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大学・研究所にある論文を検索できる 「Synthesis and Properties of Heavier Group 14 Metallylenes Bearing Iminophosphonamide Ligands」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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Synthesis and Properties of Heavier Group 14 Metallylenes Bearing Iminophosphonamide Ligands

高橋 慎太郎 埼玉大学 DOI:info:doi/10.24561/00019562

2021

概要

カルベンの高周期類縁体であるメタリレン (シリレン, ゲルミレン, スタンニレンおよびプルンビレン) は, 非占有軌道と孤立電子対の相反する二つの反応点を有する反応活性な化学種である. その特異な電子状態に起因した性質, 特に, 反応性に関しては基礎学術的に興味がもたれている. メタリレンの反応性の多くは非占有軌道に起因するものであり,求電子性を活用した様々な反応性がこれまでに明らかにされてきている.一方, メタリレン中心の電子密度を増加させる試みは比較的少なく, s 性が高く比較的不活性なメタリレンの孤立電子対を用いた応用例は限られている. メタリレンの求核性を増加させることは, カルベンと同様にσ供与性配位子として配位化学への応用だけでなく, 求電子的なメタリレンでは見られない新たな反応性の発現が期待される.

本博士論文では, 強い電子供与性を示すイミノホスホナミド配位子を導入した一連のメタリレンの合成を検討し, 従来の求電子的なメタリレンとは異なる, 高い求核性に起因する反応性の発現を期待した. イミノホスホナミド配位子は電気的に陽性なリン原子を骨格内にもち, 大きく分極した P–N 結合を有することから, メタリレン中心の電子密度の増加が期待される. また, その合成法の多様性から, 窒素上およびリン上に種々の置換基を導入することが可能であり, 電子的および立体的に配位子をチューニングすることが可能である. 本博士論文では, イミノホスホナミド配位子を導入した一連のメタリレンの合成とそれらの反応性, さらに中心元素に応じた特異な性質について明らかにした.

まず, イミノホスホナミド配位子の窒素上にtBu 基およびDip 基を有する一連のメタリレンの合成を行い, 目的とする種々のメタリレンの合成に成功した. また, 合成したメタリレンの求核置換反応からアミノ基の導入が可能であり, さらなる求核性の向上したアミノメタリレンの合成にも成功した。

合成したメタリレンの応用として, シリレンおよびゲルミレンを用いた錯形成反応を行い, 本来不安定である配位不飽和な 14 電子錯体を安定に単離することに成功した. さらに,配位子上の置換基を変更することによってメタリレンの反応性が変わり, 遷移金属に対する配位ではなく, 遷移金属–塩素結合にメタリレンが可逆的に挿入・脱離する興味深い反応性の発現を見出した.

さらに,スタンニレンと CO2 との反応を検討したところ, アミノ基上の置換基に対応した種々のイソシアナートを与えた. 従来のメタリレンを用いた類似の反応と比較して, 生成物の収率, 基質の適用範囲および反応条件といった観点から優れており, 種々のイソシアナート類の合成を可能とした. 温室効果ガスとして知られている CO2 を用いた有機材料への変換反応は, 持続可能な社会の構築を促進する. 特に, イソシアナート類は有機合成における重要な出発原料であり, 本反応は猛毒なホスゲンを使用しない新しいイソシアナートの合成法を確立した.

予想したように、イミノホスホナミド配位子をメタリレンに導入することによってメタリレンの反応性の向上と従来のメタリレンとは異なる反応性が発現した.

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