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大学・研究所にある論文を検索できる 「尿路感染症患者からの基質特異性拡張型β-ラクタマーゼ産生大腸菌分離株における抗生物質感受性に対する染色体およびプラスミド局在blaCTX-M-15遺伝子の差異および影響」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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尿路感染症患者からの基質特異性拡張型β-ラクタマーゼ産生大腸菌分離株における抗生物質感受性に対する染色体およびプラスミド局在blaCTX-M-15遺伝子の差異および影響

梁, 英敏 神戸大学

2023.03.25

概要

Kobe University Repository : Kernel
PDF issue: 2024-05-02

Differential effects of chromosome and plasmid
blaCTX-M-15 genes on antibiotic
susceptibilities in extended-spectrum betalactamase-producing Escherichia coli isolates…
from patients with urinary tract infection

梁, 英敏
(Degree)
博士(医学)

(Date of Degree)
2023-03-25

(Resource Type)
doctoral thesis

(Report Number)
甲第8611号

(URL)
https://hdl.handle.net/20.500.14094/0100482359
※ 当コンテンツは神戸大学の学術成果です。無断複製・不正使用等を禁じます。著作権法で認められている範囲内で、適切にご利用ください。

(課程博士関係)

学位論文の内容要旨

Differential effects of chromosome and plasmid blaCTX-M-15
genes on antibiotic susceptibilities in extended-spectrum
beta-lactamase­ producing Escherichia coli isolates from
patients with urinary tract infection
尿路感染症患者からの
基質特異性拡張型β-ラクタマーゼ産生大腸菌分離株における
抗生物質感受性に対する
染色体およびプラスミド局在 blaCTX-M-15 遺伝子の差異および影響

神戸大学大学院医学研究科医科学専攻
腎泌尿器科学
指導教員:黒田 良祐 教授
Youngmin Yang
梁 英敏
Key words: chromosomal localization, CTX-M-15, Escherichia coli, extended-spectrum

βlactamases (ESBL)

【緒言】

blaCTX-M を持つ ESBL 産生腸内細菌科は、世界中で問題になっている。特に、CTX-M15 を産生する大腸菌は世界各地で分離されており、O25 B2 配列型のクローンが広く分布
している。 blaCTX-M-15 遺伝子は細菌のプラスミドに存在し、異なる種類のバクテリア
間で高い伝導性を持つことが知られている。大腸菌を含む多くの細菌がこのプラスミドを
持っており、遺伝子保有者は、数種類の β ラクタマーゼとアミノグリコシドまたはキノロ
ンに対する抗菌薬耐性遺伝子の同時保有により、抗菌薬に対する多剤耐性を示す傾向を認
める。 blaCTX-M グループは、大腸菌内で染色体とプラスミドの両方の形態で存在してい
る。染色体因子は、ESBL 産生大腸菌に多剤耐性を付与することができるが、近年多剤耐性
にはプラスミドによるメカニズムも存在することが明らかになっている。
泌尿器科医は、臨床状況で直面するため、尿路感染症の抗菌薬耐性を理解する必要がある。
迅速な診断と適切なタイムリーな治療のためには、ESBL 産生菌、特に CTX-M について
認識を深めることが重要である。最近増加している 尿路感染症 の抗菌薬耐性を理解する
ことは、尿路感染症の診断と治療を管理する泌尿器科医にとってもまた重要である。 ESBL
産生菌の代表的な遺伝子型である CTX-M に関する知識は、分子的側面を使用した迅速な
診断により抗菌薬耐性を分類できる可能性があるため、臨床的側面および研究に関して役
立つと考えられる。
効果的な院内感染制御には、この遺伝子複合体が抗菌薬耐性株の伝播とどのように関連し
ているかを理解する必要がある。にもかかわらず染色体とプラスミドの blaCTX-M グルー
プの違いが薬剤耐性と腸内細菌科の疫学的特徴にどのように影響するかについての調査は
ほとんどされていない。
2003 年から 2010 年に日本の愛媛県立中央病院で臨床材料から分離された ESBL 産生大
腸菌の 268 株の研究では、最も一般的に検出された blaCTX-M-9 グループは blaCTXM-14 であった。また、2009 年以降、blaCTX-M-1 グループの中に、blacTX-M-15 グルー
プと blaCTX-M-55 グループが検出された。さらに、blaCTX-M-15 の検出数は 2014 年か
ら 2016 年にかけて増加している。日本では、2000 年以降、特定の起源株 ST131 が大腸
菌で優位に立っているのが現状である。今後、海外からの伝播により新たな耐性菌がメジャ
ーとなるため、泌尿器科医の臨床上および研究上、有用な知見となりうる。
本研究では、インドネシアの ESBL 産生大腸菌における染色体とプラスミド blaCTX-M15 の関係を、それらの薬剤耐性と疫学的特徴に関して比較した。
【方法】
2015 年にインドネシアの尿路感染症の患者から、基質特異性拡張型 β-ラクタマーゼを産
生する大腸菌として同定された分離された合計 84 株を対象とした。 bla 遺伝子はポリメラ
ーゼ連鎖反応によって検出した。 blaCTX-M-15 陽性株の遺伝子局在はサザンブロット ハ
イブリダイゼーションによって確認され、疫学的タイピングは Multilocus Sequence
Typing(MLST)を使用して行った。

【結果】
blaCTX-M-15 遺伝子を持つ 54 株のうち、27 株が染色体に、20 株がプラスミドに、7 株
が染色体とプラスミドに局在していた。染色体に blaCTX-M-15 を持つ 27 株の半数の
MLST は ST405 (25.9%) および ST131 (22.2%) 株であったが、プラスミドに blaCTX-M-15
を持つ 20 株はほぼ半数が ST410 (55.0%) であった。blaCTX-M-15 プラスミドおよび染色
体株における抗生物質感受性の χ 二乗検定を用いた統計解析では、プラスミド株は TZP に
対する耐性率が有意に高かった(P = 0.03)が、CHL に対する耐性率は低かった(P = 0.0495)。
他の抗菌薬への耐性に有意差は認めなかった。
【考察】
プラスミドの拡散レベルが ESBL 産生大腸菌に多剤耐性を付与することはよく知られて
いる。しかし、blaCTX-M-15 は大腸菌の染色体にも存在することも知られている。 染色
体上の blaCTX-M-15 とプラスミド上の blaCTX-M-15 が大腸菌の抗生物質感受性にど
のように影響するかを調査する機会はほとんど無かった。 TZP および CHL 感受性に関
するこの研究では、blaCTX-M-15 染色体株とプラスミド株との間に有意差があることが示
された。 私たちの知る限り、TZP 耐性とこの抗生物質耐性関連遺伝子のプラスミドまたは
染色体 DNA との関係に関する研究はなかった。 したがって、我々のデータは、TZP 耐性
が染色体耐性よりも細菌間の抗生物質耐性遺伝子の伝達様式に相関している可能性がある
ことを示唆している。
CHL 耐性のメカニズムは、主に抗菌薬の酵素的不活性化と、抗菌薬の細胞外への能動的な
排出からなる.不活性化は CHL のアセチル化によって引き起こされ、これには cat 遺伝子が
関与している. cat 遺伝子は、緑膿菌や大腸菌などのグラム陰性菌の染色体上に存在するこ
とが知られている。
私たちの研究は、blaCTX-M-15 株が TZP に対して非常に耐性があることを示した。 他の
研 究 で は 、 CTX-M-55 か ら 133 位 の Thr を Ser に 1 回 置 換 し た CTX M190
(Ser133Thr) は、β-ラクタマーゼ阻害剤であるタゾバクタムによる阻害に対して非常に耐
性があることが報告されている。 CTX-M-14 および CTX-M-15 では、タゾバクタムはク
ラブラン酸およびスルバクタムと比較して最大の阻害活性を示している.
ST および耐性染色体およびプラスミド遺伝子に関しては、ST410 株は主にプラスミド上に
あった(11/20、55.0%)が、ST131 では有意な傾向は見られなかった。 ST410 は、インド
ネシアで見つかった他の株とは異なる特徴を持っていた。 ST410 大腸菌は世界中に分布し
ており、ヨーロッパ、アフリカ、アジア、北アメリカ、南アメリカのヒトや動物から分離さ
れている。 ST410 遺伝子型は、潜在的に国際的な高リスク クローンとして、一部の研究
者によって大規模な伝播の可能性について警告されている。
NDM-5 を産生する 大腸菌 ST410 分離株がエジプトとデンマークで検出されたがこれは、
ST410 が、CTX-M-15 または NDM をコードする遺伝子を広めるための、ST131 と同様
の新たなパンデミックを引き起こしうるクローンである可能性を示唆している。

我々はサザンブロットハイブリダイゼーションにより blaCTX-M-15 遺伝子に照らして
ST410 を研究し、その特徴が上記のようにユニークなものであることを発見したが、文献
的にこれに関する以前の報告は認められなかった。
この研究にはいくつかの制限がある。 第一に、この研究は後ろ向き研究であり、 株数が増
えることで結果が変わってくる可能性がある。 第二に、患者のインドネシア人の背景情報
について不十分であり、詳細な解析ができなかった。 第三に、抗菌剤に対する最小阻害濃
度、遺伝子位置の経時的変化、および抗生物質感受性の関係変化を含む完全な臨床データは
調査に利用できなかった。 第四に、遺伝的多様性については疫学的方法によって決定する
ことが困難である点である。
【結語】
結論として、インドネシアの ESBL 産生大腸菌における blaCTX-M15 遺伝子の染色体かプ
ラスミドかの局在の違いは、TZP と CHL に対する抗生物質感受性に影響を与えることが
示された。
また、よく知られている株については同じ染色体とプラスミドの組み合わせで CTX-M-15
を保有する傾向がある。この事実は、抗生物質排出のメカニズムを説明するのに役立つ可能
性があり、CTX-M-15 の更なる分子生物学的調査が必要と考える。

神 戸 大 学 大 学 院 医 学(
系)
研 究科 (博士課程)
言合i コと苓皆そ韮E~ 糸吉長艮ク>彦巨 旨ず

論文題目

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甲第



受付番号

3276号

梁英敏



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尿路感染症患者からの基質特異性拡張型 (
3ラクタマーゼ産生大腸
茜分離株における抗生物質感受性に対する染色体およびプラスミド
局在 b
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a
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M
1
5遺 伝子 の差異および影響

主 査

C
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審査委員

Examiner

副 査

v
1
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副 査

v
1
ce

exam1ner

猜シバロ[



I
国シ

宮襄\ら縫


要 旨は 1, 0 0 0字 ∼ 2, 0 0 0字程度 )


緒 言】

blaCTX

M を持 つ ESBL産生腸内細菌科は、世界中で問題になっている。特に、 CTX・M-15 を産生
す る 大 腸 菊 は 世 界 各 地 で 分 離 さ れ て お り 、 025B2 配 列 型 の ク ロ ー ン が 広 く 分 布 し て い る 。
blaCTX

M・
15造伝子は細菌のプラスミドに存在し、異なる種類のバクテリア間で高い伝導性を持つこ
とが知られている。大腸菌を含む多 くの細菌がこのプラスミドを持っており、遺伝子保有者は、数種類
の 6ラクタマーゼとアミノグリコシドまたはキノロンに対する抗菌薬耐性迫伝子の同時保有により、抗
菌薬に対する多剤耐性を示す傾向を認める。 blaCTX

M グループは、大腸菌内で染色体とプラスミド
の両方の形態で存在している。染色体因子は、 ESBL産生大腸菌に多剤耐性を付与することができるが 、
近年多剤耐性にはプラスミドによるメ カニズムも存在することが明らかになっている。
泌尿器科医は、臨床状況で直面するため、尿路感染症の抗菌薬耐性を理解する必要がある 。迅速な診断
と適切なタイムリーな治療のためには、 ESBL産生菌、特に CTX

M について認識を深めることが重
要である。最近増加している尿路感染症の抗菌薬耐性を理解することは、尿路感染症の診断と治療を
管理する泌尿器科医にとってもまた重要である。 ESBL産生菌の代表的な道伝子型である CTX

M に
閑する知識は、分子的側面を使用した迅速な診断により抗菌薬耐性を分類できる可能性があるため、臨
床的側面および研究に関して役立つと考えられる。
効果的な院内感染制御には、この遺伝子複合体が抗菌薬耐性株の伝播とどのように関連しているかを理
解する必要がある。にもかかわらず染色体とプラスミドの blaCTX

M グループの違いが薬剤耐性と腸
内細菌科の疫学的特徴にどのように影孵するかについての調査はほとんどされていない。
2003 年から 2010 年 に 日 本 の 愛 媛 県 立 中 央 病 院 で 臨 床 材 料 か ら 分 離 さ れ た ESBL産生大腸菌の
268株の研究では、最も一般的に検出された blaCTX

M-9 グループは blaCTX

M-14であった。また、
2009年以降、 b
l
a
C
T
X

M
・ lグループの中に、 blaCTX・
M・
15グループと blaCTX・
M・
55グループが検出

M15 の検出数は 2014年から 2016年にかけて増加している。日本では、
された。さらに、 blaCTX
2000年以降、特定の起源株 ST131 が大腸菌で低位に立っているのが現状である。今後、海外からの
伝播により新たな耐性菌がメジャーとなるため、泌尿器科医の臨床上および研究上、有用な知見となり
うる。
本研究では、インドネシアの ESBL産生大腸菌における染色体 とプラスミド blaCTX

M-15 の関係
を、それらの薬剤耐性と疫学的特徴に関して比較した。

方 法】
2015年にインドネシアの尿路感染症の患者から、基質特異性拡張型 6ラクタマーゼを産生する大腸菌
として同定された分離された合計 84株を対象とした。 b
l
a迎伝子はポリメラーゼ連鎖反応によって検
出した。 blaCTX
M-1
5 陽性株の追伝子局在はサザンブロットハイブリダイゼーションによって確認
され、疫学的タイピングは Mu
l
t
i
l
o
c
u
sSequenceTyping(MLST)を使用して行った。

結 果】
b
l
a
CTXM-15 迫伝子を持つ 54株のうち、 27株が染色体に、 20株がプラスミドに、 7株が染色体と
プラスミドに局在していた。染色体に b
l
aCTXM-15 を持つ 27株の半数の MLSTは ST4
0
5(
2
5.
9%)お
よび ST
131(
2
2
.
2%)株であったが 、 プラスミドに bl
a
CT
XM1
5 を持つ 20株はほぼ半数が ST410
)であった。 blaCTX-M
1
5プラスミドおよび染色体株における抗生物質感受性の x
二乗検定を用
(
5
5
.
0
%
Pに対する耐性率が有意に高かった (
P=0
.
0
3)

、 CHLに対する
いた統計解析では、プラスミド株は TZ
耐性率は低かった (
P=0
.
0
4
9
5
)
。他の抗菌薬への耐性に有意差は認めなかった。
【考察 】
プラスミドの拡散レベルが ESBL産生大腸菌に多剤耐性を付与することはよく知られている。しかし、
blaCTX-M・
1
5 は大腸菌の染色体にも存在することも知られている。 染色体上の blaCTX・M-15 とプ
ラスミド上の b
laCTX

M-15 が大腸菌の抗生物質感受性にどのように影懇するかを調査する機会はほ
とんど無かった。 TZPおよび CHL感受性に関するこの研究では、 b
l
aC
TX・M-15染色体株とプラス
ミド株との間に有意差があることが示された。 私たちの知る限り、 TZP耐性とこの抗生物質耐性関連
遺伝子のプラスミドまたは染色体 DNA との関係に関する研究はなかった。 したがって、我々のデー
タは、 TZP耐性が染色体耐性よりも細菌間の抗生物質耐性遺伝子の伝達様式に相関している可能性があ

ることを示唆している。

CHL耐性のメカニズムは、主に抗菌薬の酵素的不活性化 と、抗菌薬の細胞外への能動的な排出からな
る.
不活性化は CHLのアセチル化によって引き起こされ、これには c
a
t迎伝子が関与 している .c
a
t迪
伝子は、緑膿菌や大腸菌などのグラム陰性菌の染色体上に存在することが知られている。
私たちの研究は、blaCTX・M-15株が TZPに対して非常に耐 性があることを示した。 他の研究では、
CTX・M・55 から 133位の Thrを Ser に 1回置換した CTXM190(
S
e
r
1
3
3
T
h
r
) は、6
-ラクタマー
ゼ阻害剤であるタゾバクタムによる阻害に対して非常に耐性があることが報告されている。
CTX・M-14および CTX・M-15では、タゾバクタムはクラブラン酸およびスルバクタムと比較して最大
の阻害活性を示 している .
STおよび耐性染色体およびプラスミド遺伝子に関しては 、ST410株は主にプラスミド上にあった
(
1
1
/
2
0、55.
0%

が、ST131では有意な傾向は見られなかった。 ST410 は、インドネシアで見つかった
他の株とは異なる特徴を持っていた。 ST410大腸菌は世界中に分布しており 、ヨーロッパ、アフリカ、
アジア 、北アメ リカ、南ア メ リカのヒトや動物から分離されて いる
。 ST410迫伝子型は、潜在的に国
際的な高リ スククローンと して、一部の研究者によって大規模な伝播の可能性について警告されてい
る。
NDM-5 を産生する大腸菌 ST410分離株がエ ジプトとデンマークで検出されたがこれは、 ST410 が

CTX・M-15 または NDM をコードする追伝子を広めるための 、ST131 と同様の新たなパンデミック
を引 き起 こしうるクローンである可能性を示唆して いる

我々はサザンブ ロットハイブリダイゼーションにより blaCTX・M・I
5迫伝子に照らして ST410 を研
究し、その特徴が上記のようにユニークなものであることを発見したが 、文献的にこれに関する以前の
報告は認められなかった。
この研究にはいくつかの制限がある。 第一に、この研究は後ろ向き研究であり 、 株数が増える ことで
結果が変わってくる可能性がある。 第二に、患者のインドネシア人の背景情報について不十分であり 、
詳細な解析ができなかった。 第三に、抗菌剤に対する最小阻害濃度、追伝子位置の経時的変化
、 およ
び抗生物質感受性の関係変化 を含む完全な臨床データは調査に利用できなかった。 第四に、迫伝的多
様性については疫学的方法によって決定することが困難である点である。

結 語】
結論として、イン ドネシアの ESBL産生大腸菌における blaCTX・MI5迎伝子の染色体かプラスミドか
の局在の違いは、 TZP と CHLに対する抗生物質感受性に影態を与えることが示 された。
また、よく知られている株については同じ染色体とプラスミ ドの組み合わせで CTX・M-15 を保有する
傾向がある 。 この事実は、抗生物質排出のメカニズムを説明するのに役立つ可能性があり、 CTX・M-15
の更なる分子生物学的調査が必要と考える 。
本研究は尿路感染症患者からの基質特異性拡張型 6• ラクタマーゼ産生大腸菌分離株における抗生物質

感受性に対する染色体およびプラスミド局在 b
l
a
c
T
x
M
-1
5追伝子の差異および影態を研究したものであ
るが 、従来ほとんど行われなかった染色体とプラスミドの b
l
aCTX

M グループの違いが薬剤耐 性に与
える影孵の差について重要な知見を得たものとして価値ある集積であると認める。
よって 、本研究者は、博士(医学)の学位を得る資格があると認める。

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