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大学・研究所にある論文を検索できる 「Effects of Mechanical Stimulations on Cultured Cells in the Presence of Immobilized Biological Macromolecules」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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Effects of Mechanical Stimulations on Cultured Cells in the Presence of Immobilized Biological Macromolecules

ミュラー, ステファン 東京大学 DOI:10.15083/0002006958

2023.03.24

概要

[課程-2]
審査の結果の要旨
氏名ミュラー ステファン
本研究は、培養細胞に対する物理的刺激と生化学的刺激の併用効果を明らかにすることを
目的に行った 3 つの研究を中心にまとめたものである。
第 I 章は、メカノバイオジーやそれに関係するバイオマテリアル研究の背景について述
べ、両者を融合した研究がまだ少なく、本研究のように生化学的刺激をもたらすバイオシグ
ナル分子を共有結合でバイオマテリアルとし、物理刺激を加えるのが初めての試みである
ことが述べられている。
第 II 章は、光固定化法を用いて細胞接着性ゼラチンをシリコンエラストマ上にマイクロ
パターン状に作成し、その上で培養した細胞に伸展刺激を行い、化学的接着と物理的配向刺
激の評価に成功している。形態学的評価の結果、幅 2 μm 間隔 50 μm 高さ 80 nm の線形パタ
ーンにおいて、線維芽細胞は、ゼラチンパターンに強く吸着し、30%伸展 24 時間という静
的伸展ひずみに対して強い耐性を示すことを明らかにした。アクチン動態評価から、線形パ
ターン上においては通常伸展後に見られる F アクチンの消失が伸展前に確認されたことか
ら、細胞骨格の再編成がパターン吸着時に行われ安定化したことで、その後の伸展操作によ
る変形・配向が見られないという可能性を示した。
第 III 章では、上記の研究を発展させ、同様のパターン上における線維芽細胞および骨芽
細胞に対して動的伸展刺激を行い、その評価を行った。線形パターンにおいて 15%伸展 0.2
ヘルツ 4 時間の正弦波的伸展を行ったところ、線維芽細胞と骨芽細胞の両方で、伸展後、
突起の消失や F アクチンの減少が確認された。
一方でパターンに沿った配向は維持された。
繰り返しの伸展刺激は静的伸展ひずみより強く働き、細胞骨格に強い影響を与える一方で、
配向制御においては吸着パターンが支配的であるため、細胞が縮むという傾向を示すこと
が示唆された。
第 IV 章は、ムール貝由来のペプチドを修飾したインスリン様成長因子(IGF)を用いて、
安定な成長因子固定化ポリスチレン・ディッシュを作成した。このディッシュを用いて細胞
培養し、細胞内への継続的な IGF によるシグナル付与と、低周波超音波照射(LIPUS)によ
る骨芽細胞の分化誘導能を評価した。500 ng/cm2 の IGF 固定化と超音波照射(30 mW/cm2, 20
min/day, 2 週間)により、協同的な効果が得られ、コントロールと比べて 70%、IGF 固定化
のみと比較して 20%、LIPUS のみと比較して 10%の分化誘導の向上に成功した。
第 V 章では、全体をまとめ、細胞が基材と接着して伸展配向することにより物理刺激に
対する感受性の低下を示している。これは、生体内における細胞動態を考察する上での一
つの知見となる成果である。また、超音波と成長因子の共同的効果により骨芽細胞の分化

を促進させることに成功しており、将来、骨再生などの研究に重要な貢献を示すと期待で
きる。
以上、本論文は、細胞に対する物理刺激と生化学シグナルの併用を可能とする材料設計指
針を示しており、今後のメカノバイオロジーの発展に大きく貢献する成果である。
よって本論文は博士(医学 )の学位請求論文として合格と認められる。

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