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大学・研究所にある論文を検索できる 「低強度粗粒レゴリスで覆われた小惑星表面の衝突クレーターと衝突励起振動に関する実験的研究」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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低強度粗粒レゴリスで覆われた小惑星表面の衝突クレーターと衝突励起振動に関する実験的研究

山本, 裕也 ヤマモト, ユウヤ 神戸大学

2023.03.25

概要

衝突クレーターは固体天体表面に普遍的に存在する地形である.天体同士の衝突は速
度数 km s-1 から数 10 km s-1 にまでおよぶ高速度衝突から,数 m s-1 を下回る低速度衝
突も存在する.衝突クレーターのサイズは直径 100 km 以上の巨大なものから,数 cm
サイズの小さなクレーターまで存在する.大気が非常に薄く,地質活動が極めて少ない
天体では表面地形の更新が起こりにくく,比較的長期にわたって表面状態が保存される.
そのため,固体天体表面の衝突クレーターからは衝突体のサイズや衝突速度,天体表層
の強度などの多くの情報を得ることができると期待される.一般的な条件下での衝突現
象を理解するためには,スケーリング則を確立する必要がある.広く用いられているク
レーターサイズスケーリング則として,次元解析を用いた π スケーリング則と呼ばれ
るスケーリング則が構築され,衝突実験の結果を基に確立されてきた.
小惑星などの小天体表面は一般にレゴリスと呼ばれる粒子層やボルダーと呼ばれる
大きな岩塊に覆われている.近年の惑星探査により,小天体表面の詳細な状態が観測さ
れるようになった.小惑星表面のボルダーは数 100 m から 1 m 以下まで大小様々なサ
イズを持ち,力学的強度が小さく高い空隙率を持つボルダーも存在することがわかって
きた.また,これまで観測された小惑星の表面は多くの衝突クレーターに覆われていて
表面画像から各天体のクレーターサイズ頻度分布が得られており,比較的最近衝突クレ
ーターが形成された若い地域を除いてクレーター数は飽和している.クレーターサイズ
頻度分布を基にこれらの小惑星の表面年代が推定されている.しかしながら,小惑星
Itokawa ではクレーター数がこれまでの小天体に比べて少なく,クレーターが不明瞭な
形状をしていた.クレーターサイズ頻度分布から,Itokawa では直径 10 m 以下のクレ
ーター数が少ないことがわかった.同様の傾向が小惑星 Eros でも確認された.Itokawa
や Eros での小サイズのクレーター数の欠乏の要因として以下が挙げられる.(1)ボルダ
ーの衝突破壊による衝突エネルギーの散逸(アーマリング効果),(2)衝突励起振動による
小さなクレーターの消失,(3)小さいサイズの衝突天体のフラックス不足である.
アーマリング効果は,衝突点近傍に大きなボルダーが存在する時に衝突によってボ
ルダーが破壊されることによって,衝突エネルギーが散逸される現象で,砂地に形成さ
れるクレーターサイズよりも小さくなるか,クレーターが形成されなくなる.室内実験
により,ボルダーのサイズが衝突体のサイズに比べて同程度以上の大きさである時,ま
たはボルダーの力学的強度が十分に小さい時にアーマリング効果によってクレーター
形成効率が低下しうることが確認されている.一方で,小惑星探査機はやぶさ 2 で実施
した宇宙衝突実験では,小惑星 Ryugu 表面が様々なサイズかつ低強度のボルダーに覆
われていたにもかかわらず,形成されたクレーターは,砂地に形成されるクレーターと
変わらないサイズのクレーターが形成された.ボルダーのサイズや強度がクレーター形 ...

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