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大学・研究所にある論文を検索できる 「Seismic source properties of slow and fast earthquakes in the Guerrero seismic gap, Mexico」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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Seismic source properties of slow and fast earthquakes in the Guerrero seismic gap, Mexico

Plata Martínez, Raymundo Omar 京都大学 DOI:10.14989/doctor.k23454

2021.09.24

概要

近年、世界の沈み込み帯の多くの地域でスロー地震が観測されており、沈み込み帯共通の現象として注目されている。一般にプレート境界型大地震の震源域よりも浅部で発生するスロー地震は浅部スロー地震と称され、より深部に位置する深部スロー地震と区別される。深部スロー地震の発生域の多くは陸域下にあるのに対して、浅部スロー地震の発生域の多くは海底下に位置するため地震観測網も陸上と比べて十分整備されておらず、その活動様式や発生メカニズムは、深部のそれらと比べて未だよくわかっていない。

メキシコ太平洋沿岸部のゲレロ州下のプレート境界部では、深部スロー地震が繰り返し発生している。また、ゲレロ州沖合には過去100年以上の間に大地震が発生していない領域(ゲレロ地震空白域)が存在し、大地震の発生可能性が高い領域として注目されている。一方、陸上の地殻変動観測からゲレロ地震空白域のプレート間固着率が周囲と比べて小さいことが指摘されている。つまりゲレロ地震空白域の地震発生ポテンシャルの評価において、ゲレロ地震空白域及びその周辺のスロー地震を含む地震活動度とそれらの震源特性の理解が鍵となる。本論文では、ゲレロ地震空白域の周辺で発生する地震とテクトニック微動(スロー地震の一種)の震源特性とその地域性を精査し、ゲレロ地震空白域周辺の地震発生ポテンシャルを議論した。

まず、ゲレロ地震空白域の北西端付近および南東端外側のプレート境界で発生した大地震とそれらのマグニチュード4以上の余震に着目した。陸上地震観測記録で得られた震源スペクトルから地震波放射エネルギーを求めた後、地震モーメントで除して得られるScaled Energyを求め、その地域性を比較した。その結果、比較的小さなSca led Energyを示す地震の多くは、ゲレロ地震空白域から南東端外側の海溝軸近くと北西端外側に分布し、得られた値(10-5.47±0.27)は他の地域で得られた津波地震のそれに近いことが示された。特に南東端外側の海溝近くでは、これまでに通常の地震と比べて破壊伝搬速度が小さな地震が発生したことが知られており、この領域を津波地震の発生ポテンシャルが周囲と比べて高い領域と結論付けた。

次に、ゲレロ地震空白域直上に新たに設置された海底地震計記録からスロー地震の一種であるテクトニック微動を検出し、それらの震源分布を求めた。さらに微動のメカニズム解と地震波放射エネルギーを求めた。得られたテクトニック微動の震源分布と通常の地震活動を比較した結果、これらのいずれも発生しない領域(サイレントゾーン)がゲレロ地震空白域に広く分布することが示された。陸上のGNSS観測から得られたプレート間固着率や残差地形異常および残差重力異常から、サイレントゾーンを非地震性すべりが卓越する領域と考えた。微動のメカニズム解はプレート境界を断層面とする逆断層型として解釈された。また、微動のScaled Energyは10-8から10-7と、ゲレロ地震空白域で先に得られた通常の地震の値と比べて小さいことが示された。特に海溝軸付近の繰り返し間隔1ヶ月の微動のScaled Energyは、マグニチュード7クラスの大地震の震源域近くの繰り返し間隔3ヶ月の微動と比べてやや小さい傾向を示した。これら本論文で得られた結果は、ゲレロ地震空白域における大地震の発生ポテンシャルが周囲と比べて低い可能性を示す。

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