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大学・研究所にある論文を検索できる 「皮膚T細胞リンパ腫におけるOX40, OX40リガンドの役割」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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皮膚T細胞リンパ腫におけるOX40, OX40リガンドの役割

川名, 由起 東京大学 DOI:10.15083/0002007071

2023.03.24

概要

[課程-2]
審査の結果の要旨
氏名川名

由起

本研究は、菌状息肉症、セザリー症候群を代表とする皮膚 T 細胞リンパ腫(cutaneous Tcell lymphoma, CTCL)の病態形成において、近年血液系悪性腫瘍で注目されてきている
OX40 とそのリガンドである OX40 リガンド(OX40L)の役割を明らかにすることを目的
としたものであり、下記の結果を得ている。
1. ヒト CTCL 細胞株やセザリー症候群患者の末梢血中腫瘍細胞は OX40 と OX40L を共
発現しており、CTCL 患者病変皮膚では健常皮膚と比較し、OX40 と OX40L mRNA
の発現が有意に上昇し病期が進行するにつれて発現量が上昇していた。さらに、
OX40 と OX40L mRNA 発現量は正相関しており、OX40 及び OX40L の mRNA 発現
量と CTCL の病勢マーカーである可溶性 IL-2 受容体も、ともに正の相関を示した。
Kaplan-Meier 生存分析にて OX40 mRNA 発現量が高値である群では疾患関連生存率
が有意に低かった。また免疫組織染色にて腫瘍細胞が OX40 と OX40L を発現してお
り、病期が進行するにつれ陽性細胞数が増加することを示した。
2. OX40-OX40L 相互作用を中和抗体によって阻害することにより、ヒト CTCL 細胞株
の細胞増殖を有意に抑制し、抗 OX40L をブロックするより OX40 をブロックした方
がより細胞増殖が抑制される傾向を示した。また、生存能に関しては、OX40 をブロ
ックすることで CTCL 細胞株のアポトーシスが誘導された。
3. OX40-OX40L の細胞内シグナル伝達経路を検討するにあたり、抗 OX40L 中和抗体に
よって OX40-OX40L 相互作用を阻害したところ、細胞内シグナル分子であるリン酸
化 AKT、リン酸化 ERK1/2、リン酸化 p38 MAPK、リン酸化 JNK が抑制された。
4. 免疫不全マウスを用いた腫瘍播種モデルにおける抗 OX40 中和抗体及び抗 OX40L 中
和抗体の in vivo での腫瘍形成への影響を検討し、抗 OX40 中和抗体及び抗 OX40L
中和抗体を投与により腫瘍形成が有意に抑制されることを示した。
以上、本論文は CTCL において、腫瘍細胞は OX40 と OX40L を共発現しており、
OX40-OX40L 相互作用が腫瘍細胞の増殖、生存を促進することを明らかにしたものであ
る。OX40-OX40L 相互作用が CTCL の病態形成に深く関与していることを示し、今後

の新たな治療標的になり得ると考えられ、学位の授与に値するものと考えられる。
よって本論文は博士( 医学 )の学位請求論文として合格と認められる。

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