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書き出し

「土づくり」を考える : 土壌特性を理解し、良い点は向上させ、悪い点は改良する

谷 昌幸 帯広畜産大学

2021.05.24

概要

「土づくり」を考える : 土壌特性を理解し、良
い点は向上させ、悪い点は改良する
著者
雑誌名


ページ
発行年
URL

谷 昌幸
ニューカントリー
68
3
62-63
2021-03
http://id.nii.ac.jp/1588/00004713/

解していただけただろう

特 性 に つ い て 「 基 本 」 を理

説 明し て きた 。土 の 素顔 や

成 成 分 と機能な ど に つい て

成 り 立ち 、 種類 と 分 類 、 構

て 連 載 を 続 け て き た 。 土の

る 」 と 題 し て 3年に わ た っ

「 土 の『 基 本 』 に 立ち 返

報が あ ふ れ で い る 。

と良いとか、さまざまな情

有 機 物を 積 極 的 に 施用 す る

が 欠かせ ないとか、堆肥 や

野菜 を 育 て る に は 土 づ く り

数 が ヒッ ト す る 。 おい し い

サイト を 探 す と 、か な り の

で 土 づ く り を キ ーワ ード に

水な ど 人 間 に よ る 働 き 掛 け

の 土 な ど は 、 代か き や た ん

的 に土を変化させる。 水 田

施 肥 、 耕 起 、 排水 な ど は 劇

を 高 め る 栽 培 技 術 、 例え ば

繁に 起 き る 。 作 物の 生 産 性

く変わって しまうことが頻

で 、 士 の 形 態や 性 質 が 著 し

方 、 土 壌 生 産 性 と は 、自 然

「地力」とも 称される。一

を 生 産 し 得 る 能力 の こ とで

、がも と も と 持 っ て い る 植 物

違う 。 土 壌 肥 沃度 と は 、 土

た よ う な 言 葉だ が 厳 密 に は

使い 分 け る こ と が あ る 。 似

と 土 壌 生 産 性 と い う 言 葉を

世界 で の み 使 わ れ る 。 つ ま

産 や 家 庭 園 芸な ど 一 般 的 な

か「改 良 す る」という表 現

は、 土 を 「 と と の え る 」 と

土 をつくるというより

た 総 合的 な 能力 で 、 この能

壌肥沃 度 に 人 間 の力 を加え

つま り 、土 壌生 産 性 は 土

の ま ま の 地力 に 加え て 、作

り学術 的には「土づくり」

の 方 が し っ く り く る 。 士が
力 を 高め る こ と が 、ま さに

が なければ絶対に 存在しな

と い う 言 葉は 存 在 し な い 。

も とも と持って いる 性質を
「土づくり」ともいえる。

土 づ く り と い う 言 葉は 農

あ え て 言 う な ら「 地 力増

根本 的 に 変 え る こ と は 容 易
前回 紹 介 し た よ う に 、 火山

か 。 今回 は 連 載 の 締 め く く

進」 が 近 い 言 葉に な る の か
で は な い 。そ の 性 質 や 歴 史
灰か ら で き た 黒 ボ ク 士 は 土

物種や 栽 培法な ど との 組み

もしれない。
を十 分 に理 解 し、 ど こ ま

壌肥 沃 度 が 高く な い 「 痩 せ

い 特 徴を 有 し 、 あ る 意味で

本 連 載で繰 り返 し 説 明し
で、 ど の よう に 改 良 す れ ば

た土」だったが、適切なリ

学や土壌学のような学問 の

て き た よ う に 、土 は 少 な く

良 いのかを判断 して 実行す
ン 酸 施肥 や 土 壌 改 良 を 継 続

りとして「土づくり」につ

と も 数 百 年や 数 千 年、 時に

るのが「土づくり」の基本

は人 工土 壌といえ る。

は 数 万 年と い う 長 い 時 間 を
である。これを入れれば土

世界 で は 使 わ れ ず 、農 業 坐

か け て 、そ れ ぞ れ が 置 か れ

が良くなるという画一的な

いて考えてみたい。

た 環 境の 影 響を 受 け て で き
手法や技術 は存在しない。

国で 、 凶年以 上 前か ら 土 壌

な イン パ ク ト を 与 え る と と

学肥料 を入れただけでは三

な く 、 窒素 と リ ン を 含 む 化

果 、交 換性カ リが 極端 に 少

土 壌 学 で は 、土 壌肥 沃 度

畑や 水 田 な ど に お け る 作

ば、耕 地 生産 性 が 低 下 し 、

養 分 な ど に 過 不足 が あ れ

か ら 供 給され る 水 、 酸 素、

診 断 を 行 っ た と と ろ 、そ の

の チ l ム が 士 壌 調 査や 土 壌

同国の 南 部 地 域 で わ れ わ れ

全く 上 が っ て い な か っ た 。

し か し 、 実際 に は 収量 が

カ リウ ム 貯金を 使 い 果 た し

も 続けた結果、す で に 土 の

た 。 た だ 、そ れ を 印 年 以 上

カリウムが供給できてい

含まれて いたため 、自然 に

黒 雲 母と い う 鉱 物 が 多 量 に

・地形

.施肥管理
・栽培技術
・作物の種類や品種

土」に変化したのである。

壌 生 産 性 が 高 い「 肥 え た

的 に 行 っ て き た こ と で 、土

である。

良 い 作 物を 育て る た め に

る 歴 史的 自然 物で 、学 術 的

土そ れぞれの性質に合わせ

合 わ せ で 成 立す る 土 の 能力

は「土づ くり」が 大事だ と

に は「土 壌生 成 」と呼 ん で
て 最適な方 法を探す 必 要が

条 件 、 施 肥管 理 や 栽 培 技
て い る 。 同国 で は 、 貧困 や

調 査や 栽 培 試 験 な ど を 行 っ

物の 耕 地生 産 性は、 土 だ け

収 量 ギャ ッ プ が 生 じ て 実 際

原因は 非 常に 単 純 だ っ た 。

て いたのである。

.気象条件

たい



り」に取り組んでいただき

範 囲 で 改 良 す る「 土 づ く

と も に 、 悪い 特 性 を 適 正 な

させ た り維 持し た りす る と

解 し、 士 の 良 い 特 性 を 向 上

い 、 土 壌 特 性 を 科 学 的に理

土 壌診断 など を積極的 に 行

う に な る 。 土 壌 断 面調 査や

の 動 き な ど も理 解 で き る よ

立 ち は も ち ろ ん 、 空気 や 水

丁寧 に 観 察 す る と 土 の 成 り

土 壌断 面写 真で 紹介 し た 。

連 載でも 何 度 か土 の内部を

る こ と が 必 要 と な る 。 この

ま で 観 察 し 、そ の 特 徴 を 知

は 、 土 の 内 部つま り 深 い 所

土 を さ ら に理 解 す る に

る」ことの重 要性である。

つ ま り「 土 そ の も の を 知

の 成 り 立ち と 素 性 を 知 る 、

指す の で あ れ ば 、 ま ず は 土

品 質を向 上 させることを目

き 出 し て 、作 物の 生 産 性や

か っ た こ と は 、士 の力 を引

本 連 載 の 中 で 一番 伝え た

土 の 力 を引 き 出 す に は
土 そ の も の を 知 る こと

性が上 がったのである。

から と そ 、ま さに 耕 地生 産

で 土 壌生 産 性 が 高く な っ た

向上するどころか、むしろ

異な る た め 、 土 壌 生 産 性 が

持って いる 性質が まったく

う な る だ ろ う か 。も と も と

など 他 の土 に 適用 す ればど

きた技術 を低地土 や台地土

黒ボク土に対して 行って



土の性 買 に合 わ せ
最適 な方 法を探 る

い わ れ る 。 検索 サ イ ト な ど

い る 。そ の 観 点 で は 、 人 間
ある。

なん て おこ が ま し いと考 え

ることも できる。

逆 効 果 に な る可 能 性 が 高

術 、そ し て 作 物の 品 種な ど

要 素 が バ ラン ス 良 く 供 給 さ

一 方 で 、人 間 が 土 に 大 き

い 。リン 酸 吸 収係 数 が 低 い
飢 餓 か ら 脱 す る た め に 主食

調 べて み る と 、 も と も と

地 生 産 性 は2021 年1 月

の 土 に はカ リウ ム が た く さ

に よ っ て 決 ま る ( 図)。 耕

まざまな取り組みが 行われ

ん 含 ま れ て い て 、カ リウ ム

ホク 土 並

台 地 土 な の に 、 里山

て い る 。特 に 政 策 的 に 行わ

を含む肥料 を入れなくて も

み の リン 酸 施肥 を 続 け て き

れた の が 、 欧米 で 開 発 さ れ

ト ウ モ ロコ シな ど の 作 物 が

れていなかった。

土 壌生 産 性 が 高い か ら と

た 高収量 の ハイブ リ ッ ド 品

十 分 に 育っ た よ う で あ る 。

で あ る ト ウ モ ロコ シの 生 産

いって、必 ずしも 耕地生 産

種を 導 入 す る こ と と 、 窒素

の 変成 岩 から で きて おり、

この地域の土は花こう岩質

号で 説 明 し た 作 物 の 潜 在 的

性 が 高い と は い え な い 。た

とリン を 含 む化 学肥 料 を 施

た せ い で 、 リ ン 酸 過 剰と そ

て 、 多くの皆 さん に土そ の
だ し 、耕 地 生 産 性 を 上 げ る

用 す る こ とだった。

性 を 上 げ る こ と を 目 指す さ

ものを知ってほしかったゆ

た め に は 土 壌生 産 性 を 高め

収量 と ほ ぼ類似 し た 考 え 方

えんである。
る こ と が 不可 欠 で あ る 。 土

で な く 、気 象 や 地形 な ど の

の 生 産 者収量 が 下 が っ て し

土 壌生 産 性そ のも のが 低い

写真 マラウイ共和国において土壌診
断と適切な[土づくりjを行ったトウ
モロコシ栽培

まう。

アフリ カ 南 東 部 の 小 さ な

そ こ で 、 現地 で 入 手 可 能

験 圃 場で は ハ イ ブ リ ッ ド 品

残さ か ら 堆肥 を つ く り 、 化

岡田 南 部 の 土 の 多 く は 陽

種 の ト ウ モ ロコ シの 収量 が

を 施用 し で も 、 耕 地 生 産 性

イ オ ン 交 換 容 量 が叩 未 満

ンを 超 え た
ーか 当 た り 6 ト

学 肥 料 と 堆 肥 を 混ぜ て 施 用

で 、 保肥 力 が 非 常に 低 い た

( 写真 )。 堆 肥 か ら カ リウ

が上がらなかったのであ

め、せっかく肥料を入れて

れ る 腐 植 物質の 保肥 力 が 化

ム が 供 給され 、堆肥 に 含 ま

したところ、われ われ の 試

な 牛 糞 尿と ト ウ モ ロ コ シ の

|さまざまな要因|



※4月号から谷先生の新連載が始まります。

学 肥 料 の 効 き を 高め た こ と

性質だ った。また、土の交

換 性 陽 イオ ン を 分 析 し た 結

も 雨が 降 る と流 されやす い

る。

入 し て も 、 、ど
んな良い肥料

の こ と。 こ の 連 載 を通 じ

土 壌 生 産 性 を高 め て
耕地 生 産 性 を上 げ る

れに伴う弊 害が生 じ て いる

まさゆき

である。

昌幸
たに

のは、 ある 意味で 当 た り 前

土壌生 産 性 とは 地力 に
人 間 の 力 加 えた 総 合 力

が 短 期 間 で 「 土 を つく る 」

1995年筑波大学大学院農学研究科
修了。 博士(農学)。 同年帯広畜
産大学畜産学部助手、2003年同大
現職。1968年大
助教授、15年
阪市
れ。 ...

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