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書き出し

Novel transgenic enteroid to establish platform for investigating mechanisms of intestinal epithelial cell function [an abstract of entire text]

大平, 修也 北海道大学

2023.03.23

概要

Title

Author(s)

Citation

Issue Date

Doc URL

Novel transgenic enteroid to establish platform for investigating mechanisms of intestinal epithelial cell function [an
abstract of entire text]

大平, 修也

北海道大学. 博士(生命科学) 甲第15306号

2023-03-23

http://hdl.handle.net/2115/89652

Type

theses (doctoral - abstract of entire text)

Note

この博士論文全文の閲覧方法については、以下のサイトをご参照ください。

Note(URL)

File Information

https://www.lib.hokudai.ac.jp/dissertations/copy-guides/

Shuya_Ohira_summary.pdf

Instructions for use

Hokkaido University Collection of Scholarly and Academic Papers : HUSCAP

学 位 論 文 の 要 約

博士の専攻分野の名称 博士(生命科学)氏 名

大平 修也

学 位 論 文 題 名
Novel transgenic enteroid to establish platform for investigating mechanisms of
intestinal epithelial cell function
(新規遺伝子改変 enteroid を用いた小腸上皮細胞機能解析プラットフォームの開発)
【背景と目的】
小腸は食、病原体や腸内細菌叢などの外部環境に常に暴露され、栄養吸収、代謝や免疫など様々
な機能を担うことで生体恒常性の維持に貢献する。外部環境と内部の上皮下組織を分け隔てる小
腸上皮細胞は、吸収系統の機能を行う吸収上皮細胞と分泌系統の機能を行う腸管内分泌細胞、杯
細胞および Paneth 細胞からなる最終分化細胞とこれらを供給する腸管上皮幹細胞で構成され、絨
毛-陰窩構造を形成している。さらに、幹細胞と、陰窩基底部で隣接する Paneth 細胞は幹細胞ニッ
シェを形成して、小腸上皮細胞の増殖と分化を担うことが知られている。しかし、小腸上皮細胞
機能の分子メカニズムの多くは未だ不明である。
小腸上皮細胞の機能解析に、全系統の最終分化細胞を含んだ絨毛様および陰窩様構造を形成す
る三次元培養系である enteroid が用いられている。野生型および疾患モデルなどから作製される
enteroid は栄養吸収や免疫などの腸管機能の生理および病理解析に、主にリガンドや阻害剤などの
生化学的方法や抗体などの生物学的方法によって評価されている。これらの方法は標的分子の
isoform などの選択性や結合および阻害活性の濃度依存性などを示し、enteroid などの三次元培養
系に対しては特にこれらの要因によって機能分子の同定に限界がある。したがって、発現ベクタ
ーで遺伝子導入することで標的遺伝子の発現を特異的に制御することが可能な遺伝子改変
enteroid が作出された。しかし、単一細胞までに分離した幹細胞への遺伝子導入によって作製する
従来法は収率が約 9~20%と低いこと、分離操作などが煩雑で時間がかかることが大きな問題であ
った。本研究は、幹細胞と Paneth 細胞からなる幹細胞ニッシェが維持された生体より摘出直後の
小腸単離陰窩を用いて幹細胞への遺伝子導入を行うことで、高効率で素早く簡便な新規遺伝子改
変 enteroid 作製法とソーティングによる機能遺伝子探索法を樹立し、小腸上皮細胞機能解析のプ
ラットフォームを開発することを目的とした。
【方法】
小腸単離陰窩への遺伝子導入による遺伝子改変 enteroid の形成過程と収率を明らかにするため
に、蛍光タンパク質 tdTomato と puromycin 耐性遺伝子を EF1 promoter 下で発現させるレンチウ
イルスベクターで遺伝子導入した単離陰窩の培養および遺伝子改変 enteroid の薬剤選択を行い、
形成数を基に収率を算出した。遺伝子改変 enteroid が単離陰窩の幹細胞への遺伝子導入に由来す
るかどうかを確認するために、day 2 の遺伝子導入された enteroid に対して幹細胞マーカーOlfm4
の免疫蛍光染色を行い、遺伝子導入効率を定量した。遺伝子導入された腸管上皮幹細胞による経
時的な導入遺伝子発現の維持を評価するために、7~9 日ごとに 3 回の継代培養を 1 か月間行い、
各継代で tdTomato の蛍光強度を定量した。通常の intact enteroid 作製時にはない遺伝子導入操作に

よる幹細胞の多分化能への影響を明らかにするために、day 7 の transgenic enteroid に対して、各最
終分化細胞マーカーVillin、Muc2、Chromogranin A (ChgA)、および-defensin の免疫蛍光染色を行
って各細胞の比率を定量し、遺伝子導入操作を受けていない intact enteroid と比較した。さらに、
遺伝子導入操作が遺伝子改変 enteroid の吸収系統と分泌系統の機能に与える影響を明らかにする
ために、薬物輸送体 P-glycoprotein の基質である Rhodamine123 (Rh123)を用いて薬物輸送能を、コ
リン作動性刺激である carbamylcholine (CCh)を用いて Paneth 細胞顆粒分泌能を評価した。最後に、
腸管自然免疫を担う Paneth 細胞の機能解明に向けて機能遺伝子を探索した。様々な細胞系統が存
在する小腸上皮細胞から Paneth 細胞を単離するために、Paneth 細胞顆粒特異的な亜鉛に対するプ
ローブ Zinpyr-1 (ZP1)を用いて fluorescence activated cell sorting (FACS)を行った。
さらに、
単離 Paneth
細胞を用いて RNA-sequence 解析を行って、Paneth 細胞の機能遺伝子を示した。
【結果】
1. 高効率で素早く簡便な遺伝子改変 enteroid 作製法の樹立
小腸単離陰窩への遺伝子導入によって、day 2 から導入遺伝子 tdTomato を発現し始め、day 7 で
全細胞が導入遺伝子を発現する遺伝子改変 enteroid が得られ、その収率は 56±7.4%と従来法に比
べて高効率であった。また、enteroid の免疫蛍光染色から、陰窩様構造基底部の Olfm4+ 幹細胞に
25±2.1%の効率で遺伝子導入された。さらに、継代経過に伴う tdTomato の蛍光強度の減少は認め
られなかった。以上より、幹細胞ニッシェの保たれた小腸単離陰窩の腸管上皮幹細胞への遺伝子
導入によって、高効率で素早く簡便に遺伝子改変 enteroid を作製する方法を樹立した。
2. 遺伝子改変 enteroid における腸管機能の評価
マーカーを用いた免疫蛍光染色により、遺伝子改変 enteroid で Villin+ 吸収上皮細胞、Muc2+ 杯
細胞、ChgA+ 腸管内分泌細胞および-defensin+ Paneth 細胞の比率が intact と同等であったことか
ら、遺伝子導入された腸管上皮幹細胞の多分化能を維持していた。遺伝子改変 enteroid は時間経
過に伴う Rh123 強度の増加を示したことから、intact な薬物輸送能を保持していた。さらに、遺
伝子改変 enteroid の Paneth 細胞は CCh 添加直後から 30 分後まで顆粒を分泌したことから、遺伝
子導入操作は Paneth 細胞顆粒分泌能に影響しなかった。以上より、遺伝子改変 enteroid が吸収系
統と分泌系統の腸管機能を共に維持することが示された。
3. 小腸上皮細胞ソーティングによる機能遺伝子の探索
FACS で ZP1+ 細胞を分取することで、亜鉛陽性顆粒を持つ Paneth 細胞が高純度に単離された。
単離した Paneth 細胞の RNA-Sequence 解析によってパターン認識受容体、サイトカイン受容体、
小胞輸送や膜融合に関連するタンパク質の遺伝子が検出された。すなわち、Paneth 細胞の自然免
疫機能に関する遺伝子であり、標的遺伝子を同定した。以上より、ソーティングによって機能遺
伝子を探索する方法を樹立し、Paneth 細胞は外部および内部環境の認識から顆粒分泌応答への関
与が示唆される遺伝子を発現することが示された。
【結論】
本研究は、幹細胞ニッシェを保った小腸単離陰窩への遺伝子導入により、高効率で素早く簡便
な新規遺伝子改変 enteroid 作製法とソーティングによる機能遺伝子の探索法からなる小腸上皮細
胞機能解析プラットフォームを開発した。本研究は生体恒常性維持における小腸上皮細胞機能の
分子メカニズム解明に貢献する。 ...

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