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大学・研究所にある論文を検索できる 「Upregulated miR-224-5p suppresses osteoblast differentiation by increasing the expression of Pai-1 in the lumbar spine of a rat model of cogenital kyphoscoliosis」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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Upregulated miR-224-5p suppresses osteoblast differentiation by increasing the expression of Pai-1 in the lumbar spine of a rat model of cogenital kyphoscoliosis

石綿, 翔 イシワタ, ショウ Ishiwata, Sho 群馬大学

2020.10.31

概要

序論:
先天性脊柱側弯症は出生前、そして生後に発生する椎体形成障害や分節障害によって発生する構築性の形態異常である。先天性脊柱側弯症の遺伝子学的な背景や原因遺伝子は未だ不明なことが多い。側弯が進行する場合の治療方法は手術療法しかなく、進行前に手術を行う方が成績は良いとの報告があるが、手術における合併症も多く問題となっている。原因遺伝子を特定することにより、遺伝子治療など可能にすることが期待されている。今回我々は、plasminogen activator inhibitor-1 (Pai-1) が miR-224-5p の増加に伴って増加し骨芽細胞の分化を抑制することが、先天性脊柱後側弯症の病態に関与している可能性を報告する。

材料と方法:
先天性脊柱後側弯症モデルラットである石橋ラット (IS ラット) を用いて、生後の腰椎における骨形態異常や進行を確認する目的で Alcian blue/ Arizalin red 染色を施行した。また、先行研究と同様に、IS ラットの腰椎の中で椎体変形が好発する高位である第 3-5 腰椎を 1 ユニットとして生後 4 日の時点でサンプルを採取した。コントロールとしては生後 4 日の Wister rat の腰椎、第 3-5 腰椎を1ユニットとして使用した。サンプルから microRNA, mRNA, タンパク質を抽出してそれぞれ microRN A array、Real time PCR、Western blotting を施行した。

結果:
Alcian blue/Arizalin red 染色の結果。生後 4 日ではすでに一次骨化中心の癒合と分裂像がみられた。生後 7 日でも同様に一次骨化中心の癒合と分裂像がみられ、その後は生後 14 日の時点で輪状骨端核の癒合がみられた。生後 21 日の時点では輪状骨端核の癒合と側弯の発症がみられた。生後 28 日の時点では輪状骨端核の癒合がみられ、生後 42 日の時点では椎体の癒合と側弯がみられた。
microRNA array を施行した結果、miR-224-5p の発現が Wister rat と比較して増加していた。また、miR-182、miR-194-3p、miR-9a-5p の発現が減少していた。それぞれの microRNA 発現を Real time PCR で確認したところ、miR-224-5p は IS ラットで発現が有意に増加していた(IS/Wister ratio = 3.46, p<0.05)。miR-182 は mi croRNA array の結果と反して発現が増加していた。miR-194-3p、miR-9a-5p の発現には差がみられなかった。miR-224-5p の pathway 解析を行った結果、TGF-βsig naling pathway, BMP signaling pathway に関与していることがわかった。それぞれの pathway にある Smad1、Smad4、Smad7、Pai-1 の発現を確認したところ Smad1、S mad4、Smad7 では発現に差はなかったが、Pai-1 でのみ発現増加がみられた(IS/Wi ster ratio = 2.20, p<0.05)。Western blotting の結果、タンパク質レベルでも Pai-1 の発現は増加していた(IS/Wister ratio = 2.48, p=0.03)。一方、骨芽細胞分化のマーカーである Col1A の発現は IS ラットで有意に減少していた(IS/Wiste r ratio = 0.44, p=0.026)。

考察:
IS ラットの腰椎
miR-224-5p の発現は増加していたが、その標的である Smad4、Smad7 の発現には差がみられなかった。しかしその下流にある Pai-1 の発現は増加していた。miR-224-5 p によるSmad を介さない骨芽細胞の分化と骨代謝経路の関与が示唆された。Pai-1には骨芽細胞の分化を抑制して骨形成を抑制するという報告と、骨芽細胞の分化を促進し骨形成を促進させるという2つの異なった報告がある。Pai-1 にはプロモーター領域に2つの遺伝子多型が存在するとの報告があり、これが2つの異なる作用の要因となっている可能性がある。今回の解析結果では、IS ラットの腰椎において Pai-1 は増加しており、その結果骨芽細胞の分化を抑制し骨形成を抑制していることが示唆された。
また、先行研究で行った DNA microarray の結果では、IS ラットにおいて Pai-1 bin ding protein の発現が高かった(IS/Wister ratio = 1.43)。Pai-1 binding pr otein には Pai-1 mRNA に結合して安定化させる作用があるとの報告がある。miR-2 24-5p の増加によって Pai-1 binding protein を間接的に増加させることにより Pa i-1 の発現を増加させている可能性が示唆された。

まとめ:
IS ラットの下位腰椎において、生後様々な椎体の形態異常がみられた。miR-224-5pの増加によって Pai-1 が増加し、その結果骨芽細胞の分化が阻害されるため、IS ラットの下位腰椎の形態異常が起こる可能性が示唆された。

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