実施も推奨されるようになった。さらに、2016 年
2 月に国の「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針」でも胃 X 線
以外に胃内視鏡検査が推奨され、急速に広まりつつある。しかしながら内視鏡
医の不足もあり、普及には地域差があるのが現状である。胃がん検診に用いら
れるその他の補助的な検査として、血液検査による胃がんリスク層別化検診が
ある(Figure 1)。これは血清抗ヘリコバクター・ピロリ抗体(血清ピロリ抗
体)と胃粘膜萎縮のマーカーであるペプシノゲン(PG)法を併用したもので、血
清ピロリ抗体、PG 法ともに陰性の A 群、血清ピロリ抗体陽性、PG 法陰性の B 群、
血清ピロリ抗体、PG 法ともに陽性の C 群、血清ピロリ抗体陰性、PG 法陽性の D
群の 4 つに分類する方法で ABC 分類とも呼ばれている(14,15)。ピロリ菌感染が
なく萎縮もない A 群は健康的な胃であり、C 群や D 群と比較し胃がんの発症が
8
少ないとされており、本邦の地域住民 2,446 名を 20 年間追跡した前向きコホー
ト研究では、グループ A に比べて、グループ B (ハザード比(HR)4.08)、C +
D(HR 11.1) で胃がん罹患リスクが有意に増加していた(16)。メタ解析でも同様
の結果が確かめられている(17) ことから、胃がんリスク層別化検診は胃がん高
リスク者の特定に有効と考えられている。胃がんリスク層別化検診のメリット
としてマンパワー不足の自治体でも施行可能で、非侵襲的、かつ安価などがあ
り、任意型検診のみならず市区町村の胃がん検診としても採用している自治体
もある(18)。しかし、胃がんリスク層別化検診にもいくつかの課題がある。一
つ 目 は 近年 多 くの 施設 で 血清 ピ ロリ 抗 体 キッ ト が従 来の 酵 素免 疫 測定 法
(enzyme
(latex
immunoassay:EIA 法)から、より便利なラテックス免疫比濁法
immunoassay:LIA 法)を原理とするものに移行しているにも関わら
ず、ABC 分類で定義されている血清ピロリ抗体のカットオフ値は EIA 法の E プ
レート‘栄研’H.ピロリ抗体 II(栄研化学:栄研 E)の値しか定まっていない
点である。したがって LIA 法のキットを胃がんリスク層別化検診へそのまま適
用することはできない。二つ目は胃がん低リスク(未感染)とされる A 群に、
現在も感染状態である現感染及びかつてピロリ菌に感染していたが他疾患に対
する抗生物質の処方などで除菌された偶然除菌が混入してしまういわゆる偽 A
群が一定数存在する点である。そこで研究 1 では我々の施設で採用している LIA
法を原理とした抗体キットの最適カットオフ値を特定し、カットオフ値におけ
る診断精度について検討した。次の研究 2 では偽 A 群問題を解決するために真
の未感染と胃がん高リスクを高い精度で判別する新たな方法について検討した。
9
第 2 章
便中ピロリ抗原と内視鏡所見を指標とした
LZ テスト‘栄研’H.ピロリ抗体(ラテックス免疫比
濁法)の最適カットオフ値の検討(19)(研究 1)
2.1 背景
ピロリ抗体測定法はピロリ菌感染により産生されたピロリ抗体を測定するこ
とにより、感染診断を行う手法である(20)。ピロリ菌感染診断は、血清・尿中
抗体法、便中抗原法、尿素呼気試験、迅速ウレアーゼ試験、鏡検法、培養法が
現在保険収載されている。他の検査と比較し抗体測定法は安価、簡便、検査前
の食事制限を必要としない、かつプロトンポンプ阻害薬(PPI)内服中でも検査
可能という利点があり、広く普及している(21–23)。診断精度は感度 88~100%、
特異度 50~100%と報告されている(20)。
血清ピロリ抗体測定キットは血清に存在するピロリ抗体と測定試薬のピロリ
特異抗原を反応させてできた抗原抗体結合物に酵素標識抗ヒト IgG 抗体を反応
させる酵素免疫測定法(enzyme immunoassay:EIA 法)と化学発光酵素免疫測
定法(chemiluminescent
enzyme immunoassay:CLEIA 法)、試薬のピロリ特
異抗原と血清中のピロリ抗体を反応させ濁度を測定するラテックス免疫比濁法
(latex
immunoassay:LIA 法)を原理としたものが上市されている(24)。EIA
法は標識した抗ヒト IgG 抗体で検出するため IgG のみに反応するのに対して、
LIA 法は抗原を結合させたラテックス粒子と検体中の血清ピロリ抗体(IgG、
IgM、IgA)を反応、凝集させ濁度で検出するため、IgG 抗体の他 IgM 抗体と IgA
10
抗体にも反応する(25)(Figure 2)。この違いが EIA 法と LIA 法の間で時折認め
る測定結果の乖離の原因になるかは証明されていないが(26)、血清ピロリ抗体
IgA 陽性例に血清ピロリ抗体 IgG 陰性例を認めることがあり、検出能において
違いが生じる可能性が指摘されている(27)。現在上市されている EIA 法に基づ
くキットは E プレート‘栄研’H.ピロリ抗体 II(栄研化学:栄研 E)と H.ピロ
リ IgG「生研」(デンカ生研)の 2 種類、CLEIA 法がスフィアライト H.ピロリ
抗体・J(富士フイルム和光純薬)の 1 種類、LIA 法が LZ テスト‘栄研’H.ピ
ロリ抗体(栄研化学:栄研 L)、L タイプワコーH.ピロリ抗体・J(富士フイルム
和光純薬:和光 L)、H.ピロリ-ラテックス「生研」(デンカ生研:デンカ L)
の 3 種類である(28)。
抗体のカットオフ値の設定の際に問題となるのが、過去にピロリ菌に感染し
たことがあり、現在は感染していない人(既感染)の存在である。既感染の血
清ピロリ抗体価は除菌後経過年数により個人差があることが挙げられており、
既感染かどうかを抗体価のみでは判断できない。一方で、“除菌前の萎縮の程
度”は除菌後胃がん発がんの予後因子であり(29)、除菌前の高度萎縮例は発が
ん率が 0.62%/年と報告されている(30)。除菌治療を受けた人(除菌後群)は除
菌歴により特定可能である一方で、他疾患に対する抗生物質の内服による偶然
除菌や、高度胃粘膜萎縮などでピロリ菌が自然消滅した自然除菌(以下まとめ
て偶然除菌)(31,32)は、本人も自覚がないため問診による特定ができない。
偶然除菌は除菌時期によって萎縮の進行度が異なるが、リスク因子となる“除
菌前の萎縮状態”を捉えることはできないため偶然除菌は一括して胃がん高リ
11
スクと考え、胃がんスクリーニングにおいて拾い上げの対象となる。しかしな
がら偶然除菌を対象に含む場合は、除菌時期が不明なため得られた抗体のカッ
トオフ値の解釈は困難である。現在 ABC 分類は EIA 法の栄研 E を用いており、
カットオフ値は従来のメーカー推奨のカットオフ値である 10 U/mL ではなくキ
ットの測定限界である 3 U/mL 未満としている。その背景には ABC 分類運用ワー
キンググループが、胃がんリスク評価のための適正な血清抗体価の判定基準の
検証を行い、3 U/mL 以上 10 U/mL 未満に胃がん高リスク群である既感染が 76.7%
を占めていた結果を受け、3 U/mL にカットオフ値を下げる ABC 分類 2016 年度
改訂版を提案したことにある(33)。こうして当時国内最大のシェアを占めてい
た栄研 E の胃がんリスク層別化検診におけるカットオフ値が設定された。その
後登場した LIA 法は汎用自動分析装置で一度に大量処理が可能であり、かつ短
時間で結果を得られる利点があるため、より複雑な工程で時間もかかる EIA 法
から切り替えが進み急速に普及しているが(22)、LIA 法の抗体キットの胃がん
リスク層別化検診におけるカットオフ値は定まっていない。
筑波大学附属病院つくば予防医学研究センターでは LIA 法の一つである栄研
L を採用している。栄研 L のメーカー推奨のカットオフ値は尿素呼気試験の結
果を基に 10 U/mL と設定されており、偶然除菌が対象に含まれていた可能性が
ある。偶然除菌の抗体価は除菌後経過年数や個人差により多様であるため、偶
然除菌を含んだ対象から得たカットオフ値は不安定になりやすい。そこで我々
はまず偶然除菌を除外した純粋な現感染 vs 未感染のカットオフ値を求めた。
次に得られたカットオフ値を、臨床現場の主な二つの状況、すなわち①外来に
12
おける除菌適応の一次スクリーニング(現感染と[未感染 + 偶然除菌]の判別)、
②検診における胃がんリスクの診断([現感染 + 偶然除菌]と未感染の判別)を
想定して偶然除菌を含んだ対象に適用し、診断精度について検討した。偶然除
菌を除外した純粋な血清ピロリ抗体カットオフ値を求めるためには、受診者を
正確に現感染、未感染、偶然除菌に分類する必要がある。本施設では他施設と
異なり血清ピロリ抗体に加え、診断精度の高い便中ピロリ抗原を併用しており、
更に内視鏡検査も実施している利点を生かすことで、抗体のカットオフ値を特
定することが可能である。尚、本施設で使用しているテストメイトピロリ抗原
EIA(わかもと製薬)はマイクロプレートに固相化されたモノクローナル抗体
21G2(固相化抗体)と糞便中の抗原および酵素標識したモノクローナル抗体
21G2(酵素標識抗体)を反応させ判定する方法で、ピロリ菌のカタラーゼに対
する特異性が非常に高い(34)。またピロリ菌以外のヘリコバクター属や便中の
優勢菌とは交差反応せず、診断精度は感度 99.9%、特異度 100%と報告されてい
る(35)。ピロリ菌に対するモノクローナル抗体を使用した便中ピロリ抗原キッ
トの有用性は海外からのメタ解析や(36)、国内からの複数の報告がある(37–
39)。
2.2 目的
本施設で採用しているラテックス法の一つである栄研 L の偶然除菌を除外し
た純粋な現感染 vs 未感染のカットオフ値を求め、除菌適応の一次スクリーニ
ング及び胃がんリスクの診断の両者における感度及び特異度を評価することを
13
目的とした。
2.3 方法
2019 年 1 月から 2020 年 2 月に筑波大学附属病院つくば予防医学研究センタ
ーを受診した 1,090 名を対象とした。探索的後ろ向き研究であるため、サンプ
ルサイズの算出は施行していない。血清ピロリ抗体は栄研 L(LIA、栄研化学)、
PG は CLIA(LSI メディエンス)、便中ピロリ抗原はテストメイトピロリ抗原
EIA(わかもと製薬)、内視鏡によるヘリコバクター・ピロリ感染胃炎は木
村・竹本分類(40)で、萎縮 C-2 以上または胃炎の京都分類(41)に基づき腸上皮
化生ありと定義した。萎縮と腸上皮化生はピロリ菌感染による代表的な胃の形
態変化とされ、除菌後でも持続するが未感染ではみられない所見である。
1,090 名のうち除菌後 235 名、内視鏡未施行者 220 名、便中ピロリ抗原未施行
者 12 名、胃切除後 11 名、血清クレアチニン値 3.0 mg/dL 以上 1 名、PPI また
はカリウムイオン競合型アシッドブロッカー (P-CAB)内服者 113 名および
PGI1,000 ng/mL 以上 1 名を除外した。PPI または P-CAB 内服者を除外した理由
はこれら薬剤の使用は便中ピロリ抗原と PG 値の結果に影響を及ぼすからである。
便中ピロリ抗原とヘリコバクター・ピロリ感染胃炎の有無を指標として受診者
を未感染(便中ピロリ抗原かつヘリコバクター・ピロリ感染胃炎陰性)414 名、
現感染(便中ピロリ抗原かつヘリコバクター・ピロリ感染胃炎陽性)38 名、偶
然除菌(便中ピロリ抗原陰性かつヘリコバクター・ピロリ感染胃炎陽性)30 名
に分類した。なお便中ピロリ抗原陽性かつヘリコバクター・ピロリ感染胃炎陰
14
性 15 名は感染状態不明のため除外した(Figure 3)。
感染状態間の変数の比較は、2 値変数はカイ二乗検定、連続変数はマン・ホ
イットニーの U 検定を使用した。血清ピロリ抗体の最適カットオフ値を求める
ために Receiver operating characteristic curve (ROC)解析を施行し、最適
カットオフ値は左上隅(0,1)から最短距離の点と定義した。 ...