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大学・研究所にある論文を検索できる 「Candida albicans steryl 6-O-acyl-α-D-mannosides agonize signalling through Mincle」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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Candida albicans steryl 6-O-acyl-α-D-mannosides agonize signalling through Mincle

細野, 裕貴 大阪大学

2022.03.24

概要

〔目的(Purpose)〕
Candida albicans (C.albicans)はカンジダ症を引き起こす最も代表的な真菌であり、致死率の高い日和見感染症として臨床上問題となっている。C.albicansに対する宿主防御として自然免疫応答は主要な役割を担っており、パターン認識受容体がその壁成分を認識することでシグナル経路が活性化し免疫応答を引き起こす。
これまでToll-like receptor 2やC-type lectin受容体のdendritic cell-associated lectin(Dectin)-1がβ-glucanを認識すること、Dectin-2がα-Mannanを認識することが明らかになっているが、他のパターン認識受容体についてはまだ十分に解明されていない。C-type lectin受容体Macrophage inducible C-type lectin (Mincle)もC.albicansを認識し、感染制御に関与していることが報告されているが、そのリガンドは長年不明であった。
申請者らの近年の実験事実から、Mincleのリガンド構造は親水性の糖と疎水性成分を有する糖脂質であり、菌糸形のC.albicansから検出されたa-sterylmannosideをMincleのリガンドの候補として想定した。そこで本研究では、C.albicans由来の糖脂質および類縁化合物を化学合成し、Minclelによる認識機構の解明を目的とした。

〔方法(Methods))
C.albicansに含有されるcholesteryl α-D-mannoside(αCM)、ergosteryl α-D-mannoside (αEM)、αCMとαEM のマンノシド6位にアシル基を有するsteryl 6-O-acyl-α-mannoside(αCAMとαEAM)を化学合成した。Minclelこよるリガンド認識を評価するため、NFAT-GFPレポーター細胞にマウスもしくはヒトのMincleとFcRγを発現させ、フローサイトメトリーでGFP発現を測定し活性を評価した。
コレステロール認識アミノ酸コンセンサスモチーフを改変したR135L変異ヒトMincle、Glucoseのヒドロキシ基を認識できないよう改変したR183V変異ヒトMincle、ヒトMincleの疎水性領域をDectin-2の相当する領域と置換したヒトMincle MDキメラレポーター細胞を作成し、Mincleの認識機構を検証した。
また、野生型マウスとMincle欠損マウスの骨髄由来樹状細胞を用いてリガンド刺激を行い、培養液中の炎症生サイトカイン濃度を測定した。

〔成績(Results)〕
ヒトMincleはαCMを認識したが、マウスMincleはαCMを認識せず、ヒトMincleのみ有するコレステロール認識アミノ酸コンセンサスモチーフがαCMの認識に重要であることが示された。ヒトおよびマウスMincleともにαEMを認識しないことから、ヒトMincleはコレステロールとエルゴステロールを識別していることが示唆された。マウスおよびヒトMincleともにαCAMとαEAMを認識し、Mincleは疎水性領域を有することで一定長さ以上のアシル基を認識できることが示された。
以上の結果より、Mincleによるsterylmannosideの認識にはコレステロールとアシル基が重要であるという、既知のリガンドの認識機構と大きく異なるユニークな糖脂質の認識分子機構が明らかとなった。
骨髄由来樹状細胞はαCAM(Cl4:0)とαEAM(Cl4:0)の刺激によりMincle依存的にTNFを産生した。以上の結果から、初代培細胞はMincleを介してC.albicansのαCAMおよびαEAMを認識し、自然免疫が活性化することが示唆された。

〔総括(Conclusion)]
自然免疫受容体Mincleが、既知のリガンド構造と大きく異なるC.albicans由来のα-sterylmannosideを認識し、自然免疫応答を活性化することを見出した。C.albicansの認識に寄与する新たな受容体とそのリガンドが明らかになり、今後の深在性真菌症の病態解明とその制御において重要な知見となりうる。

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