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Method of analyzing seepage flow through 2D soil with anisotropic permeabilities : Finite Element Method approximation with respect to stream function

田中, 勉 タナカ, ツトム Tanaka, Tsutomu フェライト, アーノルド 神戸大学

2022.03

概要

二次元異方透水性地盤の浸透流解析, とくに, 流れ関数Ψに関する有限要素近似について考える。ここでは, まず, 本論に入る前に浸透流の基礎知識として, 全水頭, 動水勾配, ダルシー則, 運動方程式, 浸透力, 混合微分の等価性, 及び, 流量の連続式と流れ関数について述べ, 次に, 等ポテンシャル線と流線の関係(すなわち, 動水勾配の方向と流速の方向の関係), 及び, 浸透流の屈折現象について考える。そして, 流れ関数に関して弱形式表現による有限要素近似法について議論する。また, 有限要素近似では, 三角形定ひずみ要素(CST要素(流れ関数に関する浸透流問題では定流速要素))を用いた近似法, 内節点消去による四角形4節点要素(4CST要素)を用いた方法について述べる。

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参考文献

A3.1) 田中 勉, Arnold Verruijt (2021): 二次元異方透水性地盤の浸透流解析 -全水頭に関する有

限要素近似-, 神戸大学都市安全研究センター研究報告, 第 25 号, 256-296, 令和 3 年 3 月.

A3.2) 田中 勉, Arnold Verruijt (2018): 異方透水性地盤における浸透水の流れ -透水係数テンソ

ルとモール円-, 神戸大学都市安全研究センター研究報告, 第 22 号, 140-162, 平成 30 年 3 月.

― 155 ―

付録4

有限要素法における境界条件

A4.1 浸透流と境界条件

FEM(有限要素法)浸透流解析は, ポテンシャル関数, 及び, 流れ関数に関する支配方程式を境

界条件の下に解くことに帰着される。境界条件には, 不透水性基盤上の河川堤防についてみる

と, Fig.A4.1 に示すように, 主に, 次の 4 つのものがある。

hp

H1

he

Datum

Fig.A4.1 浸透流の境界条件(不透水性基盤上の河川堤防)

① 貯水境界 (Boundary of reservoir water)

貯水が直接接する上流側斜面(Fig.A4.1 の AB)は貯水境界と呼ばれ, 等ポテンシャル線であ

り,

AB 上で, h  H 1

(A4.1)

で表される。ここに,

x, z : 水平方向右向き及び鉛直方向上向きにとった座標系, Fig.A4.1 では, x 軸は基準線

(Datum)に一致するようにとられている

H1 : 貯水池の基準線(座標系 x に同じ)から測った上流側水深

he : 貯水境界上の点 P における位置水頭

hp : 貯水境界上の点 P における圧力水頭

である。

② 浸潤線または自由水面 (Line of seepage, Phreatic surface, Ground water level or

Water table)

堤体内で間隙を通して大気圧と接する水面(Fig.A4.1 の DA)は浸潤線と呼ばれ, 浸透領域上

部の流線でもある。その境界に沿って, 水圧が 0 で大気圧に等しく一定であり, 自由水面とも

呼ばれる。すなわち,

DA 上で, h  z

( p  0 )

(A4.2)

である。その軌跡を決定することは, 地下水研究の主要な目的の一つである。ここに,

h (= he + hp) : 全水頭

p ( = hp w) : 点 P における水圧

である。

― 156 ―

③ 浸出面または浸潤面 (Surface of seepage)

浸透水が, 浸透領域から離れ, 液体と土の両方に対して自由なゾーンへ入ってゆく境界

(Fig.A4.1 の CD)は, 浸出面または浸潤面と呼ばれる。この面における水圧は大気圧に等しく

一定である, すなわち,

CD 上で, h  z

(A4.3)

である。しかしながら, 浸出面は等ポテンシャル線でも流線でもない。

④ 不透水性境界 (Impervious boundary)

Fig.A4.1 に示す BC は不透水性境界と呼ばれる。不透水性境界では, 流体はその境界を横切

って通過したり離れたりしない。すなわち, 境界に垂直な速度成分は, この境界上のすべての

点で 0 である。境界上の点において境界に垂直な方向および接する方向を n, s とすると, 本文

の(24)式を参照して,

境界接線 BC 上で,  = const., または, vn =



0

s

(A4.4)

となり, 不透水性境界は一つの流線となる。

A4.2

ポテンシャル関数に関する有限要素法の境界条件

ポテンシャル関数に関する有限要素法の境界条件を, 不透水性基盤上の河川堤防について図示

すると Fig.A4.2(a)となる。すなわち, 浸透流問題は, 全水頭 h に関して, 支配方程式を, 境界条件:

(i) 基本境界(ディリクレ境界, 水頭境界)

h  h on Ch

(A4.5)

(ii) 自然境界(ノイマン境界, 流速境界)

v  vn on Cv

(A4.6)

の下に解くことによって, 解を得ることができる。ここに, Ch は基本境界(水頭境界), Cv は自然境

界(流速境界)を表す。Fig.A4.2 (a)に示されるように, 境界は一般的に Ch または Cv のどちらかで表

される。FEM 解析の理論においては, 通常, Fig.A4.2 (a)をイメージ化して, Fig.A4.3 (a)のように表

される。

Cv

Ch

Cv

Ch

Fig.A4.2 (a) ポテンシャル関数に関する境界条件

― 157 ―

Datum

C

Cu

Cu

C

Fig.4.2 (b)

Datum

流れ関数に関する境界条件

Fig.A4.2 有限要素法の境界条件

A4.3

流れ関数に関する有限要素法の境界条件

流れ関数に関する有限要素法の境界条件を , 不透水性基盤上の河川堤防について図示すると

Fig.A4.2(b)となる。すなわち, 浸透流問題は, 流れ関数 に関して, 支配方程式を, 境界条件:

(i) 基本境界(ディリクレ境界, 流れ関数境界)

   on C

(A4.7)

(ii) 自然境界(ノイマン境界, 流速に関係する境界)

u  un on Cu

(A4.8)

の下に解くことによって, 解を得ることができる。ここに, C は基本境界(流れ関数境界), Cu は自

然境界(流速に関係する境界)を表す。Fig.A4.2(b)に示されるように, 境界は一般的に C または Cu

のどちらかで表される。 FEM 解析の理論においては , 通常 , Fig.A4.2(b) をイメージ化して ,

Fig.A4.3(b)のように表される。

vv

u u

Cv

C

Ch

Cu

Cu

Ch

Cv

C

(a) ポテンシャル関数に関する境界条件

Fig.A4.3

(b) 流れ関数に関する境界条件

ポテンシャル関数及び流れ関数に関する有限要素法における境界条件

(Figs.A4.2(a), (b)をイメージ化した図)

Figs.A4.3 (a), (b)からわかるように, 境界はすべて, ディリクレ境界かノイマン境界に分類され

ることがわかる。次に, 自然境界(流速境界 Cve ' , または, 流速に関係する境界 Cue ' )におけるフラッ

― 158 ―

クスベクトルについて述べる。

A4.4

e'

自然境界 Cve ' 及び Cue ' におけるフラックスベクトル Qe ' 及び QSF

まず, ポテンシャル関数に関する有限要素法において, 要素 e' の自然境界(流速境界) Cve ' におけ

るフラックスベクトル Qe ' は次のように計算される(参考文献4の(58)式 or (69)式参照)。

v  N  dC 



 

Qe '

Cve '

e'

Cve '

vn  N e '  ds

 

(A4.9)

ポテンシャル関数に関する有限要素法のノイマン境界は, 不透水性境界であり, 境界を横切る流

れがないので, vn  0 となるので, Qe ' の計算を行う必要がないことがわかる。ここに, s は領域を

左側に見ながらノイマン境界辺上を進む方向に正をとった座標であり, n は s を右回りに 90回転

した座標であり, 境界上に外向きに正をとった法線ベクトルである。

一方, 流れ関数に関する有限要素法において, 要素 e' の自然境界(流速に関係する境界) Cue ' にお

e'

けるフラックスベクトル QSF

は次のように計算される(本文の(62)式参照)。

u  N  dC 



 

e'

QSF

Cve '

e'

Cve '

un  N e '  ds

 

(A4.10)

ここに, un は,

un  R3 (nT  D a)

(A4.11)

と表される(本文の(60)式参照)。x, z 座標系を反時計回りに 90回転した q, s 座標系についてみる

と, ノイマン境界上においては, a が, a 

 a , a    v , v 

であり, un R3 が,

a 

 v 

un R3 

kqq aq  kqs as 

nT  D  a 

kqq vs  kqs vq

kqq kqs   q  

kqq kqs   s  

 as 

 vq 

 a

(A4.12)

vs , as 

vq

と与えられる。したがって, (A4.12)式から, ノイマン境界上において un が 0 となるのは, 一般的に

kqq  0 であることから, 限られた条件:「 vs  0 」, かつ, 「kqs = 0 または vq  0 」のときのみであ

e'

の計算を行う必要がある

る。すなわち, 通常, ノイマン境界上においては, un  0 となるので, QSF

ことがわかる。言い換えると次のとおりである。

e'

nT  D  a 

kqq vs  kqs vq  0 の場合には, QSF

ノイマン境界において, un R3 

の計算が必要で

ある。ここに, s は境界に沿って浸透領域を左に見ながら反時計回りに進む方向を正にとった

座標であり, q は s 方向から時計回りに 90の方向に正をとった座標である。

― 159 ―

Method of analyzing seepage flow through 2D soil with

anisotropic permeabilities

– Finite Element Method approximation with respect to

stream function –

Tsutomu Tanaka

Arnold Verruijt

Abstract

The method of analyzing seepage flow through two-dimensional (2D) soil with anisotropic

permeablilities was discussed, using the Finite Element Method (FEM) with respect to the stream function.

We discussed the basic equations of seepage flow through 2D soil with anisotropic permeabilities, and then

FEM approximation of the weak form. The basic equations of seepage flow are: hydraulic head, hydraulic

gradient, Darcy’s formula, motion equation of seepage flow, seepage force, equivalency of

cross-differentiations, relationship between continuity equation of discharge and stream function,

relationship between directions of discharge velocity and hydraulic gradient, and refraction of streamline

passing through two different-permeability soils. The following two kinds of elements were considered in

this paper:

(1) CST element, or an element of the Constant Strain Triangle, which means a constant stream-function

triangle in seepage flow issues with respect to the stream function.

(2) 4CST element, or a quadrangle (4-gon) element that consists of four CST elements with a reduction of

centroid-point data.

The iso parametric element means that the shape function expressing the shape of an element is the

same as the interpolation function expressing the stream function, . “Whether the CST element is an iso

parametric element?” was also discussed here. It was revealed that the shape and interpolated functions are

the same, and so the CST element is an iso parametric element. In the case of CST elements, shape

functions are expressed as linear with respect to the coordinates in two dimensions, so the velocity, or the

derivative of the stream function, is a constant value.

Key words: Seepage flow through 2D soil, anisotropic permeability, stream function, refraction of

streamline crossing two soil layers, Finite Element Method (FEM), weak-form approximation, Constant

Strain Triangle elements (CST and 4CST elements)

©2022 Research Center for Urban Safety and Security, Kobe University, All rights reserved.

― 160 ―

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