リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

リケラボ 全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索するならリケラボ論文検索大学・研究所にある論文を検索できる

リケラボ 全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索するならリケラボ論文検索大学・研究所にある論文を検索できる

大学・研究所にある論文を検索できる 「Reminiscence Activates the Frontal Lobe and Ameliorates Negative Mood States in Cognitively Intact Older Adults(回想は認知機能が低下していない高齢者の前頭葉を活性化し,ネガティブな気分を改善する)」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

コピーが完了しました

URLをコピーしました

論文の公開元へ論文の公開元へ
書き出し

Reminiscence Activates the Frontal Lobe and Ameliorates Negative Mood States in Cognitively Intact Older Adults(回想は認知機能が低下していない高齢者の前頭葉を活性化し,ネガティブな気分を改善する)

小林, 千世 信州大学 DOI:10.11441/shinshumedj.71.63

2023.07.21

概要

Ⅰ.Introduction:老化は身体的・認知的機能の低下を引き起こし、加齢への適応や高齢者の自
立、生活の質に影響を与える。高齢化が進む現在、高齢者の身体的・認知的機能低下を予防・
改善する支援が重要となる。加齢に伴う認知機能低下予防法には薬物療法や非薬物療法があ
る。非薬物療法である回想法は高齢者の認知状態を改善する効果が報告されているが、生理学
的メカニズムは検証されていない。本研究では皮質領域の Oxy-Hb 濃度や Deoxy-Hb 濃度により
脳活動を評価可能な非侵襲的光学的手法である近赤外分光法(NIRS)を用いて健康な高齢者の回
想中の前頭葉活動を評価するとともに、心拍変動、POMS 得点、主観的健康観を測定し、回想の
認知機能への影響とその基盤となる生理学的な変化を明らかにすることを目的とした。
Ⅱ.Materials and Methods:研究参加者は平均年齢70.1±4.7歳の21名(男性6名、女性15名)

全員右利きで、平均 MMSE 得点は29.2±1.0点である。回想は担当者が「子供時代の楽しかったこ
とを思い出し、その内容を話してください」と促し、子供のころの楽しかった記憶を想起する
Recalling と、想起した内容を説明する Storytelling で構成された。回想効果の評価指標とし
て、前頭葉活動は左右前頭葉の Oxy-Hb 濃度・Deoxy-Hb 濃度、気分状態は Profile of Mood
States(POMS)得点と主観的健康観得点、自律神経活動 R-R 間隔を測定した。R-R 間隔は周波数
解析を行った。データは Baseline と Recalling または Storytelling、回想前・後で比較した。
Ⅲ.Results:回想中に右前頭葉の Oxy-Hb 濃度は Baseline よりも Recalling および Storytelling
の方が有意に高く(p<0.01)、Deoxy-Hb 濃度は Baseline よりも Storytelling の方が有意に低か
った (p<0.01)。左前頭葉の Deoxy-Hb 濃度は Recalling および Storytelling が Baseline よりも
有意に低く(p<0.001)、Oxy-Hb 濃度は Recalling および Storytelling ともに有意な上昇は認め
られなかった。Recalling および Storytelling 中は左右ともに継続して Oxy-Hb 濃度の平均値が
上昇傾向を示し、Deoxy-Hb 濃度の平均値は低下傾向を示した。気分状態は POMS のネガティブな
気 分 得 点 が 回 想 後 に 有 意 に 低 く (A-H:p<0.001, C-B:p<0.05, D-D:p<0.001, T-A:p<0.001,
TMD:p<0.001)
、主観的健康観得点は回想後に有意に高くなった(p<0.01)。自律神経機能を示す
HF/LF/HF に有意な差は認められなかった。
Ⅳ.Discussion:認知機能が低下していない高齢者の前頭葉は、左右前頭葉の Oxy-Hb 濃度と
Deoxy-Hb 濃度の変化から回想中に活性化されること、回想中の前頭葉の活性化に左右差がない
ことや、過去の楽しい記憶を想起するだけでなく、想起した内容を言葉にすることが活性化に有
効であることが示唆された。また、回想することでネガティブな気分得点の改善や主観的健康観
は向上することからネガティブな感情が改善すること考えられた。 ...

全国の大学の
卒論・修論・学位論文

一発検索!

この論文の関連論文を見る