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書き出し
Bifidobacterium bifidumによるムチンO‐結合型糖鎖の分解様式とその生理的意義
概要
近年の研究により、腸内細菌およびその代謝物がヒトの健康維持や疾病の発症に大き
く関与していることが明らかとなってきた。しかしながら、腸内細菌叢が如何にして形
成されるか、また、環境によって菌叢に如何なる変化が生じるかについては未解明な点
が多く残されている。腸内細菌叢の形成や構成に影響を与える物質としては、これまで
食餌成分に由来する食物繊維に着目した研究が多く報告されてきたが、本研究では、宿
主自身が腸管内に分泌発現するムチン糖タンパク質糖鎖(O-結合型糖鎖)に着目し、腸内
細菌による O-結合型糖鎖の分解やその分解産物が他の腸内細菌に与える影響を、ムチ
ン資化性細菌の 1 種である Bifidobacterium bifidum をモデルとして理解することを試み
た。
腸管ムチンの O-結合型糖鎖は、その非還元末端側において様々な修飾を受けるため
に多様で不均一な構造を有するが、還元末端側は主に 4 種の core 構造 (core 1 – 4)で形
成されている。 ...
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