リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

リケラボ 全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索するならリケラボ論文検索大学・研究所にある論文を検索できる

リケラボ 全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索するならリケラボ論文検索大学・研究所にある論文を検索できる

大学・研究所にある論文を検索できる 「ヒト胆汁からの高純度Extracellular vesicle分離法の確立と胆管癌バイオマーカーの探索」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

コピーが完了しました

URLをコピーしました

論文の公開元へ論文の公開元へ
書き出し

ヒト胆汁からの高純度Extracellular vesicle分離法の確立と胆管癌バイオマーカーの探索

池田 千咲 山形大学

2020.09.30

概要

【背景】
 胆管癌は予後不良な難治性癌だが、胆管は解剖学的に細長い構造で、内視鏡的アプローチも容易でないことから、画像診断および組織学的診断が困難な疾患である。細胞外小胞(Extracellular vesicle:EV)はあらゆる細胞から放出されており、その内部には細胞由来の蛋白質や核酸が安定した状態で含まれていることから、癌の新規バイオマーカーとして注目されている。胆汁は胆管癌に接していることから、胆汁由来 EV は癌のバイオマーカーをより高濃度に含んでいる可能性が高い。本研究では、ヒト胆汁由来 EV のプロテオーム解析を行い、胆管癌の新規バイオマーカーの同定を行った。

【方法】
 ①EV 抽出は超遠心法を用い、溶解液として Phosphate-buffered saline (PBS) およびキレート剤 (50mM EDTA/50mM EGTA in PBS: EDEG) を使用し比較検討を行った。検討方法は透過型電子顕微鏡検査、Western blot でのエクソソームマーカー解析、ナノ粒子トラッキング解析、Bioanalyzer による RNA の品質評価を行った。
 ②次に胆管癌(CCA) 10 例、コントロールとして胆管結石症(stone) 10 例の計 20 例を対象に、経鼻胆道ドレナージチューブ(NBD)より胆汁を採取しプロテオーム解析を行った。さらにマーカー候補蛋白質について検証コホート(CCA 8 例、stone 8 例)で ELISA を行った。

【結果】
 ①ヒト胆汁から分離した小胞は EDEG 群、PBS 群ともに直径 40-100nmで、典型的な円形、カップ型として確認された。また CD9、ALIX、Flotillin-2などのエクソソームマーカーの発現を認め典型的な EV と考えられた。EV 由来 RNA 量は EDEG 群でより高値であった。Bioanalyzer では small RNA 中の microRNA の割合が EDEG 群で高かった。また EDEG を用いることで、血清 Albumin や Immunoglobulin などの夾雑物をより多く除去した。
 ②プロテオーム解析により、胆管癌の高発現蛋白質として 166 種の蛋白質が同定された。最も統計学的有意差を示したClaudin-3 において検証コホートを用いてELISA を行った。診断精度は AUC 0.945 (95%CI 0.84-1)、感度 87.5%、特異度 87.5%であった。

【結論】
 EDEG を用いることでヒト胆汁からの高純度な EV 分離が可能であった。また胆管癌におけるヒト胆汁由来 EV 中蛋白質のプロテオーム解析により、ヒト胆汁由来 EV 中の Claudin-3 が胆管結石症と胆管癌の鑑別に有用なバイオマーカーであることを示した。

全国の大学の
卒論・修論・学位論文

一発検索!

この論文の関連論文を見る