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大学・研究所にある論文を検索できる 「日本人高齢者における日本食パターンの健康影響に関するコホート研究」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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日本人高齢者における日本食パターンの健康影響に関するコホート研究

松山 紗奈江 東北大学

2021.09.24

概要

【背景】日本人が長寿である要因の一つとして日本食が期待されている。しかし、日本食パターンと死亡や要介護リスクとの関連を検討した先行研究は、限られた地域の住民を対象とした研究や、長期的な食習慣の変化が考慮されていない研究であり、日本食に関するエビデンスは未だ乏しい。また、日本食パターンを評価する指標として用いられる「日本食インデックス」の外的妥当性は検討されていない。

【目的】第一に、全国規模のコホート研究データを使用し、日本食インデックスで評価した日本食パターンと全死亡および死因別死亡リスクとの関連を明らかにするとともに、日本食インデックスの外的妥当性を検討すること。第二に、日本食パターンの変化と要介護発生リスクとの関連を解明し、食事を日本食パターンに変えることが介護予防に寄与しうるかを検討すること。

【方法】研究 1:全国規模のコホート研究である「多目的コホート研究」データを使用し、ベースライン時点で 45-74 歳であった 92,969 人を解析対象とした。曝露である「日本食パターン」は、日本食インデックスを用いて 0-8 点で評価した(ご飯、味噌汁、海草、漬物、緑黄色野菜、魚介類、緑茶は、摂取量が性別中央値以上で+1 点、牛肉・豚肉は、摂取量が性別中央値未満で+1 点)。アウトカムは、全死亡および死因別死亡リスクとした。日本食インデックススコアの四分位に基づいて「0-2 点(基準)」「3 点」「4、5 点」「6-8点」に分類し、各群の死亡のハザード比(HR)と 95%信頼区間(95%CI)を Cox 比例ハザードモデルで推定した。
研究 2:宮城県大崎市の住民を対象としたコホート研究データを使用し、ベースライン時点で 65 歳以上であった 2,923 人を解析対象とした。曝露である「日本食パターンの変化」は、日本食インデックスを用いて2 時点(1994 年と 2006 年)のスコアを算出し、そのスコアの変化値とした。アウトカムは、新規要介護発生とした。日本食パターンの変化の五分位に基づいて「2 点以上減少(基準)」「1 点減少」「0 点(変化なし)」「1 点増加」「2 点以上増加」に分類し、各群の要介護発生の HR と 95%CI を Cox 比例ハザードモデルで推定した。

【結果】研究 1:スコアが高い群ほど、全死亡リスクが低かった。多変量調整 HR(95%CI)は、「3 点」で 0.95(0.90-0.99)、「4、5 点」で 0.91(0.87-0.95)、「6-8 点」で 0.86(0.81-0.90)であった(傾向性の P値 <0.001)。死因別では、スコアが高い群ほど、循環器系の疾患(特に心疾患)の死亡リスクが低く、がんおよび脳血管疾患の死亡リスクとの関連はなかった。
研究 2:日本食パターンの度合いが強まった者では、要介護発生リスクが低下した:多変量調整 HR(95%CI)は、「0 点(変化なし)」で 0.80(0.65-0.98)、「1 点増加」で 0.76(0.61-0.95)、「2 点以上増加」で 0.77(0.61-0.98)であった(傾向性の P 値=0.045)。

【結論】本研究では、日本食インデックスで評価された日本食パターンが、全死亡および死因別死亡のリスク低下と関連していることを、全国規模のコホート研究データを使用して明らかにした。このことから、日本食インデックスの外的妥当性が確認された。さらに、日本食パターンの度合いが強まった者で、要介護発生のリスクが低下したことから、日本食パターンの度合いの改善が要介護リスクの低下につながる可能性が示唆された。

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