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大学・研究所にある論文を検索できる 「ラット慢性脳虚血におけるCL2020による治療効果の検証」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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ラット慢性脳虚血におけるCL2020による治療効果の検証

岩渕 直也 東北大学

2020.03.25

概要

背景:血管障害性認知症は認知症の 20%を占め,アルツハイマー病に次いで多い.慢性的に脳血流が低下することにより,認知機能障害を引き起こすことが知られている.その病態を解明するため,これまでの研究では慢性脳虚血動物モデルが汎用されており,海馬における神経変性と白質損傷を引き起こし,認知機能低下を誘発するという特徴を有する.Muse 細胞は非腫瘍性の多能性幹細胞であり,損傷された組織から放出される S1P に誘導され損傷部位へ遊走するという特徴がある.Muse 細胞は損傷部位に生着すると,組織に応じた細胞へと自発的に分化するだけでなく,血管新生作用や抗アポトーシス作用など様々な作用によって組織修復を行う.今回我々はラット慢性脳虚血モデルに対して Muse 細胞製品である CL2020 を経静脈的に投与し,その治療効果を検討した.移植時期は慢性期とした.

方法:SD ラットに対して両側総頚動脈を閉塞し,慢性脳虚血モデルを作製した.処置 6 週後に CL2020 を経静脈から投与した.移植 3 週後に Barnes 円形迷路試験で認知機能を評価した.移植 4 週後に脳の切片を作成し,KB 染色で海馬と白質の損傷程度を組織学的に評価した.また,免疫組織化学で CL2020 の生着,血管増生,アポトーシスについて評価した.さらに移植 4 週後に海馬の蛋白を分離し,ウエスタンブロットで抗アポトーシス蛋白あるいはアポトーシス抑制蛋白について評価した.

結果:CL2020 投与群で海馬の形態と神経損傷は改善していた.また,白質の粗鬆化も改善していた.移植した CL2020 は海馬周辺に生着していた.海馬において CD34 陽性細胞が増加しており,血管増生が促進していることが示唆された.海馬において TUNEL 陽性の神経細胞が減少しており,アポトーシス抑制作用が示唆された.海馬において Bid / Bim の発現が減弱し,また Bcl-2 / Bcl-xL の発現が増強しており,アポトーシス抑制作用が示唆された.CL2020 により認知機能が改善する可能性が示唆された.結語:慢性期のラット慢性脳虚血モデルに対して CL2020 を経静脈的に投与することにより認知機能障害が改善する可能性がある.CL2020 が損傷部位へ遊走し,血管増生作用や抗アポトーシス作用を引き起こすことが一因となり,海馬損傷や白質損傷が抑制されることに起因することが示唆された.

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