リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

リケラボ 全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索するならリケラボ論文検索大学・研究所にある論文を検索できる

リケラボ 全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索するならリケラボ論文検索大学・研究所にある論文を検索できる

大学・研究所にある論文を検索できる 「オオウズラタケの褐色腐朽機構に関する研究」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

コピーが完了しました

URLをコピーしました

論文の公開元へ論文の公開元へ
書き出し

オオウズラタケの褐色腐朽機構に関する研究

田中, 裕基 タナカ, ユウキ 東京農工大学

2022.05.18

概要

褐色腐朽菌は木材を分解する菌であり、建築分野においては木造建造物を劣化させる有害な菌として扱われている。そのため木材保存の観点から、褐色腐朽機構を理解することは重要である。これまでに行われてきた褐色腐朽機構の解明に向けた研究では、木材主要成分の分解に注目したものがほとんどであり、それ以前の腐朽初期に起こる現象は不明であった。そこで、腐朽初期の機構を明らかにすることを目的に、褐色腐朽菌オオウズラタケ(Fomitopsis palustris)のペクチンと澱粉の分解、および光応答に注目して研究を行った。

褐色腐朽菌が針葉樹材中に蔓延する際、ペクチンを豊富に含む有縁壁孔を貫通すること知られており、腐朽初期にペクチンを分解することが重要と考えられている。そこで、ペクチンを含む液体培地で培養したオオウズラタケの培養上清からペクチン分解酵素の精製と特性解析を行った。その結果、木材中のペクチンを分解するためにはペクチンの主鎖を分解するポリガラクツロナーゼの他に、シュウ酸およびペクチンメチルエステラーゼが必要であることが明らかになった。

褐色腐朽初期において、菌糸が針葉樹材中の放射柔細胞に集中しており、また放射柔細胞には澱粉粒が豊富に存在していることが知られている。そのため、腐朽初期には重要な栄養源として澱粉が利用されていると考えられている。そこで、可溶性澱粉を含む液体培地で培養したオオウズラタケの培養上清から澱粉分解酵素を精製して、その酵素特性を評価した。精製の結果、新規酵素と考えられる酵素を含め、3 種類の澱粉分解酵素が精製された。また、各酵素の特性を評価した結果、安定性や最適条件が異なることから、それぞれ異なる役割を持つと考えられる。

オオウズラタケによる腐朽を行う際、光照射を行うことで腐朽が進行することが知られており、光照射が木材主要成分分解の引き金となっていると考えられる。本研究では種々の光条件下でオオウズラタケの培養試験を行い、光応答について評価した。その結果、白色光下で木材腐朽力が上昇し、菌糸が厚く成長した。また、遮光下における菌糸先端部ではポリガラクツロナーゼの発現が上昇することが明らかになった。

全国の大学の
卒論・修論・学位論文

一発検索!

この論文の関連論文を見る