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大学・研究所にある論文を検索できる 「術前化学放射線療法を施行した食道扁平上皮癌におけるKeap1 - Nrf2経路関連因子,TXNRD1及びHO-1の病理学的検討」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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術前化学放射線療法を施行した食道扁平上皮癌におけるKeap1 - Nrf2経路関連因子,TXNRD1及びHO-1の病理学的検討

赤石 隆二郎 東北大学

2021.03.25

概要

【背景】
TXNRD1及びHO-1はKeap1–Nrf2経路での酸化ストレス応答に重要な役割を果たしている抗酸化タンパク質である.食道扁平上皮癌患者では,これらの発現動態と術前化学放射線療法に対する治療効果との相関及び,化学放射線療法前後での発現動態の変化に関しては明らかにされていない.さらに臨床的に重要なリンパ節転移巣でのこれらの抗酸化タンパク質の発現と術前化学放射線療法に対する治療効果との相関及び,原発巣とリンパ節転移巣での発現動態の差異も不明である.

【目的】
本研究では,Keap1-Nrf2経路により誘導される抗酸化タンパク質の発現動態について検討することで,NACRT後の予後予測因子,NACRT前後の抗酸化タンパクの発現動態と治療抵抗性との関係,リンパ節転移巣における抗酸化タンパク質の発現動態と治療抵抗性との関係,について明らかにすることを目的とした.

【対象と方法】
2011年から2015年に東北大学病院移植再建内視鏡外科において,Japan Clinical Oncology Group(JCOG)9906trialのプロトコールで1コース術前化学放射線療法を実施後,食道切除術を施行した69症例を対象とした.Nrf2,Keap1,TXNRD1,HO-1及び,ROSレベルの評価として8-OHdG,細胞増殖能の評価としてKi-67標識率を用いて免疫組織化学的検討を加えた.これらの因子の個々の症例における発現動態と治療成績(全生存率,無病生存率),臨床病理学的因子(pT,pN,pStage,G,ly,v),並びに術前化学放射線療法の組織学的治療効果判定との関係を中心に検索し,併せて各因子と原発巣とリンパ節転移巣での発現動態の相関関係,術前化学放射線療法前後の発現動態の変化(Δ)に関しても検討を加えた.

【結果】
切除検体の検討では,Nrf2,TXNRD1,HO-1発現の高発現群で有意にNACRTへの抵抗性を認めた.生検検体での検討では,Nrf2,TXNRD1,HO-1の高発現群で有意に腫瘍縮小効果の減弱を認めた.さらに治療抵抗群において,TXNRD1Δ及びHO-1Δは有意に高く,8-OHdGΔは有意に低かった.また,リンパ節転移巣では原発巣と比較してNrf2,Keap1,TXNRD1,HO-1の発現及びKi-67標識率が有意に低かった.予後の検討では,切除検体ではNrf2,TXNRD1,HO-1の高発現群で全生存率,無病生存率の有意な低下を,生検検体ではNrf2,TXNRD1の高発現群で全生存率の有意な低下を,リンパ節転移症例ではHO-1の高発現群で全生存率の有意な低下を認めた.

【結論】
本研究により,Keap1-Nrf2経路の活性化によるTXNRD1やHO-1の発現亢進が化学放射線療法への抵抗性と予後不良へ関与し,NACRT前後のTXNRD1及びHO-1の発現の変化の違いが治療抵抗性に関与していることが示唆された.また,原発巣とリンパ節転移巣におけるKeap1-Nrf2経路の活性化の違いを明らかにし,治療法選択の指標となり得ることが示唆された.

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