リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

リケラボ 全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索するならリケラボ論文検索大学・研究所にある論文を検索できる

リケラボ 全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索するならリケラボ論文検索大学・研究所にある論文を検索できる

大学・研究所にある論文を検索できる 「Enhanced humoral immunity in breast cancer patients with high serum concentration of anti-HER2 autoantibody」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

コピーが完了しました

URLをコピーしました

論文の公開元へ論文の公開元へ
書き出し

Enhanced humoral immunity in breast cancer patients with high serum concentration of anti-HER2 autoantibody

佐藤, 泰史 大阪大学

2021.08.31

概要

〔目的(Purpose)〕
我々は抗HER2自己抗体(HER2-AAb)の高い血清濃度は、浸潤性乳癌患者の良好な予後と関連していることを以前に報告した。本研究は、HER2-AAbの高血清濃度の患者における乳癌再発の抑制のメカニズムを明らかにすることを目的とした。

〔方法ならびに成績(Methods/Results)〕
〔方法〕
浸潤性乳癌患者500例のうち、健康人100名の抗HER2自己抗体値の平均+/-2SDの範囲から外れる症例53例を抜き出し、HER2-AAb値が高い(高HER2-AAbグループ、N=33)または低い(低 HER2-AAbグループ、N:20)グループを対象とした。手術検体のFFPEサンプルを用い、腫瘍浸潤CD20陽性リンパ球、IGKC陽性リンパ球、CD8陽性リンパ球、FOXP3陽性リンパ球、CXCL13陽性リンパ球、PD-L1陽性リンパ球の個数を評価した。さらに腫瘍細胞のHLA-A/B/C、PD-LI、CXCL13の発現を検討した。乳癌の二次リンパ組織である腋窩リンパ節の濾胞内に存在するCD4陽性リンパ球についても検討した。腫瘍組織の凍結サンプルが利用可能かつB細胞浸潤の高度な高値群10例および低値群5例について、腫瘍組織におけるB細胞受容体のレパトア解析を行った。腫瘍のHER2発現や体細胞変異についても検討した。

〔結果〕
本研究で対象とした53例において、抗HER2S己抗体高値群は低値群よりも有意に予後良好 (log-rank P=0.017)であることを確認した。高値群は低値群よりも腫瘍浸潤CD20陽性リンパ球(P<0.001)、IGKC陽性リンパ球(P=0.023)、CXCL13陽性リンパ球(P=0.044)、および腋窩リンパ節における濾胞性CD4陽性リンパ球(P=0.026)が有意に多かった。レパトア解析の結果、腫瘍浸潤リンパ球が発現するB細胞受容体は高値群、低値群ともに多様性が低下していると考えられた。HER2の発現や体細胞変異については2群間で差を認めなかった。

〔総 括(Conclusion)〕
抗HER2自己抗体が高値となる乳癌患者の腫瘍微小環境において、液性免疫系が強く活性化されていることが示唆された。近年、腫瘍免疫における液性免疫の重要性が提唱されている。本研究から、腫瘍における液性免疫系の活性化のモニターとして抗HER2自己抗体の測定が有用である可能性が考えられる。

全国の大学の
卒論・修論・学位論文

一発検索!

この論文の関連論文を見る