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Evaluating Individual Radiosensitivity for the Prediction of Acute Toxicities of Chemoradiotherapy in Esophageal Cancer Patients

今野 伸樹 広島大学

2021.03.23

概要

学位論文

全文要約

Evaluating Individual Radiosensitivity for the Prediction of Acute Toxicities of
Chemoradiotherapy in Esophageal Cancer Patients
(食道癌に対する化学放射線療法による急性期有害事象予測のための放射線感受性評価)

Radiation Research, in press

医歯薬保健学研究科

医歯薬学専攻

今野

伸樹

【目的】化学放射線療法(CRT)は、多くの癌において標準治療の一つとして重要な役割を果
たしている。その有用性が認識される一方、放射線療法(RT)による有害事象が大きな懸念事
項である。RT による有害事象を予測するために、これまで様々な物理的および生物学的解析が
行われてきた。 RT の有害事象は正常組織に照射される線量と体積に依存するため、線量-体積
ヒストグラム(DVH)は、物理的な解析による予測指標として有用とされている。しかし、有
害事象の程度は、同程度の線量、照射体積の治療を受けた患者間でも個人差があることが知られ
ている。これは、個人の放射線感受性の違いによるものと考えられている。したがって、RT の
有害事象予測のために、個人の放射線感受性を予測する指標を確立することは極めて重要な課題
である。先行研究では、末梢血リンパ球(PBL)の γ-H2AX foci 数や染色体異常(CA)数によ
って測定した個人の放射線感受性と RT の有害事象に関係があることが報告されている。これら
の先行研究では、患者の血液を採取し in vitro で照射することで放射線感受性を予測しているが、

in vitro での照射では、RT の照射線量や照射体積、生体内での反応が反映されない。本研究で
は、CRT 患者の照射前後の PBL を採取することで、照射による in vivo での γ-H2AX foci 数お
よび CA 数の変化を評価するための前向き研究を施行し、RT による有害事象の予測指標を検討
した。
【方法】2017 年 9 月から 2019 年 10 月まで、根治的 CRT を施行した 18 例の食道癌患者を前
向きに登録した。RT は 1 日 2Gy を週 5 日施行し、総線量は 11 例で 60Gy、7 例で 50Gy であ
った。化学療法としてシスプラチンまたはネダプラチンと 5-フルオロウラシルを使用した。PBL
は、累積線量が 2、20、40、および 50 / 60 Gy 時点で、RT を照射する直前と照射 15 分後に採
取した。RT の 4 週間後及び 6 か月後にも PBL を採取した。CA の測定には peptide nucleic acid
fluorescence in situ hybridization(PNA-FISH)法を用い、二動原体および環状染色体を計測
した。また、DNA 損傷の程度を評価するため、照射前後で 1 細胞あたりの γ-H2AX foci 数を測
定し、それぞれの累積線量時点で 2 Gy の RT による γH2AX foci の増加数を測定した。これら
の因子と、CTCAE ver. 5.0 で評価した CRT の有害事象との関連を評価した。有意差検定には
対応のある t 検定とマンホイットニーU 検定を使用し、すべての検定で、p 値<0.05 を有意水準
とした。

【結果】全 18 症例での PBL1 細胞あたりの CA 数の平均は、CRT 中に増加し、終了後に経時
的に減少した(RT 前:0.01(範囲:0–0.02)、 2 Gy:0.05(0.03–0.08)、 20 Gy:0.42(0.22–1.10)、
40 Gy:0.65(0.34–1.33)、 RT の最終日(50 / 60 Gy):1.04(0.52–2.30)、 RT の 4 週間後:
0.98(0.46–2.06)、 RT 後 6 か月:0.65(0.27–1.22))。RT 前の γ-H2AX foci 数は、CRT 中に
有意な増加を示さなかったが、1 回の照射による γH2AX foci の増加量は、累積線量の増加と共
に有意に減少した(2 Gy:1.88(0.39–3.33)、20 Gy:1.47(0.59–3.17)、 40 Gy:0.92(0.06–1.88)、
RT の最終日(50 / 60 Gy)
:0.54(0.08–2.19))。有害事象の評価では本研究に登録された 18 例
の食道癌患者のうち、5 例で Grade 3 の急性期有害事象を認め(食道炎:4 例、肺臓炎:1 例)、
これらの症例を Overreactor(OR)と定義した。残りの 13 例では急性期有害事象 Gade2 以下
で、Non-overreactor(NOR)と定義した。 OR 群では、Grade3 の急性期有害事象は、28 Gy、
54 Gy、60 Gy、照射後 3 日及び 28 日後に認められた。食道、肺、体全体の照射線量及び照射
体積は OR 群と NOR 群で有意差を認めなかった。一方、OR 群の CA 数は、NOR グループの
CA 数と比較して有意に高値であった(累積線量 20 Gy(平均値:0.63 v.s. 0.34、p = 0.02)、40
Gy(平均値:0.90 v.s. 0.52、p= 0.04)、RT の最終日(50 / 60 Gy)
(平均値:1.49 v.s.0.84、p =
0.005)。 γ-H2AX foci 数と急性期有害事象との有意な関連は認められなかった。 Grade3 以上
の急性期有害事象は発症した 5 例全例で累積線量 20Gy 以降に発症しており、累積線量 20 Gy
時点で CA 数に有意差が認められていることから、照射線量 20Gy 時点の CA 数は、CRT の急
性期有害事象の予測指標となる可能性がある。
【結論】
本研究は、
食道癌患者における CRT 中及び治療後の PBL 中の CA 数および γ-H2AX foci
数の動態を明らかにした。 2 Gy の RT による γ-H2AX foci 数の増加は RT の累積線量の増加と
ともに減少したが、RT 前の γ-H2AX foci 数は CRT 中に変化しなかった。 対照的に、CA 数は
治療中に経時的に増加したが、CRT 後 6 か月で約 60%まで徐々に減少した。累積線量 20 Gy
での CA 数が、食道癌患者における CRT の急性期有害事象の予測指標となる可能性が示唆され
た。

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