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書き出し

高透水性セルロース系中空糸膜の開発と医薬品分野への応用

髙尾, 翔太 タカオ, ショウタ 神戸大学

2023.03.25

概要

Kobe University Repository : Kernel
PDF issue: 2024-05-08

高透水性セルロース系中空糸膜の開発と医薬品分野
への応用

髙尾, 翔太
(Degree)
博士(科学技術イノベーション)

(Date of Degree)
2023-03-25

(Date of Publication)
2024-03-01

(Resource Type)
doctoral thesis

(Report Number)
甲第8678号

(URL)
https://hdl.handle.net/20.500.14094/0100482426
※ 当コンテンツは神戸大学の学術成果です。無断複製・不正使用等を禁じます。著作権法で認められている範囲内で、適切にご利用ください。

博士論文

「高透水性セルロース系中空糸膜の開発と
医薬品分野への応用」

2023 年 1 月
神戸大学大学院科学技術イノベーション研究科
博士課程後期課程(先端膜工学分野)
高尾

翔太

1

目次
第 1 章 序論

4

1.1 研究の背景

4

1.1.1 研究の概要

4

1.1.2 膜開発の歴史

4

1.1.3 ダイセル膜事業の歴史

5

1.2 分離膜の種類

6

1.3 精密ろ過(MF)膜の社会ニーズとダイセル製品ラインナップ

7

1.4 膜材料別の分離膜の製法

8

1.5 熱誘起相分離(TIPS)法の原理

9

1.6 ダイセルの中空糸膜の製法と特徴

10

1.7 セルロース系中空糸膜の課題

12

1.8 本研究の目的と論文構成

14

第 1 章 参考文献

16

第2章

高透水性酢酸セルロースの MF 用の中空糸膜の開発

17

2.1 背景

17

2.2 実験方法

17

2.2.1 材料

17

2.2.2 酢酸セルローストリアセテート(CTA)の溶媒探索

18

2.2.3 CTA の熱分析

22

2.2.4 TIPS 法による CTA 中空糸膜の作製

22

2.3 結果と考察

24

2.3.1 CTA の溶媒探索

24

2.3.2 CTA を用いた TIPS 法の相図

25

2.3.3 高透水性の CTA 中空糸膜の構造及び基本性能

27

2.4 まとめ

32

第 2 章 参考文献

33

第3章

耐薬品性セルロースベンゾエートの MF 用の中空糸膜の開発

35

3.1 背景

35

3.2 実験方法

36

3.2.1 材料

36

3.2.2 セルロースベンゾエート(CBzOH)の溶媒探索

36

3.2.3 CBzOH の熱分析

36

3.2.4 TIPS 法による CBzOH 中空糸膜の作製

36

3.2.5 セルロース系中空糸膜の耐塩素性試験

38

3.3 結果と考察

38

3.3.1 CBzOH の溶媒探索

38
2

3.3.2 CBzOH を用いた TIPS 法の相図

39

3.3.3 耐薬品性の CBzOH 中空糸膜の構造及び基本性能

40

3.3.4 セルロース系中空糸膜の耐塩素性試験

44

3.4 まとめ

45

第 3 章 参考文献

第4章

46

セルロース系中空糸膜の事業化検討

49

4.1 セルロース系膜の新市場展開のビジネスモデル検討

49

4.2 医薬品精製でのセルロース系中空糸膜の新市場展開

49

4.3 ペプチド医薬品製造での課題及び当社膜の参入の可能性

52

4.4 事業戦略(セルロース系中空糸膜のペプチド医薬品への展開)

53

4.4.1 外部環境分析「PEST 分析」

53

4.4.2 外部環境分析「5 フォース分析」

57

4.4.3 内部環境分析「バリューチェーン分析」

58

4.4.4 内部環境分析「VRIO 分析」

59

4.5 ビジネスモデルの構築と開発した膜での更なる市場展開
第 4 章 参考文献

60
61

5 章 結言

62

謝辞
投稿論文
学会発表

64

特許出願

65

65
65

3

第 1 章 序論
1.1 研究の背景
1.1.1 研究の概要
地球は「水の惑星」と言われ、ふんだんに水があるように思われるが、実際に直接利用し
やすい水は限られている。地球上の水の約 97.5%が海水で、淡水は 2.5%にすぎない。しか
も淡水はほとんどが南極や北極の氷であるため、
利用しやすい河川や湖沼などの水は 0.01%
にすぎない。
日本に暮らしていると実感がないが、世界の人口は 2050 年には 90 億人を超える見込み
であり、人口が増大すれば、当然、食料の増産を迫られる。そのために必要な資源は水であ
る。このことからも、21世紀は世界各地で水不足が予想され、世界の水ビジネスの市場規
模は 2025 年に 111 兆円なると言われている 1)。
また水不足の解決手段として、海水の淡水化などが可能な膜法が期待され、盛んに研究さ
れている。この膜法は逆浸透(RO)、ナノろ過(NF)、限外ろ過(UF)、精密ろ過(MF)膜が使わ
れており、既に各社価格競争に入っている。その中で、株式会社ダイセル(以下、当社)では、
1995 年から約 27 年間、酢酸セルロース(CA)の中空糸膜を開発・製造し、浄水、医療関連、
プロセス水分野に販売を行ってきた。しかし、近年、高性能な合成樹脂膜(ポリフッ化ビニ
リデンやポリエーテルスルホンなど)の台頭により、CA 膜の水処理膜市場でのシェアが縮
小してきた。
そこで、当社でも CA 膜の長所である高透水性を活かすために、セルロース系中空糸膜の
短所である耐久性の低さを改良した新規セルロース誘導体の開発を行った。さらに、今回開
発した膜の新たな用途として医薬品精製への事業化検討も行ったので、本論文では、高透水
性酢酸セルローストリアセテートと耐薬品性セルロースベンゾエートの MF 膜の研究開発
の結果及び医薬品分野での事業化検討についてまとめた。
1.1.2 膜開発の歴史
表 1-1-2-1 に膜分離技術発展の主な経緯を示す 2,3)。表 1-1-2-1 より、膜を用いて物質の分
離を行ったのは、
1854 年の Graham による透析現象の発見が最初と言われている。その後、
1907 年には、コロジオン膜による細菌の除去が実施され、1912 年には、ニトロセルロース
系の精密ろ過膜が初めて実験室用として商品化された。
その後、1952 年に米国で制定された塩水法が膜の開発が活発化するきっかけとなり、
1953 年に Reid から RO 膜が提案された。1960 年には、このプロジェクト研究とは別に、
Loeb と Sourirajan によりセルロースアセテートの非対称逆浸透膜が開発され、透水性能
の向上が可能となり、実用化に近づいたと言われている。さらに 1976 年には逆浸透複合膜
の発明により、大幅な透水性の向上を実現し、現在の高性能のナノろ過膜や逆浸透膜の基礎
となっている 4)。一方、UF 膜は、1960 年に Michaels により開発され、1969 年には初め
て UF 膜ろ過装置が市販された。
日本においても、第二次世界大戦後、分離膜の開発研究に化学・化合繊メーカーが RO
膜、UF 膜及び MF 膜用の管状膜や中空糸膜の研究開発を活発に進め、1968 年に MF 膜ろ
過による生ビール製造に成功し、1980 年、同様に MF 膜を使用して生酒製造が開始された
2)。他方で、1970

年頃から血液透析用の中空糸膜の研究開発も活発になり、1971 年にはキ
4

ュプロファン中空糸膜の人口腎臓が市販され、1973 年には RO 膜、UF 膜及び MF 膜を組
み合わせた医薬品用無菌水製造装置が製作された 2)。1980 年頃から海水淡水化以外の用途
として、超純水洗浄工程のファイナルフィルターや自動車・家電製品の電着塗装液回収に使
用され、半導体や自動車・家電工業を支えており、2020 年の現代でも環境負荷の低い省エ
ネルギーに貢献できる一つの手段として、膜分離技術は活用されている。
表 1-1-2-1 膜分離技術発展の主な経緯
年代

人名(団体名)

事項

1854

T.Graham

透析現象の発見

1907

H.Bechhold

コロジオン膜(※1MF 膜)による細菌除去実験

1912

J.T.Abel

ニトロセルロース系膜での MF 膜の商品化

1953

C.E.Reid

※2

1960

S.Loeb,S.Sourirajan

酢酸セルロースの非対称 RO 膜の開発

A.S.Michaels

※3

F.Kill

Kill 型血液透析装置(人工腎臓)の開発

1969

Amicom 社、Abcor 社

UF 膜装置の開発・市販

1970

Dorr Oliver 社、General Motors 社

自動車電着塗装工程に UF 膜を導入

1971

Growley Food 社

酢酸セルロースの※UF 膜でのチーズホエー処理

1974

旭化成㈱

キュプラ製中空糸人工腎臓の開発

1976

North Star 社、UOP 社

合成複合膜による RO 膜モジュールの開発

1978

東洋紡㈱

海水淡水化中空糸型 1 段脱塩 RO 膜モジュール

RO 法の提案

UF 膜の開発

の開発
1981

旭化成㈱

超純水用ファイナルフィルターの開発

1984

三菱レイヨン㈱

中空糸型家庭用浄水器の開発

※1 MF:Microfiltration (精密ろ過)、※2:RO:Reverse Osmosis (逆浸透)
※3 UF:Ultrafiltration (限外ろ過)、
1.1.3 ダイセル膜事業の歴史
表 1-1-3-1 に当社膜事業の歴史と主な経緯を示す 5)。表 1-1-3-1 より、当社が膜の事業化
を検討した第一歩は、1967 年に国内初の CA 製 RO 膜の開発を開始したことである。1973
年に CA 製 RO チューブラー膜モジュールを上市することで、本格的に膜の事業化が進み、
1984 年には耐熱ポリエーテルスルホン(PES)製中空糸型 UF 膜の開発により、医療、製薬
及び超純水分野へ幅広く展開することができた。現在の浄水場で使用されている CA 膜モ
ジュールの初期版として、1995 年に CA 製中空糸膜の開発することで浄水市場に展開して
いった。その後、水道用膜モジュール性能調査委員会より、水道用膜モジュ一ルの認定取得
し、2019 年には膜事業が 50 周年を迎えることができた。現在も CA 製膜モジュールは透
水性などを改良することで、現在でも高透水性かつ耐防汚性の膜モジュールとして、様々な
浄水場で利用されている。

5

表 1-1-3-1 当社膜事業の歴史と主な経緯 5)
年代

事項

1967

国内初の酢酸セルロース(CA)製 RO 膜の開発開始

1973

CA 製逆浸透チューブラー膜モジュールを上市

1975

ダイセル㈱・メンブレン事業推進部発足により、

モルセップ(逆浸透膜・限外濾過膜製品)の製品販売を開始
1979

ダイセル化学工業㈱・メンブレン事業推進部にて、
人工透析用 RO 膜装置の製造・販売を開始

1984

耐熱ポリエーテルスルホン(PES)製中空糸型 UF 膜の開発により、
医療、製薬及び超純水分野へ展開

1995

CA 製中空糸膜の開発により、世界最大級の浄水場向け大型膜モジュールの

製造・販売を開始
1997

水道用膜モジュール性能調査委員会より、水道用膜モジュ一ルの認定取得

2008

ダイセル化学の中空糸膜の開発・製造事業を
ダイセン・メンブレン・システムズ㈱に統合

2019

メンブレン(膜)事業 50 周年を迎える

1.2 分離膜の種類
1.1.2 に記載したように、1907 年に細菌の除去のため、人類は初めて MF 膜を利用した。
その後、MF 膜だけでなく、UF 膜や RO 膜の研究が進み、現在では様々な分離膜が製品化
されている。図 1-2-1 に分離対象物質に対応する各種分離膜の分類を示す。図 1-2-1 で説明
するように、基本的には膜の孔の大きさで分離対象に対して使用する膜が区別される。例え
ば、イオンや低分子を分離する場合は RO 膜やナノろ過膜が利用され、ウィルスを分離する
場合は UF 膜が利用される。大腸菌や細菌などを分離する場合は MF 膜が利用される。こ
のように数多くの分離膜がある中で、現在の当社のターゲット領域は MF や UF 膜として
おり、MF 膜は研究開発のステージであるが、UF 膜は製品販売している。

6

図 1-2-1 分離対象物質に対応する各種分離膜の分類 6)
※1:逆浸透(RO)は Reverse Osmosis 、※2:ナノろ過(NF)は Nano filtration、
※3:限外ろ過(UF)は UltraFiltration 、※4:精密ろ過(MF)は Microfiltration の略称
1.3 精密ろ過(MF)膜の社会ニーズとダイセル製品ラインナップ
現在、当社がターゲット領域としている MF 膜の研究開発に取り組んでいるが、その MF
膜の社会貢献した製品について、具体例を挙げながら紹介する。100 年以上経過した現在で
も、MF 膜は浄水、食品分野など様々な用途に利用され、人類の生活に欠かせない製品とな
っている。図 1-3-1 にポリエチレン製の MF 用中空糸膜フィルター(商品名:クリンスイ)を
示す。図 1-3-1 に示すように 1984 年に三菱レイヨン(現三菱ケミカル)が、開発した 7-9)家庭
用浄水器の中に、ポリエチレン製の MF 用中空糸膜を搭載した。膜の細孔径が約 0.1μm な
ので、水道水中の粒子や雑菌・赤さびなどが除去できる。

図 1-3-1 ポリエチレン製の MF 用中空糸膜フィルター(商品名:クリンスイ)7,8)

7

表 1-3-1 当社の用途別の製品ラインナップ(中空糸膜・平膜)を示す。前記の通り、当社の
CA の長所である親水性や高透水性を活かせる分離膜の領域の一つに MF 膜があると考え
ている。しかし、表 1-6-1 より、当社は MF 膜を製品化できていないため、2015 年から CA
製の MF 膜の研究開発に注力している。
表 1-3-1 当社の用途別の製品ラインナップ(中空糸膜・平膜)
出典:筆者作成

※〇:該当製品あり、-:該当製品無
※1:CTA はセルローストリアセテート、※2:PES はポリエーテルスルホン
1.4 膜材料別の分離膜の製法
前記の通り、当社は CA 製の MF 膜の研究開発を行っているが、当社が得意とする膜材
料と分離膜の製法について説明する。表 1-4-1 に製膜方法と代表的な膜材料を示す。表 1-41 で示すように、膜の材料によって対応可能な製膜方法はある程度類型化されている。当社
が扱う CA や PES などの膜材料の製造のために相分離法や抽出法が検討されてきた。言い
換えれば、今まで当社は容易に多孔膜が形成できる相分離法を扱ってきた。
表 1-4-1 製膜方法と代表的な膜材料 9)

8

1.5 熱誘起相分離(TIPS)法の原理
前記の通り、当社は CA や PES などの膜材料を相分離法により、多孔化することで中空
糸膜を作製してきた。本研究では、セルローストリアセテート(CTA)を用いて熱誘起相分離
(Thermally Induced Phase Separation:TIPS)法により中空糸膜の作製に挑戦し、世界で
初めて TIPS 法により CTA の中空糸膜の製膜に成功した。詳細な実験方法や結果などは第
2 章に記載したので、ここでは TIPS 法の原理について説明する。
熱誘起相分離法は、1981 年に初めてまとまった特許が出された比較的新しい手法である。
また TIPS 法は大きく 3 種類のタイプ、冷却時に液-液相分離が起こる L-L 型 TIPS、高
分子の結晶化が起こる S-L 型 TIPS、溶媒の結晶化が起こる L-S 型 TIPS に分けられる。
この中で TIPS 法の典型例である冷却時に液-液相分離が起こる L-L 型 TIPS 法の原理に
ついて説明する。図 1-5-1 に L-L 型 TIPS 法での孔形成メカニズム 11)を示す。図 1-5-1 の
ように通常、高温で融解させた均一な高分子溶液を、1相領域と2相領域の境界である
binodal 線以下の温度に冷却させる(クエンチさせる)ことにより、相分離を誘起し、高分子
の結晶化(結晶性高分子)やガラス転移(アモルファス高分子)により構造を固定する。また図
-2より、以下のように孔が形成される。図中の赤色の実線は binodal 線を表し、この線の
内側の領域で相分離を起こす。また、点線は spinodal 線を表し、binodal 線と spinodal 線
は臨界点で接する。binodal 線と spinodal 線で囲まれた領域を準安定領域と呼ばれ、小さ
な濃度ゆらぎに対して安定であるが、大きな濃度ゆらぎに対しては相分離を起こし、高分子
濃厚相と高分子希薄相に分かれる。また spinodal 線の内側は不安定領域と呼ばれ、どのよ
うな小さな濃度ゆらぎに対しても、相分離を起こす。準安定領域では、相分離は核化と成長
機構(nucleation and growth)によって起こる。この機構ではまず相中に核が形成され、それ
が成長していく。一方不安定領域では、spinodal 分解によって相分離が起こる。ある高分子
濃度の溶液を高温で融解した後、冷却すると、binodal 線を横切って高分子濃厚相と高分子
希薄相に相分離する。各相の分率は、簡単な「てこの原理」によって決まる。さらに冷却す
ると、結晶化温度曲線と交わって高分子が固化する。その後、溶媒を除去すると、高分子濃
厚相がマトリックスに、高分子希薄相が孔となる。また臨界点を通過すると、高分子希薄相
が大きくなる、つまり孔が大きくなると言われているので、CTA の製膜検討ではは臨界点
付近を通過するようなポリマー濃度を狙った。

図 1-5-1 L-L 型 TIPS 法での孔形成メカニズム 10-12)
9

1.6 ダイセルの中空糸膜の製法と特徴
前記の通り、1995 年から開発されて、現在も当社膜製品の中で最も浄水分野に市場展開
している CA 製の中空糸膜の特徴と一般的に製膜方法により制御している膜構造について
説明する。
図 1-6-1 に当社 CA 製中空糸膜の構造と分離性能を示す。図 1-6-1 の膜断面の SEM 像よ
り、当社中空糸膜は膜の内部にボイドという空隙を有しており、膜でろ過した水量(透水性)
が高くなる構造となっている。また膜のろ過方式は原水を膜の内部に通液し、ろ過水を膜の
外に流れるような内圧ろ過を採用しているため、膜内部に溜まった汚れを膜の外表面から
水を流す(逆洗)だけで容易に膜内部の汚れを除去できる。
分離性能は分画分子量 15 万の UF
膜相当に制御している。

図 1-6-1 当社 CA 製中空糸膜の構造と分離性能 13)

表 1-6-1 に膜材料と製法別の中空糸膜の性質を示す。表 1-6-1 より、主な製膜方法は非溶
媒相分離(NIPS)法と熱誘起相分離(TIPS)法があり、NIPS 法で製膜すると膜材料に関係な
く、膜の外表面の孔が緻密になり、膜内部にはボイドを形成するという膜構造になる。よっ
て膜の分離性能は UF 膜の領域になる特徴があると言える。一方、TIPS 法で製膜した中空
糸膜の特徴は、膜表面の孔が粗大化し、膜内部に緻密層がないため、膜強度が高くなる傾向
にあると言える。当社の CA 製は NIPS 法での緻密膜を調製する技術があり、さらに浄水場
での顧客要求が UF 膜であったため、CA 製の UF 用の中空糸膜を製品化している。

10

表 1-6-1 膜材料と製法別の中空糸膜の性質(出典:筆者作成)

※1:PVDF はポリフッ化ビニリデン、※2:CA は酢酸セルロース
次に、当社 CA 製中空糸膜の材料的な特徴について説明する。表 1-6-2 に膜材料別の中空
糸膜の性能(親水性評価)、図 1-6-2 に膜材質別の UF 膜の河川水評価結果と図 1-5-3 に当社
CA 製中空糸膜の特徴を示す。表 1-6-2 より、CA は他の合成樹脂材料(PES や PAN)に比べ
て、水の接触角が低角でかつ吸水性が高いことから、親水性であると言える。また BSA な
どのタンパク質の吸着量が低く、ゼータ電位がマイナスに帯電しているため、浄水場の河川
水中に含まれるタンパク質などの汚れが付着しにくいことが予想される。図 1-5-2 より、
UF 膜の CA は他の合成樹脂に比べて、河川水の透水速度が高いため、先ほどの予想通り、
河川水中のタンパク質由来の汚れが付着しにくいことが河川水の透水速度が高い要因であ
ると考える。
以上のことから、図 1-6-3 のように、当社 CA 製の中空糸膜の特徴は膜材料の親水性を活
かすために、洗浄性の良さを追求した膜構造にすることで、高透水性かつ耐防汚性を持つこ
とである。
表 1-6-2 膜材料別の中空糸膜の性能(親水性評価)13)
CA
中空糸膜材質
接触角[°]
吸水率(25℃)[%]
BSA 吸着量[mg/m2,pH7]
ゼータ電位[mV,pH7]

PES

PAN

酢酸セルロ-ス ポリエ-テルスルホン ポリアクリロニトリル
50~55
65~70
55~58
4.7~6.5
0.43
2.5~3.6
0.5
3.5
1.3
-30
-4.2
-7.5

11

透過流束[m/日]

3.0

A河川

B河川

2.5
2.0
1.5
1.0
0.5
0.0

CA

PES

PAN

CA

PES

PAN

膜材質

図 1-6-2 膜材質別の UF 膜の河川水評価結果 13)

図 1-6-3 当社 CA 製中空糸膜の特徴 13)
1.7 セルロース系中空糸膜の課題
前記の通り、当社の CA 製中空糸膜は、20 年以上前から高透水性かつ耐防汚性の UF 膜
として、浄水分野で市場展開している、しかし、近年の水処理膜の市場では合成樹脂にシェ
アを奪われているという厳しい現状があり、その原因となった CA 製中空糸膜の課題につ
いて説明する。
図 1-7-1a に水処理膜市場の実績と予想推移と図 1-7-1b に MF/UF 膜の構成素材別の採用
内訳を示す。図 1-7-1a より、水処理膜の市場は、人口の増加及び省エネ・高品質化への要
求から膜需要が 2025 年には約 1.7 倍増加(対 2015 年比)し、
それ以降も同様に伸びるため、
ターゲット領域である MF/UF 膜も伸びることが想定されている 13)。図 1-7-1b より、PVDF
は約 69%(350 億円)占めているが、セルロース系材料は 0.8%(4 億円)と低迷している。この
セルロース系材料が低迷している原因を調査するため、膜材料別の物性比較を行った。

12

図 1-7-1a 水処理膜市場の実績と予想推移 14)
図 1-7-1b

MF/UF 膜の構成素材別の採用内訳 14)

表 1-7-1 に MF/UF の膜材料別の物性比較表を示す。 ...

この論文で使われている画像

参考文献

1) ダイセル社運営 Web, https://www.daicel.com/vision/

2) 次世代バイオ医薬品製造技術研究組合運営 Web, http://cho-mab.or.jp/business/

3) ペプチド医薬品および核酸医薬品 CDMO 業界の現状と展望, ㈱日本政策投資銀行,

pp.5-33 (2022)

4) ペプチスター社運営 Web, https://peptistar.com/technology/

5) バイオベンチャーの現状と課題, 経済産業省, pp. 5-8 (2018)

6) 次世代産業ビジョン国民の医療を守る社会保障制度の持続性に貢献する~Society5.0 for

SDGs の実現と共に~, 日本ジェネリック製薬協会, pp.3-5 (2019)

7) Pharmaceutical Membrane Filtration Market – Forecast To 2025, Markets and

Markets

8) 令和 4 年高齢化社会白書(全体版), 内閣府, pp. 6-8 (2022)

9) 石橋 未来, 経済社会研究班レポート-No.17- 米国の医療保険制度について, 大和総研,

pp. 3-5 (2013)

10) 医薬品産業ビジョン 2021 資料編, 厚生労働省, p23 (2021)

61

5章

結言

当社の保有するセルロース誘導体の CTA や CBzOH を用いて、神戸大学と共同研究をす

ることで MF 用の中空糸膜を開発した。さらに、その開発した MF 膜はセルロース材料の

優れた高透水性や耐防汚性を活かせる抗体医薬品の精製に応用できることを見出した。今

後、ビジネスモデル構築し、セルロース系中空糸膜で新規市場の医薬品分野に展開すること

とした。

また以下に本研究の概要と各章のまとめを以下に記載する。

本研究の概要:

地球は「水の惑星」と言われ、ふんだんに水があるように思われるが、実際に直接利用し

やすい水は限られている。地球上の水の約 97.5%が海水で、淡水は 2.5%にすぎない。しか

も淡水はほとんどが南極や北極の氷であるため、

利用しやすい河川や湖沼などの水は 0.01%

にすぎない。この水不足の解決手段として、海水の淡水化などが可能な膜法が期待され、盛

んに研究されている。この膜法は逆浸透(RO)、ナノろ過(NF)、限外ろ過(UF)、精密ろ過(MF)

膜が使われており、既に各社価格競争に入っている。その中で、株式会社ダイセル(以下、

当社)では、酢酸セルロース(CA)の中空糸膜を開発・製造し、浄水、医療関連、プロセス水

分野に販売を行ってきた。しかし、近年、高性能な合成樹脂膜(ポリフッ化ビニリデンやポ

リエーテルスルホンなど)の台頭により、酢酸セルロース膜の水処理膜市場でのシェアが縮

小してきた。

そこで、当社でも CA 膜の長所である高透水性を活かすために MF 膜やセルロース系中空

糸膜の短所である耐久性の低さを改良した新規セルロース誘導体の開発を行った。さらに、

今回開発した膜の新たな用途として医薬品精製への事業化検討も行ったので、本論文では、

高透水性セルローストリアセテート(CTA)と耐薬品性セルロースベンゾエート(CBzOH)の

MF 膜の研究開発の結果及び医薬品分野での事業化検討についてまとめた。

第 1 章 序論:

当社は 1995 年から約 27 年間、CA の中空糸膜を開発・製造し、浄水、医療関連、プロセ

ス水分野に販売を行ってきた。また、この CA の中空糸膜は非溶媒誘起相分離(NIPS)法に

より、UF 膜で内圧ろ過方式の膜モジュールに設計することで、CA や CTA の親水性を最大

限に活かした高透水性や耐防汚性を持った特徴的なの膜モジュールで市場に展開していた。

しかし、近年、高性能な合成樹脂膜(ポリフッ化ビニリデンやポリエーテルスルホンなど)の

台頭により、CA 膜の水処理膜市場でのシェアが縮小してきた。そこで、当社の CTA の長

所である高透水性が活かせる新規の分離膜領域の MF 膜の開発を行った。

第 2 章 高透水性酢酸セルロースの MF 用の中空糸膜の開発:

熱誘起相分離 (TIPS) 法によって CTA で MF 用の中空糸膜を作製し、その結果をセル

ロースジアセテート(CDA)およびセルロースアセテートプロピオネート(CAP)中空糸膜の

結果と比較した。また適切な溶媒系を選定するために広範な溶媒スクリーニングを実施し

た。TIPS 法に適した CTA の溶媒 (CTA/SF/NPG および CTA/SF/1,3-BG) を 2 種類見出

し、その三元混合物は、液-液相分離とそれに続くポリマー結晶化による膜構造を形成した。

作製したすべての膜は、完全に相互接続された構造を示し、膜のバルク構造に 100 nm の

62

孔があり、内部は多孔質であった。対照的に、外表面の膜構造はエアーギャップに依存し、

エアーギャップが 0 mm で多孔質構造を形成し、5 mm で緻密構造が形成した。エアーギ

ャップを 0 mm、適切なポリマー溶液、および凝固液を用いることで、純水透過率(PWP)が

約 1000 L/(m2 h bar) でかつ 100 nm シリカ微粒子の除去率 99%の MF 用の CTA 中空糸

膜を作製できることが分かった。

第 3 章 耐薬品性セルロースベンゾエートの MF 用の中空糸膜の開発:

TIPS 法と NIPS 法による CBzOH 多孔質中空糸膜の作製に初めて成功した。まず CBzOH

に適した TIPS 溶媒を得るために包括的な溶媒スクリーニングを実施した。HSP および高

温での CBzOH の溶解度は、溶媒をスクリーニングするための最初の基準とし、2 番目の

ステップでは、中空糸膜の作製のために調液したポリマー溶液の加工性を考慮し、CBzOH

の TIPS 法に適した溶媒を 8 種類見つけた。比較サンプルとして、セルロース誘導体の中で

代表的な製品である CTA 中空糸膜を NIPS 法により作製した。TIPS 法で作製した CBzOH

膜は、高気孔率、100 nm 以上の大きな細孔を持ち、1500 L/ (m2 h bar) の高い PWP と

100 nm シリカ粒子の除去率が約 70%であった。一方、NIPS 法で作製した CBzOH およ

び CTA 膜は、約 600 L/ (m2 h bar)の低い PWP であるが、100nm シリカ粒子の除去率が

100% を示した。

次に、作製した CBzOH と CTA 中空糸膜を用いて、NaClO 2000 ppm 濃度溶液に対す

る耐薬品性を比較した。TIPS 及び NIPS 法で作製した CBzOH 膜は、膜の構造、多孔性、

孔径に関係なく、2000 ppm の NaClO 溶液に 2 週間浸漬すると、NaClO 溶液に対して

著しく高い耐性を示した。一方、CTA 膜の機械的強度は、NaClO 溶液への浸漬時間の経過

とともに低下した。

以上より、NaClO 溶液に対する化学的に耐性のあるセルロース誘導体の開発に成功した。

第 4 章 セルロース系中空糸膜の事業化検討:

セルロース系中空糸膜は他の合成樹脂[(ポリフッ化ビニリデン(PVDF)など)]膜に比べて、

高透水や耐防汚性に優れており、浄水などに市場展開していた。しかし、近年はセルロース

系中空糸膜の代表である CTA の耐久性の低さから新規市場への進出ができず、さらに浄水

市場なども PVDF 膜などに市場を奪われている。そこで、耐薬品性に優れたセルロース誘

導体として CBzOH を開発し、MF 用の中空糸膜まで開発を行った。そして昨今、医薬品分

野で処理能力の高い膜法が注目されており、当社のセルロース系中空糸膜が医薬品分野に

参入できるかを調査した。医薬品メーカーへのヒアリングにより、当社の既存製品である

CTA の UF 用の中空糸膜がペプチド医薬品の精製に適用できること、及び抗体医薬品の精

製工程に導入されているデプスフィルターの代替として、CTA や CBzOH の MF 用の中空

糸膜が適用できることが分かった。今後、ペプチドや抗体医薬品の精製用膜モジュールを販

売するビジネスモデルを構築し、市場参入を目指した。

63

謝辞

神戸大学大学院科学技術イノベーション研究科において、新規セルロース系中空糸膜の

開発及び事業化に関する研究を行い、論文を纏める機会を頂いたことに御礼申し上げます。

また本研究を遂行するにあたり、終始変わらぬご指導をして下さった先端膜工学分野の

吉岡朋久教授、松山秀人教授、ラジャブザデサイード特命准教授、新谷卓司教授、北河享特

命教授、中川敬三准教授、加藤典昭学術研究員に心より感謝申し上げます。吉岡朋久教授に

は、セルロース系中空糸膜の相分離原理のメカニズム追求の重要性を示し続けて下さり、学

位論文をまとめ終えるまで終始丁寧なご指導を賜りました。松山秀人教授には、熱誘起相分

離法の基礎である溶媒選定方法から中空糸膜の製膜までのご指導や投稿論文のデータ取り

のご支援に至るまで、大変熱意あるご指導と支援を頂きました。ラジャブザデサイード特命

准教授には、実験のサポートから投稿論文のまとめ方まで終始大変熱意溢れるご指導を賜

りました。新谷卓司教授には膜の開発者視点での事業戦略の方向性を丁寧にご指導頂きま

した。北河享特命教授には、イノベーション・ストラテジー研究成果報告書や学位論文にお

いて、知財戦略の纏め方や内容の細部にわたり丁寧なご指導を賜りました。中川敬三准教授

には、投稿論文の書き方から学位論文の膜構造と性能の違いの究明などを丁寧にご指導頂

きました。加藤典昭学術研究員には、装置組みなどの実験準備から廃液処理方法などの実験

作業のすべてをご指導と支援して頂きました。

また学位論文草稿の予備検討から学位論文の纏めにおいて、バイオプロダクション研究

分野の石川周准教授には学位論文草稿の細部にわたり丁寧なご指導を頂けたことに御礼申

し上げます。

そしてアントレプレナーシップ分野において、尾崎弘之教授、福家信洋准教授には基本知

識からイノベーション・ストラテジー研究成果書をまとめるまで、細部にわたり大変熱意溢

れる指導を頂きました。また財務戦略の作成において、山本一彦教授、蔭山 広明教授には

財務の基礎である間接費の扱い方などを含め丁寧なご指導を賜りました。先生方に出会い

ご指導頂くことで、日々の研究・開発業務では味わえない大変有意義で刺激のある生活をお

くることができました。心より感謝申し上げます。

本論文は著者が株式会社ダイセルにおいて 2015 年から携わってきた研究をベースとし

てまとめた報告です。バイオマスイノベーションセンター

主席研究員

センター長補佐 髙橋郁夫氏、

浜田豊三氏は私がこのテーマを持って神戸大学への入学することを後押しし

て下さいました。また、2022 年から私が所属する部署の上司である間彦智明氏、古屋弘幸

氏は大学進学について理解を示して下さるだけでなく修了まで多大な力添えを頂きました。

また 2018 年から 2022 年までの約 4 年間、同僚の柴田将英氏、大坪千紘氏は製膜や膜物性

測定を中心に本研究の推進にご協力頂きました。皆様のご理解とご支援を頂くことで日常

の業務と学生生活を両立させることができました。心より感謝いたします。

最後に 34 年間、常に私を支えてくれた父、母、弟をはじめとする家族全員とこんな私と

共に暮らし家庭生活の全てにおいて私を支えてくれた妻と娘に心より感謝します。特に妻

の支えなく日常の業務を行いながら、大学に通い論文をまとめることは不可能であり、その

支援は多大なものでした。妻の支援には日々感謝しています。

2023 年 1 月 高尾 翔太

64

投稿論文

第 2 章と第 3 章に記載した内容は以下の論文に出版されたので、以下にリストを記載す

る。

第 2 章:

Shota Takao, Saeid Rajabzadeh, Chihiro Otsubo, Toyozo Hamada, Noriaki Kato,

Keizo Nakagawa, Takuji Shintani, Hideto Matsuyama, Tomohisa Yoshioka:Preparation

of Microfiltration Hollow Fiber Membranes from Cellulose Triacetate by Thermally

Induced Phase Separation. ACS Omega, 7, 33783-33792, 2022.

第 3 章:

Shota Takao, Saeid Rajabzadeh, Masahide Shibata, Chihiro Otsubo, Toyozo Hamada,

Noriaki Kato, Keizo Nakagawa, Tooru Kitagawa, Hideto Matsuyama, Tomohisa

Yoshioka : Preparation of Chemically Resistant Cellulose Benzoate Hollow Fiber

Membrane via Thermally Induced Phase Separation Method. Membranes, 12, 1199-1220,

2022.

学会発表

第 2 章の内容を以下の学会で報告したので、以下にその情報を記載する。

〇Shota Takao, Saeid Rajabzadeh, Chihiro Otsubo, Toyozo Hamada, Noriaki Kato,

Keizo Nakagawa, Takuji Shintani, Hideto Matsuyama, Tomohisa Yoshioka:“Cellulose

Hollow Fiber Microfiltration Membranes Prepared by Thermally Induced Phase

Separation (TIPS) with appropriate solvent and controlled air gap” the 13th Conference

of the Aseanian Membrane Society (AMS13), 2022.7.6 (Singapore)

特許出願

第 2 章に記載した TIPS 法により CTA の中空糸膜作製に関して、神戸大学と共同で特許

出願したので、以下に記載する。

・㈱ダイセル, 国立大学法人神戸大学, 松山秀人, 造膜溶液とそれを使用した中空糸膜の

製造方法, 特開 2019-22876 (2019)

65

神戸大学博士論文「高透水性セルロース系中空糸膜の開発と医薬品分野への応用」全 66 頁

提出日 2023 年 1 月 25 日

本博士論文が神戸大学機関リポジトリ Kernel にて掲載される場合、掲載登録日(公開日)

はリポジトリの該当ページ上に掲載されます。

©高尾

翔太

本論論文の内容の一部あるいは全部を無断で複製・転載・翻訳することを禁じます。

本論文に基づく学位審査にあたっては、以下の参考論文とともに審査された。

1) 高尾翔太, 高透水性セルロース系中空糸膜の開発と医薬品分野の事業化の可能性, イノ

ベーション・ストラテジー研究成果書, 1-58 (2023).

66

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