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大学・研究所にある論文を検索できる 「α位に不斉四置換炭素を有するアミン類の新規触媒的合成法の開発」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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書き出し

α位に不斉四置換炭素を有するアミン類の新規触媒的合成法の開発

米嵜, 凌平 YONESAKI, Ryohei ヨネサキ, リョウヘイ 九州大学

2020.03.23

概要

α位に不斉炭素を有するアミン類は医薬品や有用な天然物中にみられる構造であるため、合成化学および医薬化学において非常に重要な化合物群の一つである。中でも不斉四置換炭素を有するアミン類はその合成難度の高さから、効率的な合成法の開発が強く望まれている。そのようなアミン類を合成する有用な方法の一つとして、不斉触媒を用いたケチミンに対する求核付加反応が挙げられる。一般的にケチミンに対する触媒的不斉求核付加反応では、反応性の向上や立体制御を目的として窒素上に保護基を有するケチミンを用いている。そのためより有用な窒素上無保護のアミン類を得るために求核付加反応を行なったのちに脱保護を行う必要があり、ステップ数の増加や廃棄物の生成により反応の有用性が低下し、環境調和性の面で改善の余地を残していた。そこで、窒素上無保護ケチミンを用いることができれば、脱保護過程を経ることなく目的の窒素上無保護のアミン類を合成可能なため、有用な反応となりうる。しかし、一般に用いられている保護基を有するケチミンに比べ、基質の反応性が低く、立体の制御が困難であり、さらには目的物として得られる無保護のアミン類の反応系中における安定性が低く、触媒毒にもなりうることから無保護のケチミンを用いた触媒反応開発はほとんど行われていなかった。そこで、窒素上無保護ケチミンを用いた触媒反応の発展を目的とし研究に着手した。

第二章では窒素上無保護α-ケチミノエステルに対する Friedel-Crafts アルキル化反応の開発を行なった。本反応で新規に合成した 3 位のみに置換基を有する C1 対称 BINOL リン酸触媒を用いることで高収率・高エナンチオ選択的に窒素上無保護非天然α,α-二置換α-アミノ酸誘導体の合成に成功した。また反応機構解析により、高いエナンチオ選択性の発現に触媒と基質間の CH-π相互作用が重要であることが示唆された。

第三章ではロジウム/キラルジエン触媒および求核剤としてアリールボロン酸を用いることで、第二章では適用が困難であったイサチン由来の窒素上無保護ケチミンに対する高収率・高エナンチオ選択的なアリール化反応の開発に成功し、ビルディングブロックとして有用な様々な3-アミノオキシインドール誘導体合成が可能となった。さらに反応機構解析により、ジエン配位子上のアミド部位とケチミンが水素結合を形成することにより反応性および立体選択性が向上していることが示唆された。

第四章では、窒素上無保護ケチミンの窒素原子の求核性の高さに着目した反応開発を行なった。ジアゾ化合物とロジウム触媒から生じる求電子性のロジウムカルベノイドに対して無保護ケチミンを用いることにより2,3-ジヒドロオキサゾールを高収率で得ることに成功した。本反応は、第二章、第三章では適用困難であった不活性ケチミンを用いることが可能であるため、今後の無保護ケチミンを用いた反応開発の知見となりうる。

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