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大学・研究所にある論文を検索できる 「<講義ノート>物性物理にあらわれるトポロジカル応答現象」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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<講義ノート>物性物理にあらわれるトポロジカル応答現象

森本, 高裕 京都大学

2022.03

概要

物性物理学は、ある物質が電気を通すか、磁石としての性質を示すかといった「ものの性質」を、固体中の電子の振る舞いに即して研究する学問分野である。物質の電気的・磁気的性質の多くは、結晶中の電子を記述するバンド理論に基づいてそのエネルギー構造から理解することができる。一方で、近年の研究において、結晶中の電子の波動関数の構造、特にその位相の構造が顕著な物性現象を引き起こすことが明らかになってきた。このため、波動関数の位相のなす幾何学的な構造(トポロジー)に由来する新しい量子相や応答現象の研究が、現在の物性物理学の大きな流れの一つになっている。

本講義ではこのような物性物理にあらわれるトポロジカルな応答現象について解説を行う。物質中の幾何学の基礎であるベリー位相やベリー曲率といった概念からはじめて、量子ホール効果、トポロジカル絶縁体などにあらわれるトポロジカル応答現象を解説する。さらには、非線形応答現象にあらわれるトポロジカル現象であるシフト電流といった最新の話題についても触れる予定である。

3日間の講義は以下のような構成ですすめることを予定している。
• 1日目:物質中の幾何学:ベリー曲率、異常速度、量子ホール効果、電気分極
• 2日目:場の量子論と応答現象:経路積分法、グリーン関数、電磁応答のためのダイアグラム法、トポロジカル応答現象への応用
• 3日目:非線形応答におけるトポロジカル現象:シフト電流

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参考文献

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