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大学・研究所にある論文を検索できる 「FAM111B enhances proliferation of KRAS-driven lung adenocarcinoma by degrading p16」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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FAM111B enhances proliferation of KRAS-driven lung adenocarcinoma by degrading p16

川崎, 桂輔 大阪大学

2021.03.24

概要

〔目的(Purpose)〕
 肺癌は一般的によく見られる癌で,世界中で健康問題となっている.肺腺癌(LUAD)は肺癌の組織型の一つであり,肺磁全体の約60%を占める.LUADは病理組織学的にlepidic, acinar, papillary, micropapillary, solid predominantの5種類のサブタイプに分類され,papillary predominantはlepidic predominantに比べて予後が悪いことが知られている.LUADに対する治療法はいくつか解明されているが,癌の増殖を制御するのが困難であることから依然として死亡率は高いため,さらなる生物学的,臨床病理学的研究が必要である.
 ヒトLUAD組織のRNA-seq解析を行い,lepidic predominantよりpapillary predominantで高発現を示した遗伝子の中から,我々はfamily with sequence similarity 111 member B (FAM111B)に着目した.
 FAM1UBの発現とLUADの組織学的分類の関係性に関しては未だ解明されておらず,肺腺癌において FAM111Bがもたらす役割の解明を試みた.

〔方法ならびに成績(Methods/Results)〕
 ヒトLUAD病理組織検体を用いた免疫組織化学的解析により,papillary predominant優位の腺癌は, lepidic predominant優位の腺癌と比較してFAM1UBの発現が高いことが確認された.さらに,FAM111Bの発現と腫瘍径,病理学的分類によるT分類,脈管侵襲の有無,リンパ節転移の有無,病理学的進行期,臨床病期,生存率の間に有意な相関関係が認められた.
 次に,FAM111Bの機能解析を行うため,CRISPR/Cas9システムを利用して,FAM1UBをノックアウトしたA549細胞株を2系統作成した.また,H1792, H1650, HCC827細胞に関しては,siRNAを用いたFAM111Bノックダウンの系を樹立した.
 in vitroの機能解析では,血淸飢餓条件下において,FAM111BがKRAS変異型肺腺癌細胞株(A549および H 1792 ) の増殖能, 細胞周期の進行を促進することが示された. さらに, FAM 111 Bは, pl 6 の分解により cyclinDl-CDK4活性を増強させ,cyclinDl-CDK4の下流であるRbのリン酸化,E2F-1の発現が増加することが示された. 免疫沈降による共沈実験では, FAM 111 Bとpl 6 の直接結合が示された. さらに, FAMU 1 B中のtrypsin-like cysteine/serine peptidase domain (TPD)の欠損した変異体(FAM111BZJTPD)を作製しFAMU1Bノックアウト細胞にtransfectionしたところ,pl6の分解,増殖能の回復は認められなかった.

〔総括(Conclusion)〕
 ヒトLUAD検体で,papillary-predominantは,lepidic-predominantに比べてFAM111Bの発現が高いことが示された.KRAS変異を有するLUAD細胞では,FAM111Bはpl6と直接結合した上でpl6を分解し, cyclinDl- CDK4活性の増強,Rbのリン酸化,E2F-1の発現増加を介し,細胞周期G1期からS期への進行を促進することで,増殖能が促進することが示唆された.
 我々は, ヒトの腫瘍組織におけるFAMU 1 Bの臨床的な重要性, ならびに分解酵素としての機能を明らかにした.また,FAM111BがLUADの臨床病理学的予後マーカーとして有用である可能性を示した。

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