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書き出し

黄麹菌Aspergillus oryzaeにおけるエンドサイトーシス関連 AAA ATPase AipA に関する研究

日浅, 怜子 HIASA, Reiko ヒアサ, レイコ 九州大学

2023.03.20

概要

九州大学学術情報リポジトリ
Kyushu University Institutional Repository

黄麹菌Aspergillus oryzaeにおけるエンドサイトー
シス関連 AAA ATPase AipA に関する研究
日浅, 怜子

https://hdl.handle.net/2324/6787679
出版情報:Kyushu University, 2022, 博士(農学), 課程博士
バージョン:
権利関係:Public access to the fulltext file is restricted for unavoidable reason (3)





論文題名

:日浅

怜子

:黄麹菌 Aspergillus oryzae におけるエンドサイトーシス関連 AAA ATPase AipA に
関する研究





:甲















エンドサイトーシスとは、細胞膜局在のトランスポーターでは取り込むことができない細胞外の
栄養分子や情報分子を細胞内に取り込む機構であり、酵母からヒトまで全ての真核生物に備わって
いる。栄養源の獲得や細胞膜タンパク質のリサイクリングなど、多くの重要な生命現象と関わって
おり、モデル生物の出芽酵母や哺乳細胞においては多くの知見がある。AAA (ATPase associated with
diverse cellular activities) ATPase は保存された AAA ドメインで六量体環状構造を形成し、細胞内の
さまざまなオルガネラや構造体に局在するものが報告されている。一般的に AAA ATPase は六量体
のリングの内側で基質を認識し、AAA ATPase 活性を利用して細胞膜融合やタンパク質複合体の解
離において機能を発揮する。しかしながら、エンドサイトーシスにおいて機能を有する AAA ATPase
については知見が少ない。黄麹菌 Aspergillus oryzae は α-アミラーゼなどの有用酵素を分泌高生産す
る特性があることから、古来、日本において日本酒や味噌、醤油など発酵・醸造食品の製造に使用
されてきた、安全で有用な真核微生物である。近年ではこれらの特性を活かして、糖タンパク質な
どの異種タンパク質生産宿主としても応用的に利用されている。先行研究より、黄麹菌においてエ
ンドサイトーシスに関与する AoAbp1 と相互作用する AAA ATPase として AipA (AoAbp1 interacting
protein)が同定されているが、その機能は未解明である。そこで本研究では、黄麹菌のエンドサイト
ーシスにおける AipA の機能を明らかにすることを目的とした。
1)

ΔaipA 株におけるエンドサイトーシスの解析
出芽酵母や分裂酵母においてエンドサイトーシス関連因子を欠損させると、エンドサイトーシス

が抑制されることが報告されている。そこで、AipA を欠損させるとエンドサイトーシスにどのよう
な影響があるのかを調べるために、緑色蛍光タンパク質 EGFP タグを融合したアルギニントランス
ポーターAoCan1 をエンドサイトーシスマーカーとして用いて解析を行った。その結果、ΔaipA 株に
おいてエンドサイトーシスは対照株よりも亢進していたことから(図 A, B)、AipA はエンドサイトー
シスを負に制御していることが示唆された。一方、AipA の相互作用タンパク質である AoAbp1 を欠
損した ΔAoabp1 株でも同様に解析を行うと、エンドサイトーシスは対照株と比べて遅延していたこ
とから、AoAbp1 はエンドサイトーシスを正に制御していることが示唆された。さらに、二重破壊
株である ΔaipAΔAoabp1 株においてエンドサイトーシスは遅延していたことから、AipA は AoAbp1
の下流で機能することが示唆された。

2)

AAA ATPase 活性低下株におけるエンド

サイトーシスの解析
さ ら に aipA 過 剰 発 現 株 に つ い て も
AoCan1-EGFP をマーカーとしてエンドサイ
トーシスを解析したところ、エンドサイトー
シスは抑制されており、この結果からも
AipA はエンドサイトーシスを負に制御する
ことが示唆された。また、AAA ATPase は保
存された AAA ドメインで ATPase 活性を有
しており、機能に重要であることが先行研究
より明らかになっている。そこで、AipA に
ついても AAA ATPase の推定活性部位に変
異を導入した株を作製し解析を行った。その
結果、ATPase 活性の低下している aipAK542A
および aipAE596Q を過剰発現する株では、aipA
過剰発現株よりもエンドサイトーシスが亢
進している様子が観察された。これらの結果
により、AAA ATPase 活性は AipA の機能に
重要であることが示唆された。
3)

新規 AipA 相互作用タンパク質の探索
エンドサイトーシスにおいて機能する

AipA の分子機構についてさらに詳細に解析するために、GFP-Trap を用いた免疫沈降法によって、
新規の AipA 相互作用タンパク質の網羅的な探索を行った。EGFP-AipA 発現株から細胞内タンパク
質を抽出し、GFP-Trap によって EGFP 融合タンパク質を精製した後に、LC-MS/MS 解析とデータベ
ース検索を行うことで、新規 AipA 相互作用候補タンパク質の同定に成功した。見つけ出した候補
タンパク質のうち、AipB、AoSec13、AoCof1 について蛍光顕微鏡観察および共免疫沈降による解析
を行うことで、in vivo での AipA との相互作用の確認を試みた。その結果、EGFP-AipB は mCherryAipA と共局在を示していたが、共免疫沈降によるタンパク質間相互作用は確認することができな
かった。また、AoSec13-EGFP と mCherry-AipA は共局在を示しておらず、共免疫沈降によるタンパ
ク質間相互作用も確認することができなかった。

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