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書き出し

Search for long-lived supersymmetric particles using displaced vertices and multiple jets in pp collisions at √s = 13 TeV with the ATLAS detector

脇田, 萌 名古屋大学

2023.06.26

概要

学位報告4

別紙4
報 告 番























論 文 題 目 Search for long-lived supersymmetric particles using
displaced vertices and multiple jets in pp collisions at √s = 13 TeV
with the ATLAS detector
(ATLAS 検出器での重心系エネルギー 13 TeV 陽子・陽子衝突データ
に おけるビーム衝突点から離れた崩壊点と複数のジェットを利用し
た長寿命な超対称性粒子探索)

名 脇田 萌

論 文 内 容 の 要 旨

宇宙を構成する最小単位を素粒子と呼び、物質を構成するフェルミオンと力を媒介するゲー
ジボゾンに分類される。これらは標準理論で特性がよく記述される一方で、観測されたヒッグ
ス粒子の質量 125 GeV を自然に導出できない、暗黒物質の候補が存在しないなど標準理論だけ
では説明できない観測事実が存在し、標準理論を超える理論の存在を示唆している。
超対称性理論はこれらの問題を解決する最も有力な理論の一つであり、電弱相互作用と強い
相互作用を統一する力の大統一を可能にする鍵としても期待されている。しかし、超対称性理
論で予言される超対称性粒子は、LHC 実験により O(1) TeV の質量領域まで探索されてきたが
発見されておらず、上記の問題を解決し力の大統一も可能とするモデルで期待される超対称性
粒子は大部分の質量領域が棄却された。今までの多くの探索では、超対称性粒子の生成・崩壊
前後でのレプトン数・バリオン数の破れを禁じる R-parity の保存を仮定している。一方で、陽
子崩壊実験などからの制限の範囲内ならば、R-parity は破れていても問題ない。この場合、暗
黒物質問題の解決は他の理論に任せることになるが、ヒッグス粒子の質量問題の解決と力の大
統一は可能なため、申請者は R-parity を破るモデルに着目して探索を行った。
このモデルでは、超対称性粒子と標準理論粒子の結合定数が小さいほど最も軽い超対称性粒
子の寿命は長くなる。本探索では、最も軽い超対称性粒子の寿命が O(0.01) – O(1) ns と長寿命
であり、陽子ビーム衝突点から離れた位置で 3 つの軽いフレーバーのクォークに崩壊するモデ

学位関係

ルに着目した。超対称性粒子の崩壊点と、崩壊後のクォークによって生じるジェットを利用し
て、最も軽い超対称性粒子が陽子・陽子衝突から直接対生成されるモデルと、重い超対称性粒
子の崩壊によって生じるモデルのそれぞれに焦点を当てた事象選別条件を確立し、ATLAS 検出
器で取得した重心系エネルギー13 TeV の陽子・陽子衝突データ 139 fb-1 を使用して探索を行な
った。
長寿命な超対称性粒子の崩壊点と類似する特徴を持つ崩壊点は、高運動量な粒子が検出器な
どの物質中の原子核と相互作用することで多くの粒子を生み出し崩壊点が再構成される場合、
偶然近くに存在する 2 つの標準理論粒子に由来する崩壊点が 1 つの崩壊点として再構成される
場合、標準理論粒子に由来する崩壊点に他の相互作用からの粒子が偶発的に交差する場合に再
構成され、それらを含む事象が背景事象となる。先行研究では崩壊点が再構成される原因ごと
に独立に背景事象数を見積もっていたが、統計量の増加により複数の原因が関係して再構成さ
れる場合を考慮した見積もりが重要となった。申請者は、崩壊点の作られる確率と事象に含ま
れるジェットの数に相関があることを見出し、その相関を利用して包括的に信号事象と類似し
た崩壊点を含む事象数を導出する手法を確立した。観測された事象数の予測した背景事象数か
らの有意な超過は見られなかった。本結果により、最も軽い超対称性粒子の寿命が 0.1 ns のと
き、最大 1.58 TeV までの質量領域を 95%信頼区間で棄却した。
本解析手法の確立により、現在まで未探索であった長寿命な最も軽い超対称性粒子が軽いフ
レーバーのクォークに崩壊するモデルの探索を可能にした。

この論文で使われている画像

参考文献

114

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