リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

リケラボ 全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索するならリケラボ論文検索大学・研究所にある論文を検索できる

リケラボ 全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索するならリケラボ論文検索大学・研究所にある論文を検索できる

大学・研究所にある論文を検索できる 「Detection of ctDNA with Personalized Molecular Barcode NGS and Its Clinical Significance in Patients with Early Breast Cancer」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

コピーが完了しました

URLをコピーしました

論文の公開元へ論文の公開元へ
書き出し

Detection of ctDNA with Personalized Molecular Barcode NGS and Its Clinical Significance in Patients with Early Breast Cancer

吉波, 哲大 大阪大学

2020.09.25

概要

〔目的(Purpose)〕
癌患者血中の循環腫瘍DNA(circulating tumor DNA: ctDNA)は微量のため、検出には高い感度が必要である。さらに、乳癌は多様な遺伝子変異を有するため、ctDNA検出には任意の変異に対応する技術が求められる。そこで我々は、設計自由度の高い標的次世代シーケンス解析法(next generation sequencing; NGS)を分子バーコード(molecular barcode; MB)で高感度化したΜB-NGS法を開発し、本法による症例特異的な変異ctDNAの検出を行い、乳癌患者の診断や予後予測等におけるctDNAの臨床有用性を検討した。

〔方法ならびに成績(Methods/Results)〕
2007年から2012年に大阪大学医学部附属病院で手術を施行された、術前治療歴を有しないStage1/2の原発性乳癌100症例を対象とした。まず、乳癌原発巣の手術標本から抽出したDNA 120 ngを用いて、乳癌で高頻度に変異が報告されている13遺伝子を対象に全エクソンシークエンスを行った。各症例の白血球DNAをreferenceとして症例固有の塩基多型を除外した。その結果、100例中62例に、57種類、95個の変異が確認され、それらは35種類のsingle nucleotide variantと22種類のinsertion/deletionから構成されていた。これらすべての変異を網羅するように41種類のMB付きプライマーセットを設計した。MBにはランダム15塩基を用い、PCR法で増幅したライブラリーをMiSeqもしくはHiSeq (Illumina)で解析した。健常者血漿DNA(3 ng)を用いて背景エラーを検証し、すべての解析対象部位において0.076 %以下であることが確認されたため、MB-NGSによるctDNA検出限界を0.1%とした。次に、原発巣に変異を同定した62症例の手術前血漿DNAに対して、原発巣変異を標的としたMB-NGSによるctDNA検索を行った。投入DNASは中央値4. 9 ng (range - 2. 1-13. 2 ng)であった。その結果、62例中10例(16.1%) でctDNAが検出され、血漿中の変異アレル頻度は0.10〜2.51%であった。ctDNA陽性10例の白血球DNAも同様にMB-NGSで解析され、clonal hematopoiesisが存在しないことが確認された。ctDNA陽性は、大きな腫瘍径(P=0. 004)、リンパ節転移腸性(P=0.009)、高いStage (P <0.001)、高い組織学的グレード(P<0.001)、エストロゲンレセプター陰性(P=0. 018).ブロゲステロンレセプター陰性(P=0. 017). HER2陽性(P=0. 046)と有意な関連を認めた。また、ctDNAは乳癌血清腫瘍マーカー(CEA/CA15-3)より陽性率が高く (16% vs 9%, P=0. 267) 、特にStage2ではその差が顕著であった(39 % vs 4 %, P = 0.013)。さらに,ctDNA陽性症例は陰性症例に比べ、高率に遠隔再発を認め(40.0 % (4/10) vs1.2% (3/52), P=0. 004)、遠隔無再発生存期間が短く (log-rank P< 0.001)、術前血漿中のctDNAは有意な予後不良因子であると考えられた。

〔総括(Conclusion)〕
症例特異的MB-NGSにより、乳癌原発巣に生じる多彩な変異を対象として高感度なctDNA検出が可能であった。また、本法で検出されたctDNAは、乳癌の診断や予後予測に有用な情報となる可能性が示唆された。原発巣の解析対象遺伝子を拡大して変異の同定率を上げることで、より多くの症例で変異ctDNAを固有の診断マーカーとして活用することが可能と考えられる。

全国の大学の
卒論・修論・学位論文

一発検索!

この論文の関連論文を見る