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書き出し

コアシェル型ナノ粒子触媒のフロー合成法に関する研究

橋口, 雄太 HASHIGUCHI, Yuta ハシグチ, ユウタ 九州大学

2023.03.20

概要

九州大学学術情報リポジトリ
Kyushu University Institutional Repository

Study on Flow Synthesis Process for Core-Shell
Nanoparticle Catalysts
橋口, 雄太

https://hdl.handle.net/2324/6787409
出版情報:Kyushu University, 2022, 博士(理学), 課程博士
バージョン:
権利関係:

(様式3)





:橋口

雄太

論 文 名

:Study on Flow Synthesis Process for Core-Shell Nanoparticle Catalysts
(コアシェル型ナノ粒子触媒のフロー合成法に関する研究)























クリーンな電源システムとして注目されている固体高分子形燃料電池(PEFC)の普及拡大には、カ
ソード触媒として用いられている Pt の使用量低減が必須である。その解決策としてコアシェル触媒
が注目されており、特に Pd をコア金属として用いた Pd コア-Pt シェル(Pd@Pt)触媒を用いることで、
Pt 触媒と比較して、酸素還元反応(ORR)における Pt 重量当たりの活性が向上することが報告され
ている。しかし、銅-アンダーポテンシャル析出(Cu-UPD)法等の既存のコアシェル触媒合成法は、
工程が複雑、かつバッチ式であるため生産性が低いという課題があることから、量産に適した合成
法の確立が求められている。近年、フロー合成は、連続生産が可能で生産性の高いプロセスとして
注目されている。そこで本研究では、高い生産性および高度な触媒構造制御を両立したコアシェル
型触媒の合成法確立を目的として、Pd@Pt 触媒のフロー合成法について検討を行った。
まず、フローリアクターを用いて各種プロセス条件を検討した結果、Pd 前駆体として K2PdCl4 、
Pt 前駆体として H2PtCl6、還元剤として NaBH4 を用いることで、平均粒子径 3.5 nm の Pd@P ナノ粒
子が合成できることを見出した。さらに、担体への担持工程を改良することで、ORR 活性を阻害す
る高分子保護剤を用いない Pd@Pt/C の合成に成功した。得られたフロー合成 Pd@Pt/C 触媒は、市販
の Pt/C の約 1.8 倍の重量活性を示すものの、Cu-UPD 法で合成したコアシェル触媒に比べて低活性
であった。X 線吸収微細構造解析(XAFS)の結果から、低活性の原因は Pt シェル構造の不均一さ
に起因することが明らかになったことから、次に、Pt シェル構造の精密制御方法を検討した。新た
に、コアシェル触媒調製用ハイスループットフロー合成装置を開発し、金属前駆体や反応剤、添加
剤の種類、接触効率、滞留時間などのプロセス条件を迅速に評価した。その結果、Pt 用還元剤とし
て 2-MePy・BH3 を用いることで、均一な 1 原子層の Pt シェルを有する Pd@Pt1ML/C の合成に成功し
た。得られた Pd@Pt1ML/C 触媒は XAFS および透過電子顕微鏡を用いたエネルギー分散型 X 線分光
(TEM-EDS)分析、電子エネルギー損失分光(EELS)分析の結果、単一粒子だけでなく、平均構
造としても 1ML の Pt シェルを有することが確認された。Pd@Pt1ML/C の ORR 活性は市販の Pt/C の
約 3 倍の重量活性を示した。これは Cu-UPD 法で合成したコアシェル触媒に匹敵する ORR 活性で
あることから、本フロー法は Cu-UPD 法の代替となり得るコアシェル触媒の合成法であることが示
された。また、コアシェル型触媒の ORR 活性発現因子の解明を目指し、Pd@Pt モデル表面実験お
よび密度汎関数理論(DFT)計算を行った。その結果、コアシェル化により Pd からの Pt への電荷
移動(Pt δ-)が生じ、ORR の律速段階の活性化エネルギーを低くしていることが示唆された。
さらに、フロー合成 Pd@Pt 触媒のさらなる有用性検証のため、有機合成反応への応用検討を行っ
た。その結果、多置換ピリミジンの 3 成分ワンポット合成において、Pd@Pt 触媒が Pt 触媒よりも
高い活性を示すことがわかり、コアシェル触媒の応用展開の可能性を確認した。

この論文で使われている画像

参考文献

[1] Sharmin Sultana Poly, Yuta Hashiguchi, Asima Sultana, Isao Nakamura, Ken-ichi Shimizu,

Shunsaku Yasumura, Tadahiro Fujitani, Flow reactor approach for the facile and continuous

synthesis of efficient Pd@Pt core-shell nanoparticles for acceptorless dehydrogenative

synthesis of pyrimidines from alcohols and amidines, Appl Catal. A 2021, 619, 118158.

[2] Yuta Hashiguchi, Fumihiro Watanabe, Tetsuo Honma, Isao Nakamura, Sharmin Sultana Poly,

Tatsuya Kawaguchi, Tetsurou Tsuji, Haruno Murayama, Makoto Tokunaga, Tadahiro Fujitani,

Continuous-flow synthesis of Pd@Pt core-shell nanoparticles, Colloids Surf. A 2021, 620,

126607.

[3] Yuta Hashiguchi, Isao Nakamura, Tetsuo Honma, Toshiyuki Matsushita, Haruno Murayama,

Makoto Tokunaga, Yoong-Kee Choe, Tadahiro Fujitani, Effects of the Pt Shell Thickness on

the Oxygen Reduction Reaction on a Well-Defined Pd@Pt Core-Shell Model Surface,

ChemPhysChem 2023, 24, e202200389.

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