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大学・研究所にある論文を検索できる 「対偶遺伝学とメタエピゲノミクスによる微生物ダークマターの機能」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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対偶遺伝学とメタエピゲノミクスによる微生物ダークマターの機能

富永, 賢人 京都大学

2023.03

概要

令和 4 年度

京都大学化学研究所 スーパーコンピュータシステム 利用報告書

対偶遺伝学とメタエピゲノミクスによる微生物ダークマターの機能解析
Functional characterization of microbial dark matter by contrapositive genetics and metaepigenomics
東京大学 大学院新領域創成科学研究科 先端生命科学専攻 岩崎研究室

富永賢人

研究成果概要
対偶遺伝学法は、比較ゲノム解析により在不在パターンが逆相関する(排他関係にある)遺
伝子ペアを抽出することで、互いにその機能が相補する遺伝子ペアを同定する手法である。
本手法は相同性に依存せず機能未知遺伝子の機能推定が可能である。さらに、それらの遺
伝子が排他関係となる理由を解析することで、機能既知の遺伝子についての進化学・生態学
的な知見の拡充が期待できる。本年度はこの対偶遺伝学法の実証例として、海洋微生物を対
象に以下のような比較ゲノム解析を行った。
(1)海洋原核生物の網羅的な対偶・共起遺伝子ペアの探索
海洋メタゲノムに存在する膨大な微生物由来の機能未知遺伝子の機能推定のため、様々
な海域由来のメタゲノムよりアセンブリされた原核生物ゲノム 8,466 ゲノム(OceanDNA MAG
catalog, Nishimura and Yoshizawa, 2021)を用いて、網羅的に共起関係および排他関係にある
遺伝子ペアを抽出した。その結果、1,302,061 個の共起関係と、163,988 個の排他関係を抽出
した。共起遺伝子は、互いにゲノム上の近傍に存在する傾向があったが、1ペアのみゲノム上
の離れた位置にありながら頻繁に共起するペアを同定した。このペアは機能未知遺伝子と外
来 DNA の取り込み装置であったことから、機能未知遺伝子も外来 DNA の取り込みに関係が
あると考えて、現在解析を行っている。また、排他関係の中には 20 以上の系統で排他関係が
生じているペアが存在した。このような頻繁に見られる排他関係の中から、特に機能既知遺伝
子と機能未知遺伝子のペアに着目し、その機能未知遺伝子の機能解析を進めている。
(2)海洋 Flavobacteria 科細菌が保有する環境要因と相関の見られる機能未知遺伝子の探索
上記の原核生物ゲノムの中から、特に海洋 Flavobacteria 科細菌のゲノムについて、海洋メ
タゲノム試料における存在量に基づき、本科の分布域は 3 つの表層型(極域・中緯度・低緯度)
と深層型に分類した。深層型のゲノムは最もサイズが大きく、多様な有機物分解酵素を持ち、
至適増殖速度の推定値が速かった。一方、表層型のゲノムは、より低緯度型ほどその逆の傾
向を示した。上記の生息地分布に基づき、特定の環境に集積する遺伝子を抽出した。その結
果ヘム結合タンパク質 SOUL など複数の機能未知遺伝子について、特定の環境に優占する
ゲノムにのみ集積する例を発見し、これらの遺伝子がそれぞれの環境への適応において重要
な役割を果たすと考えられた。本研究の成果については、進化学会、微生物生態学会、ゲノ
ム微生物学会などの国内学会において発表するとともに、現在投稿論文を作成中である。 ...

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