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妊婦の災害に対する知識・防災意識および防災対策に関する文献レビュー

谷口, 愛奈 大阪大学 DOI:10.18910/90029

2023.03.31

概要

本レビューは、日本在住妊婦の災害に対する知識や防災意識、防災対策の実態を概観することを目的とした。2022年6月までに公表された和文・英文論文を対象に「妊産婦」「防災対策」に相当する検索語を設定し、電子テータベース検索(医中誌,CiNii,MEDLINE,CINAHL,SocINDEX)およびハンドサーチを行い、8件の論文(和文6件、英文2件)をレビューに包括した。避難場所を知っている妊婦は38.7–63.2%、受診施設以外の近所の産科施設を知っている妊婦は59.6–65.7%、妊娠前より災害への関心が高まった妊婦は約40%であった。非常用持ち出し袋を準備している妊婦は9.7−46.5%であり、2件の論文の定量的統合の結果、初産婦は経産婦に比べて、非常用持ち出し袋を準備している割合が、有意に低かった[オッズ比(95%信頼区間)=0.44 (0.34−0.59)]。以上の結果より、妊娠期は、妊娠前より防災意識が高まる傾向にあること、大半の妊婦が防災対策を行う必要性を感じながらも、防災対策の実施割合は半数前後に留まっていること、初産婦は経産婦に比べ、防災対策の実施割合が低いことが示唆された。

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参考文献

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