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書き出し

可給態窒素:作物に供給され得る窒素量を評価し施肥量を増減

谷 昌幸 帯広畜産大学

2020.07.13

概要

可給態窒素:作物に供給され得る窒素量を評価し施
肥量を増減
著者
雑誌名


ページ
発行年
URL

谷 昌幸
ニューカントリー
67
6
56-57
2020-06
http://id.nii.ac.jp/1588/00004651/

収して利用できるのは基本

硝化を説明した。作物が吸

化、 特に無機化、有機化、

中での微生物による形態変

要な養分である窒素の土の

どの項 目があり、分析値が

窒素、アンモニア態窒素な

出性窒素、全窒素、硝酸態

る。土壌診断票には熱水抽

れ る 有 機 態 窒 素 が存 在 す

植物質などの有機物に含ま

態窒素と、タンパク質や腐

素や硝酸態窒素などの無機

作物が利用できる窒素を示

まれる。 つまり、 全窒素は

の多くは腐植物質などの無
機化されにくい有機物に含

である。しかも有機態窒素

りの的1ω%は有機態窒素

15%が無機態窒素で、 残

もよるが、全窒素のうち1

に無機化されてくる窒素量

きやすい条件を整え、実際

して評 価する( 図1)。
つまり、 土の微生物が動

窒素を測定し可給態窒素と

機化され放出される無機態

て培養している期間中に無

動しやすい条件で、静置し

しているわけではなく、分

の中で作物が吸収利用でき

を測定する方法であり、土

らい含まれているかを示し

きる窒素が土の中にどれく

り、今すぐに作物が吸収で

態窒 素は無機 態窒 素であ

硝酸態窒素とアンモニア

あり、これらを可給態窒素

て放出される無機態窒素で

の中の有機物が無機化され

れている無機態窒素と、土

土に含ま
用できる窒素は、・

作物が土から吸収して利

定法は迅速に土壌診断を行

こうした可給態窒素の測

手聞がかかり過ぎる。

いため、 現実的には時間や

して培養しなければならな

る。しかし、4週間も静置

診断に基づ き評 価すると、

ば、生食用馬鈴しょを窒素

作物によって異なる。 例え

熱水抽出性窒素の基準 は

、あるいはそれ以上に含

し、 上川 で は 同 516 ミリ

り、家畜糞 尿や堆肥などを

窒素肥料を過剰に施用した

したりする。

込んで水質汚染を引き起こ

素が地下水や河川 水に流れ

こしたり、過剰な硝酸態窒

過繁茂や倒伏などを引き起

れることになり、地上部の

とって過剰に窒素が供給さ

の微生物にとって非常に活

する。この水分や温 度は土

培養器内で4週間保温 静置

量のω%に調整し、 初℃ の

入れ、水分含量を最大容水

から採取した土壌を容器に

行う。 との方法では、 圃場

は間違いない。窒素を上手

最も重要な元素であること

窒素は作物生産にとって

が利用できる場合もある。

窒素より多くの窒素を作物

まれる土では、熱水抽出性

アンモニア態窒素が多く含

素として評 価しておらず、

か、 オートクレープ と呼ば

100 ℃ で 1時 間 熱 す る

士を耐熱性の容器に入れて

素を測定する方法である。

字 のご とく、 土 か ら 10
0℃の熱水で抽出される窒

熱水抽出性窒素は読んで

使って105℃ で1時間加
熱し、抽出された液に含ま

叩 ミリ
dフ
超 え た ら注 意

ハU1ょっU 日年に十勝地

円ノω

|・不足・適正置過剰|

れる窒素濃度を分析する。

用されている。

※生食用馬鈴しょの窒素診断に基づいて不足、適正、過剰を評価

J旬

まれる地点も多かった。

増減させることは、作物の

多少に応じて窒素施肥量を

多くの無機態窒素が含まれ

ると、熱水抽出性窒素より

に含まれる無機態窒素を見

また、普通 畑170地点

も、ダイ エットが簡単にで

過ぎたりして体重が増えて

である。 食べ過ぎたり飲み

後から減らすことも不可能

ない。施用し過ぎた肥料を

素は考慮されない。

生育 や品質を保証する上で

て い る こ と が 分 か る( 図

きないのと同じである。

供給される可給態窒素量が

非常に重要である。土から

3)。 熱 水 抽 出 性 窒 素 は ア

多いにもかかわらず通 常の

ンモニア態窒素を可給態窒

56
2020.6


ニュ ー カントリ

前回は作物生産で最も重

的に無機態窒素で、土の中

示されているものと示され
析値を見でもあまり参考に

にどれくらいそれが供給さ

れ、作物が利用できるか理

ていないものがある。

土の中にある可給態窒素に

ている。全窒素は、無機態

る窒素の潜 在量を評 価でき

ついて詳しく解説する。

窒素と有機態窒素を足し合
うには不向きであり、土か

今 す ぐ作 物 が 吸 収 し て
利 用 で き る 無 機 態 窒素
これまで説明したよう

と呼ぶ。
ら化学的に窒素成分を抽出

して測定する簡易法がいく
つか提案されている。 北海

乾土100d7
当たり112
ミリ
ぜで不足、31 4ミリ
dフ


多施用すると多くなる傾向

にコントロー ルすることで

道の土壌診断では、熱水抽

適正、5ミリ JU

以上は過剰と

がある。土壌診断票を見て

作物の生産性や品質を高め

畑や草地の土に含まれる

なる( 図 2)。 一方 、 春 ま

熱水抽出性窒素が乾土10

られる。 一方、窒素を過剰

出性窒素を測定する方法が

き小麦では5ミリ
ザ未満で低

04当たり刊ミリ
ザを超えて

に与えるこ とで、作物の無

可 給態窒 素を測定するに

ザで中程 度、
い、51 日ミリ

いたら要注意である。これ

駄 な 生育 を 引 き 起 こ し た

採用されている。

刊ミリ
4以上は高いと評 価さ

d7
、作土層の深さが
が印ミリ

り、品質を低下させたりす

可給態窒素の評 価法として

域的地点と上川地域別地点

れ、それに応じて窒素の基

mJ方針、 士の仮比重がl立

るのも事実である。

は、保温 静置法あるいは恒

保温 静置法と比べて簡単か
で採取した普通 畑170地

肥や止葉 期の追肥を調整す

方針当たり1トン
とすると、

土の中に養分が少なけれ

温 培養法と呼ばれる方法で

っ迅速に測定できる。道立

点の表層土に含まれる熱水

ることが推奨されている。

叩バ当たりmJ4の可給態

ば、施肥を増やすことで簡

※無機態窒素の基準は定められていないため、熱水抽出性窒素と同様の基準で不足、適正、
過剰を評価

無機態窒素

農 業 試 験 場 の研 究 に お い
抽出性窒素の分布を図2に

秋まき小麦では起生期茎数

窒素が含まれることにな

単に調整できる。 生育 途中
無機態窒素(mg/lOOg)

れる圧力釜のような装置を

て、培養法で測定された可

示した。十勝では乾土10

や予想されるタンパク含量

る。全てを作物が利用でき

で足りないと感じたら追肥

乾土 10 0 4 当 た り

給態窒素との聞に正の相関

04当たり31 4ミリdフ
の熱

などを指標に窒素施肥量が

るわけではないが、窒素肥

することもできる。しかし、

1 2 3 4 5 6 7 8 9-1 0 >IO
O
1 2 3 4 5-6 7-8 9-1 0 >IO

土 に 養 分、
が多 くても
減らす こと は 難し い

関係 が認 め ら れ た こ と か

水抽出性窒素が含まれる地

決まるため、熱水抽出性窒

料を施用しなくても相当量

|・不足・適正・過剰|

土の熱水抽出性窒素は、

ら、 北海道の土壌診断で活
点 が 最 も 多 か っ た の に対

いずれにしても、土から



熱 水 抽 出 性 窒素 で
可給 態を簡 単 に評 価

わせた全ての窒素量を示し

ならないと考えていい。

解する必要がある。 今回は

培養期間

に、土にはアンモニア態窒

ており、その大部分は有機

態窒素である。土の種類に


30 C · 4 週間

土の中の養分が多ければ、

可給態窒素i

の窒素が土から供給される

畑土壌における保温静置法による
可給態窒素測定のイメ ー ジ

作物に供給される可能性の

昌幸

それを減らすのは簡単では

たに まさゆき
1995年筑波大学大学院農学研究科
修了。 博士(農学)。 同年帯広畜

産大学畜産学部助手、 2003年同大
助教授、 15年から現職。 1968年大
阪市生まれ。

ことを意味する。

作物に供給され得る窒素量を評価し施肥量を増減

ある窒素量を評 価し、その

熱水抽出性窒素(mg/lOOg)



割30
旦2 0
%

10



2020.6

グロ ー バル グロメディシン
研究センタ ー 教授
割 30
只2 0
%

IO

1-2 3-4 5-6 7-8 9 1 0
O
7-8 9 1 0

上川地域(80地点)
40
十勝地域(90地点)
40



ニュ ー カントリ
57

帯広畜産大学
十勝地域と上川地域の普通畑における無機態窒素量の分布状況
図3

%。 ...

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