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大学・研究所にある論文を検索できる 「Establishment of mass production of functional neutrophils from human iPSCs and analysis of myeloid progenitor differentiation」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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Establishment of mass production of functional neutrophils from human iPSCs and analysis of myeloid progenitor differentiation

伊藤, 雄介 東京大学 DOI:10.15083/0002006994

2023.03.24

概要

[課程-2]
審査の結果の要旨
氏名 伊藤 雄介
本研究は iPS 細胞を用いて顆粒球を大量産生し、化学療法などによる顆粒球減少期に発症
する感染症に対する顆粒球輸注療法への臨床応用を目指すとともに、顆粒球系統の分化機
構を解析したものであり、下記の結果を得ている。
1. iPS 細胞を Sac 法によって造血幹・前駆細胞に分化させた後、c-Myc, BMI-1, BCL-XL
の 3 遺伝子をドキシサイクリン依存性に過剰発現させることにより、顆粒球前駆細胞の段
階で臨床応用に十分な量にまで増殖する細胞株が樹立でき、ドキシサイクリンを除去する
ことによって 4 日後に成熟顆粒球に分化することが示された。
2. iPS 細胞由来顆粒球が in vitro で接着能、遊走能、貪食能、殺菌能を有すること、ま
た遺伝子発現解析により、ヒト好中球の遺伝子発現プロファイルを獲得し、かつリポ多糖
(LPS) の刺激を加えることで下流のシグナル経路が活性化することが示された。
3. in vivo での実験により、投与した iPS 由来顆粒球の感染巣への集積、腹腔内感染症に
おける生存率の延長、およびマウスのマクロファージを感染巣に遊走させる機能を有する
ことが示された。
4. 共通骨髄系前駆細胞 (CMP)、顆粒球単球前駆細胞 (GMP) の単一細胞における遺伝子
発現データを用いて各前駆細胞内の不均一性を解析した結果、前駆細胞の分化能を細分化
するマーカーとして CD62L を同定した。
5. CMP において、CD62L-low CMP が顆粒球・単球系、赤血球・巨核球系の両者への分
化能を有するのに対して、CD62L-high CMP が顆粒球・単球系に偏った分化を示すこと
が、in vitro、in vivo assay および遺伝子発現レベルの解析から示された。
6. GMP において CD62L の発現が低い CD62L-neg GMP の分画において、一部が CMP
の遺伝子発現パターンを有しており、GMP の中で最も未分化な亜集団であることが示さ
れた。また、CD62L-low GMP が顆粒球への分化に偏ることが示された。
以上、本論文は iPS 細胞から臨床応用可能な量の顆粒球を大量産生する基盤を確立し、
産生された顆粒球の機能を遺伝子発現レベルでの解析に加え、in vitro, in vivo の複数のア
ッセイ法で示した。また、CD62L という細胞表面マーカーを用いて、造血前駆細胞の不
均一性、顆粒球系統の分化機構に関する新たな知見を得た。本研究は、iPS 細胞を用いた
顆粒球輸注療法の臨床応用につながる基盤を確立したとともに、顆粒球分化機構の解明に
重要な貢献をなすと考えられる。
よって本論文は博士( 医学 )の学位請求論文として合格と認められる。

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