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大学・研究所にある論文を検索できる 「Physiological Study on Green Mature Tomato Fruit (Solanum lycopersicum L.) Stored under High Temperature Condition for Practical Post Harvest」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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Physiological Study on Green Mature Tomato Fruit (Solanum lycopersicum L.) Stored under High Temperature Condition for Practical Post Harvest

GULBUDDIN GULAB 東京農業大学

2020.05.12

概要

アフガニスタンは長年の戦争によって国土が荒廃し,世界の最貧国の一つに数えられている。それゆえ農業基盤の再建は急務の課題であり,特に緑黄色野菜の供給が,乳幼児や高齢者,周産期女性とはじめとする人々の健康維持にとって重要である。著者はアフガニスタンの園芸作物の中で16%のシェアを占めるトマトの栽培状況,収穫後の取扱いについてフィールド調査を行い,高度な貯蔵施設を必要としない緑熟期トマトの高温貯蔵について研究を行った。緑熟期のトマト果実は,機械的な損傷に対する抵抗性が高く,アフガニスタンのようなインフラストラクチャーが未整備の途上国では輸送中のロスを軽減するのに有利である。

著者はまず,緑熟期トマトの貯蔵性について,25℃,29℃,33℃,37℃,41℃で貯蔵実験を行い,33℃貯蔵が最もすぐれていることを見いだした。

緑熟期トマトを33℃で20日以上貯蔵すると,エチレンの前駆体である ACC 含量や ACCオキシダーゼ活性が低下し,エチレン生成が抑制されるが,これらの果実を25℃に戻すと,エチレン生成能力が回復し,果実の成熟が再開することが明らかとなった。ただし,70日以上の長期貯蔵では,25℃に戻しても,エチレン生成能力は回復しなかった。

果実の糖度と酸度は33℃貯蔵の方が25℃貯蔵よりも高くなったが,これは水分損失が大きいことによる濃縮効果であると考えられた。33℃貯蔵により,水分損失ははじめ大きいものの,20日以上の貯蔵である程度水分を失うと果皮の硬度が増加するため,25℃貯蔵との差はわずかであった。糖や有機酸含量が増加したのは,いわゆる濃縮効果によるものと考えられた。

果実の外見に関しては,33℃以上の高温で貯蔵した場合,25℃に戻しても,赤色色素の蓄積は抑制され,果実は黄色がかった色となり,カロチノイド合成系の中でも,高温で抑制される経路とそうでない経路があると推察された。

これらの研究の結果,輸送や貯蔵中における物理的損傷が少ない緑熟期トマトを収穫して高温下で半年以内を目安に貯蔵を行い,市場価格や流通量にあわせて出荷することが実用的観点から推奨されるといえる。本研究の成果は,低温貯蔵施設を有しない地方の小規模な農家でも利用可能な技術であり,アフガニスタンのような発展途上国におけるトマトの収穫後貯蔵・輸送技術の改善,農業所得の向上,栄養環境の改善に対する貢献が期待される。

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