リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

リケラボ 全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索するならリケラボ論文検索大学・研究所にある論文を検索できる

リケラボ 全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索するならリケラボ論文検索大学・研究所にある論文を検索できる

大学・研究所にある論文を検索できる 「Mir125b-2 deficiency in mice affects MIR125B-5p expression and ex vivo osteoblastogenesis」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

コピーが完了しました

URLをコピーしました

論文の公開元へ論文の公開元へ
書き出し

Mir125b-2 deficiency in mice affects MIR125B-5p expression and ex vivo osteoblastogenesis

小笠原 伯宏 広島大学

2022.03.23

概要



















Mir125b-2 deficiency in mice affects MIR125B-5p
expression and ex vivo osteoblastogenesis
(マウス Mir125b-2 欠損は MIR125B-5p の発現と ex vivo
における骨芽細胞分化に影響する)

主指導教員:谷本
(医系科学研究科
副指導教員:吉子
(医系科学研究科

歯科矯正学)
裕二教授

硬組織代謝生物学)

副指導教員:加来
(医系科学研究科

幸太郎教授

真人教授

生体構造・機能修復学)

小笠原
(医歯薬保健学研究科

伯宏
医歯薬学専攻)

マイクロ RNA(miRNA)は 20 から 25 塩基長の1本鎖 RNA で、転写後の発現調節を担う noncoding RNA である。ゲノムより転写された1本鎖 RNA は、相補配列の結合によってヘアピン
ループ構造をとり、primary miRNA(以下 pri-miRNA)となる。pri-miRNA は Drosha により
核内で切断され、miRNA 前駆体(以下 pre-miRNA)となった後、細胞質内に輸送され、Dicer
によるプロセシングを受けて2本鎖 RNA となる。Dicer や Ago2 などのタンパク複合体に取り
込まれた miRNA は、一本鎖化され、成熟 miRNA となり、標的 mRNA の 3’UTR に結合して
翻訳抑制や mRNA の分解を促進することが知られている。近年、細胞外分泌小胞中に miRNA
が内包され、受容細胞において遺伝子発現を調節することも明らかにされた。一方、骨芽細胞等
は基質小胞と呼ばれる固有の細胞外小胞を放出し、石灰化開始の起点として機能することが知
られている。我々は骨芽細胞由来の基質小胞に多数の miRNA が内包されることを明らかにし
た。このうち、MIR125B は骨基質に埋入された後、骨代謝の過程で破骨細胞前駆細胞に受容さ
れ、 Prdm1 を標的として破骨細胞分化を抑制することを見出した。成熟骨芽細胞特異的に

Mir125b を過剰発現するトランスジェニックマウスを作製したところ、破骨細胞数の減少と著
明な骨量の増加が確認された。一方、MIR125B は骨粗鬆症患者において高値を示すことが報告
されており、ヒト骨髄間葉系幹細胞の BMPR1B を標的とするなどして骨芽細胞分化を抑制する
ことが示唆されている。マウス Mir125b は 9 番染色体および 16 番染色体にコードされており
(Mir125b-1 および Mir125b-2)、成熟 MIR125B-5p は両者共通であるが、-3p は MIR125B-13p および MIR125B-2-3p の2種が存在する。そこで、本研究では、Mir125b-2 ノックアウトマ
ウス(以下 KO マウス)を作製し、主要器官/組織における Mir125b 転写産物の発現をプロファ
イリングするとともに、Mir125b-2 KO の骨代謝への影響を評価した。

Mir125b-2 KO マウスは CRISPR/Cas9 を用いたゲノム編集により作製した。Mir125b-2 KO マ
ウスは雌雄ともに野生型マウス(以下 WT マウス)と比較して外観上特筆すべき所見を認めな
かった。pri-MiR125b-1、pri-MiR125b-2、MIR125B-5p、MIR125B-1-3p および MIR125B-23p の発現をリアルタイム RT-PCR により確認した。WT マウス(12 週齢雄)において、pri-

MiR125b-1 および pri-MiR125b-2 の発現はいずれも脳および心臓で高く、次いで pri-MiR125b1 は頭頂骨、骨格筋および脂肪組織、pri-MiR125b-2 は頭頂骨、精巣、肝臓および腎臓で検出さ
れた。一方、成熟 MIR125B はいずれも頭頂骨、心臓および脳のレベルが高値であった。Mir125b-

2 KO マウスの MIR125B-5p 発現レベルは、大腿骨、心臓、肝臓、腎臓などにおいて WT マウ
スよりも低値を示したが、頭頂骨、脳などは WT と同等であった。そこで、WT および Mir125b-

2 KO マウスの心臓、脳、大腿骨および頭頂骨について、 pri-MiR125b-1 、 pri-MiR125b-2 、
MIR125B-1-3p および MIR125B-2-3p の発現レベルを比較した。Mir125b-2 KO マウスの pri-

MiR125b-2 および MIR125B-2-3p はいずれにおいても低値を示し、MIR125B-1-3p レベルに差
は認められなかった。

Mir125b-2 KO の骨代謝への影響を評価するため、WT および Mir125b-2 KO マウス(12 週齢

雄)脛骨近位端海綿骨のマイクロコンピュータ断層撮影(μCT)解析および非脱灰標本による骨
形態計測を行なった。その結果、骨量、骨密度、骨梁幅、骨芽細胞数、石灰化速度などの各種パ
ラメータに差は認められなかった。さらに、両マウス(15 週齢雄)大腿骨・脛骨骨髄細胞から
得られた間質細胞を骨分化培地(アスコルビン酸、β-グリセロリン酸およびデキサメタゾンを含
む)で培養した。その結果、Mir125b-2 KO 細胞では、アルカリフォスファターゼおよび von
Kossa 染色陽性の骨結節が WT よりも多く、これと一致して骨芽細胞分化マーカー遺伝子の発
現レベルも亢進していた。MIR125B-5p、MIR125B-1-3p ならびに MIR125B-2-3p の発現をリ
アルタイム RT-PCR で確認したところ、間質細胞の MIR125B-5p および MIR125B-1-3p レベ
ルは Mir125b-2 KO に関わらず、骨髄細胞や大腿骨と比較して著しく高値であった。WT の
MIR125B-2-3p も同様に間質細胞で高い発現レベルを示した。骨分化誘導した Mir125b-2 KO
細胞においては、WT 細胞に認められる MIR125B-5P および MIR125B-2-3p レベルの上昇が確
認できなかった。上記骨髄細胞由来マクロファージを破骨細胞分化培地(マクロファージコロニ
ー刺激因子、Receptor activator of NF-κB ligand を含む)で培養し、酒石酸抵抗性酸性ホスフ
ァターゼ陽性の多核巨細胞数を計測したところ、Mir125b-2 KO と WT の間に差は見られなか
った。
以上の結果から、マウス Mir125b 転写産物は主要器官/組織において異なる発現プロファイルを
示し、成熟 MIR125B はいずれも頭頂骨において高値であることが明らかとなった。MIR125B5p および MIR125B-2-3p はともに Mir125b-2 KO マウスの多くの器官/組織で低値を示すが、
頭頂骨あるいは脳の MIR125-5p レベルに変動は見られず、Mir125b-2 の機能的特異性が示唆さ
れた。 Mir125b-2 KO は脛骨の形態計測パラメーターに影響しないものの、骨分化誘導した

Mir125b-2 KO 骨髄間質細胞の骨芽細胞分化と骨結節の形成を促進すると推測される。Mir125b2 KO は骨髄間質細胞の骨芽細胞分化に関与するものの、その影響は限定的と考えられる。

全国の大学の
卒論・修論・学位論文

一発検索!

この論文の関連論文を見る