リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

リケラボ 全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索するならリケラボ論文検索大学・研究所にある論文を検索できる

リケラボ 全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索するならリケラボ論文検索大学・研究所にある論文を検索できる

大学・研究所にある論文を検索できる 「生物教育におけるコンピテンシーの育成に関する基礎的研究:特に「生命観」に着目して」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

コピーが完了しました

URLをコピーしました

論文の公開元へ論文の公開元へ
書き出し

生物教育におけるコンピテンシーの育成に関する基礎的研究:特に「生命観」に着目して

金本, 吉泰 北海道大学

2023.06.30

概要

Title

Author(s)

Citation

Issue Date

DOI

Doc URL

Type

File Information

生物教育におけるコンピテンシーの育成に関する基礎的研究:特に「生命観」に着目して

金本, 吉泰

北海道大学. 博士(理学) 甲第15561号

2023-06-30

10.14943/doctoral.k15561

http://hdl.handle.net/2115/90561

theses (doctoral)

Yoshihiro_Kanamoto.pdf

Instructions for use

Hokkaido University Collection of Scholarly and Academic Papers : HUSCAP

博士学位論文

生物教育におけるコンピテンシーの育成に関する基礎的研究 : 特に「生命観」に着目して

金本 吉泰

北海道大学大学院理学院
自然史科学専攻

令和5年 6 月

1

目次

第1章 問題の所在



第1節 学習指導要領における資質・能力の3つの柱と生物教育のコンピテンス



第2節 生物教育における「学びに向かう力、人間性等」の育成



第3節 これまでの日本の理科教育における生命観育成



第 4 節 生物教育による生命観育成の可能性



第2章 本論文の目的と構成

11

第1節 本研究の目的

12

第2節 本論文の構成

14

第3章【研究1】生物教育において育成するコンピテンスの検討

16

第1節 問題と目的

17

第2節 方法

18

第3節 結果

21

第4節 考察

28

第4章【研究2】高校生の生命観の現状に関する研究

32

第1節 問題と目的

33

第2節 方法

34

第3節 結果

37

第4節 考察

42

第5章【研究3】学校、性別などによる高校生の生命観の違い

51

第1節 問題と目的

52

第2節 方法

52

第3節 結果

56

第4節 考察

62

2

第6章【研究4】生物教育における生命観の育成方法についての検討

69

第1節 問題と目的

70

第2節 方法

71

第3節 結果

73

第4節 考察

75

第5節 本研究のまとめ

78

第7章 総合考察

80

第1節 本研究の総括

81

第2節 生物教育におけるコンピテンスの育成と生命観

82

第3節 生命を尊重する態度の育成に向けた生物教育への示唆

84

第4節 本研究の成果と今後の課題

85

引用文献

88

謝辞

92

附録

93

3

第1章 問題の所在

4

第1節 学習指導要領における資質・能力の3つの柱と生物教育のコンピテンス
2007 年に改正された学校教育法の第 30 条第 2 項には「生涯にわたり学習する基盤が培
われるよう、基礎的な知識及び技能を習得させるとともに、これらを活用して課題を解決
するために必要な思考力、判断力、表現力その他の能力をはぐくみ、主体的に学習に取り
組む態度を養うことに、特に意を用いなければならない」と記載され、
「基礎的な知識及
び技能」
「思考力、判断力、表現力等」
「主体的に学習に取り組む態度」という「学力の3
要素」が示されている。これを受け、学習指導要領においても「生きる力」
「確かな学力」
など様々な表現で、知識のみに偏らない「学力」を表現してきた。2017 年、2018 年に行
われた学習指導要領の改訂においては、生徒に育成すべき「資質・能力」として「知識及
び技能」
「思考力、判断力、表現力等」
「学びに向かう力、人間性等」の 3 つの柱が提示さ
れた(文部科学省,2017,2018)。しかしながら,資質・能力の育成にあたっては,より
ブレーク・ダウンした具体的な議論が必要であり(鈴木,2019)
,教育現場においても評
価可能で具体的な資質・能力についての検討が求められているが,現段階では資質・能力
の3つの柱をブレーク・ダウンした,評価可能で具体的な資質・能力の検討についての報
告は見られていない。
特にこれまで観点別評価に対してもあまり馴染みのなかった高等学校の教育現場にお
いては,教育活動の中で様々な資質・能力をどのように育成,評価すべきかについて混乱
が見られているような状況であり,資質・能力を育むための「主体的・対話的で深い学び」
の実践においても十分に取り組まれているとは言えない状況である。
一方,以前よりコンピテンス基盤型への教育改革を進めてきたフィンランドなどの諸
外国においては,生徒に育成すべきコンピテンスを整理し,その効果的な育成方法につい
ての実践が進められている(鈴木,2019)
。さらに,OECD Education 2030 においても,
学習者に身に付けさせる「Knowledge」
「Skills」
「Attitudes and Values」を「Competencies」
として整理しており(白井,2020)
,これからの教育において,児童生徒にどのようなコ
ンピテンシーを具体的に育成すべきか検討することが重要である。
このような背景を踏まえると,生物教育において生徒に育成すべき資質・能力をコン
ピテンシーと捉え,これを評価可能なレベルにブレーク・ダウンして整理する必要性があ
り,これらの具体的な育成方法及び評価方法の検討が喫緊の課題であると考えられる。
なお.「コンピテンシー」や「コンピテンス」という語については,現状では様々な捉
え方が存在している。本研究においては,立田(2007)によるコンピテンシー,コンピ
5

テンスの捉え方に基づき,コンピテンシーを測定可能なコンピテンスの集合概念と捉える。
その上で,生徒に育成すべき資質・能力をコンピテンシーと捉え,これを評価可能なレベ
ルであるコンピテンスまでブレーク・ダウンすることとする。

第2節 生物教育における「学びに向かう力、人間性等」の育成
国立教育政策研究所が発行した「学習評価のあり方ハンドブック(高等学校)」(2019)
によると,第1節で述べた資質・能力の3つの柱のうち,「知識及び技能」の評価につい
ては「各教科等における学習の過程を過した知識及び技能の習得状況について評価を行う
とともに,それらを既有の知識及び技能と関連付けたり活用したりする中で,他の学習や
生活の場面でも活用できる程度に概念等を理解したり,技能を習得したりしているかを評
価」するとされ,
「思考力,判断力,表現力等」については「各教科等の知識及び技能を
活用して課題を解決する等のために必要な思考力,判断力,表現力等を身に付けているか
どうかを評価」するとされている。これらに対して「学びに向かう力,人間性等」につい
ては評価の観点が「主体的に学習に取り組む態度」と「感性,思いやりなど」の2つに分
けられており,前者は「知識及び技能を獲得したり,思考力,判断力,表現力等を身に付
けたりするために,自らの学習状況を把握し,学習の進め方について試行錯誤するなど自
らの学習を調整しながら,学ぼうとしているかどうかという意思的な側面を評価」すると
されて観点別評価の観点となっている。これに対して後者の「感性,思いやりなど」につ
いては個人内評価を行うこととされ,生徒への適切なフィードバックを行うとともに,
「生徒一人一人のよい点や可能性,進歩の状況などを積極的に評価し生徒に伝えることが
重要」とされている。
生物教育に関して考えると,平成 30 年告示の学習指導要領では,生物基礎及び生物に
おける「学びに向かう力,人間性等」に関わる目標として,「生命を尊重し,自然環境の
保全に寄与する態度を養う」が示されている。これはまさに「感性,思いやりなど」に該
当する項目であると考えられる。
鳩貝ら(2004)によると,生命を尊重する心は,命に慈しみや畏敬の念を抱く,つま
り生命に価値を抱くことから始まるとし,生命尊重は生物・生命に真,善,美などの正の
価値を付与している状態としている。このことから,生徒が「生命の尊重」に対して主体
的に関わろうとするためには,その基盤として生徒が生物や生命をどのように捉えている
かという,生命に対する見方,考え方が深く関わっている。本研究では,山谷ら(2008)
6

による定義に基づき,
「生命とは何かについての根本にある見方,考え方」を「生命観」
として定義する。前述したように,この「生命観」は「生命を尊重する態度」という行動
特性に関与するものである。そのため,本研究においては「生命観」を高校生に育成すべ
きコンピテンシーの 1 つと捉える。そのうえで,高等学校の生物教育において「学びに向
かう力,人間性等」に該当する目標である「生命を尊重し,自然環境の保全に寄与する態
度」の涵養に関わり,
「生命観」というコンピテンシーをどのように育成すべきかについ
て議論する。
「生命観」については,これまでも主に理科教育と道徳教育において議論されてきた
(例えば理科教育については,岩間ら,2011,2017,牧野,2010,江上ら,2016,河村,
2011,道徳教育については,河内,2013,濱野,2012)
。高校生の「生命観」について調
査した先行研究(小林ら,2016)においては,文献調査から抽出された概念構造を基に
して作成された生命観測定尺度が用いられている。しかし近年,理科教育における「生命
観」については,急速な分子生物学の発展や,再生医療の発展などにより,以前の生命観
とは異なるものに変容しているという議論も聞かれるようになった(例えば牧野,2010)

先行研究で用いられているような,文献調査から抽出された概念構造に基づく尺度での分
析では,このような変容を十分に捉えきれない可能性がある。また,高校生に内在する生
命に対する見方,考え方には,文献調査では表れてこない概念が含まれている可能性も否
定できない。このような状況から,現在の高校生の生命観を明らかにするためには,測定
尺度のみでの調査ではなく,より多面的な調査・分析を行うことが必要である。そこで本
研究では,実際に高校生がどのように生命を捉えているかを明らかにするために,高校生
の生命に関する捉え方を調査し,文献調査から得られた結果と併せて分析することで、高
校生がどのような生命観をもっているのかを明らかにする。

第3節 これまでの日本の理科教育における生命観育成
現在の学習指導要領で求められている生命を尊重する態度の育成について,その背景を
探るために,これまでの日本の理科教育における「生命観」に関する扱いはどのようなも
のであったかを確認することが必要である。そこで,過去の学習指導要領における理科の
目標にある,生命の尊重に関する記述を確認した。昭和 22 年版の学習指導要領理科編
(試案)
「第一章 理科の指導目標」には,
「生き物をかわいがり育てる態度」が記載され
ている。昭和 27 年改訂の「小学校学習指導要領理科編(試案)
」では,理科の目標の1つ
7

として「生命を尊重し,健康で安全な生活を行う」が挙げられていた。
(試案)がとれて
法的拘束力をもつ「学習指導要領」になった昭和 33 年以降の状況については,小学校及
び中学校の理科では,いずれにおいても教科の目標,あるいは学年,分野の目標において,
「生命観」の育成に関わる目標が設定されてきた。しかし,高等学校においては「内容の
取り扱い」などには一部記載が見られたものの,
「生命観」に直接関わる記述については,
理科や生物などの科目の目標にはこれまで見られていない。ところが,平成 30 年告示の
高等学校学習指導要領(文部科学省,2018a)においては,生徒に育成すべきものとして
「生命を尊重し,自然環境の保全に寄与する態度」が生物基礎及び生物の目標として記載
されている(過去の学習指導要領における記載内容の詳細については附録に示す)。また,
高等学校学習指導要領解説理科編理数編(文部科学省,2018b)には,「生命の尊重につ
いては,生物のつくりと働きの精妙さや生物は生物からしか生み出されないことなどを,
科学的な知識に基づいて理解させ,生命を尊重する態度の育成を図る。」と説明されてい
る。しかし,学習指導要領や学習指導要領解説には,どのような態度が「生命を尊重する
態度」なのかについては明確に示されておらず,このため具体的な育成方法について,教
育現場での検討が十分に行えない状況である。山谷ら(2008)は生命観を,
「生命とは何
かについての根本にある見方,考え方を指し,生物概念(生物の客観的属性を一つひとつ
正確に捉える知識面としての概念)と生命概念(生命の本質的属性を体験などから得られ
る情意面としての概念)を基盤として形成されるものである。
」と定義している。ここか
ら考えると,生命を尊重する態度を育成するためには,知識面と情意面の両面を育成する
ことが必要であり,これを教育現場で実践することが可能な指導方法として,具体的に提
案する必要がある。
一方,以前より理科の目標として生命を尊重する態度の育成が求められてきた小学校,
中学校においても,理科教育の中での育成が十分であったかというと,決してそうではな
い。学校教育での生命を尊重する態度の育成についての論文を検索すると,道徳及び保健
体育での実践報告は多くの実践者からの報告が見られるものの,理科教育での実践報告に
ついては報告者数が非常に少ない。このことからも,理科教育における生命を尊重する態
度の育成が十分に行われていない状況がうかがえる。前述したように,現行の高等学校学
習指導要領においては,高等学校生物基礎及び生物においても「生命を尊重する態度」の
育成を目標としなければならない。その変容を見取って評価していくためにも,まずは高
校生がどのような生命観を抱いているのか,多面的な方法での分析が必要である。
8

第4節 生物教育による生命観育成の可能性
筆者は 1999 年に高等学校教員として採用されて以降、20 年間中等教育に関わってきた。
そのうち中学校理科教員としての 7 年間及び高等学校理科教員としての 10 年間は、学校
現場で生徒たちと直接関わる立場にあった。一方で筆者は獣医師という立場でもあるため、
自分自身が獣医師となるまでの体験・経験から、子どもたちには「生命の尊重」をしっか
り考えてほしいということを、自分自身のこだわりとして伝えてきたつもりである。
実践を繰り返す中で、
「生命の尊重」を子どもたちに伝えて考えさせていく上では、自
分自身が生命に対してどのような考えをもっているか、なぜ生命を尊重しなければならな
いのかについて,自分の考えを生徒に伝えるだけでなく,その考えを1つの材料として,
生徒たちが自分自身の生命に対する考え方を深めていくことが重要であると実感してきた。
また,そのためには生物との直接体験を通して生徒の感性を刺激することによって,生徒
に「生命」について深く考えるきっかけを作ることが必要であることも経験してきた。
このような経験を通して感じたことは,鳩貝ら(2004)が述べているように,
「生命を
尊重する態度」の育成には,生命にどのような「価値」を見いだしているかということが
大きく影響しており,生命の価値に対する考えを,学校教育全体を通して生徒がどのよう
に構築しているかが重要であるということであった。では,生徒が生命・生物に真,善,
美といった正の価値を見いだすために,具体的にどのような学習活動を行うべきなのかと
考えると,高等学校での実践報告などは,ほとんど見られていない。
理科教育における生命観の育成に関する先行研究については,初等教育教員等を志望す
る学生に対して「魚の解剖」を実践した岩間ら(2011)による報告や,中学校理科にお
いて蛙の飼育と解剖を取り入れた実践を行った高木ら(2012)の報告,生物の飼育栽培
活動を通した生命を尊重する態度の育成に関する鳩貝らの報告(2011)などが見られる。
しかし,これらの報告における「生命観」の定義は様々であり,中には明確な定義がなさ
れないままのものも含まれている。これまでの様々な報告を概観すると,「飼育栽培」と
「解剖」の実践を通した生命観の育成に関する報告が多い。岩間ら(2014b)の報告では,
アンケート調査の結果,大学生の多くは「生物の誕生や成長」
「死」に触れたときに生命
を実感するということが明らかになっている。このことから,飼育栽培と解剖は生徒や学
生が生命を実感するためには効果的であると考えられる。このように,実践によって生命
の捉え方に対する何らかの変容が確認されているものもあり,生物教育によって生徒の生
命観を育成できる可能性は示唆されている。
9

このような背景から,高等学校の生物教育において,生命を尊重する態度の育成につな
がる生命観,特に生命の「価値」に関する考え方を育成するには,どのような取り組みが
有効なのかを検討する必要がある。このような問題意識から,本研究では前述の生命観に
関わるコンピテンシーの整理や生命観に関わる分析を踏まえて,高校生の生命を尊重する
態度の育成につながる生命観の具体的な指導法を提案し、その効果について教育実践を通
して実証的に分析する。

10

第2章 本論文の目的と構成

11

第1節 本研究の目的
第1章でも述べたように,
「高等学校の生物教育において,生命を尊重する態度の育成
につながる生命観を育成するには,どのような取り組みが有効なのだろうか」という疑問
に対する答えを得ることを目指す。この疑問を解決するために,まず学習指導要領に示さ
れている「生命を尊重する態度」とはどのような概念であるのかを,コンピテンシーの観
点から整理する必要がある。そのため,「生命観」をコンピテンシーの1つととらえ,生
物教育において育成を図る様々なコンピテンスと生命観との関係性を明らかにする。さら
に,コンピテンスの育成を図る授業実践は可能なのか,またその評価をどのように行うの
かについて,実践を通して検証する。その後,高等学校における「生命を尊重する態度の
育成」についての改善を図るために,高校生がもっている生命観を明らかにすること及び
その方法を検討する。コンピテンスの評価に関しては多面的な評価が必要であるため,こ
れまでに実施されてきた測定尺度による生命観の分析とは異なる方法を検討する必要があ
る。さらに,高校生の生命観は,家庭環境や小学校と中学校での学びを通して培われたも
のであることを考え,生命観に影響を与える要素についての検討を行う。
これらについて議論したうえで,現在の高校生のもつ生命観の状況及びそこに影響を
及ぼす要素を踏まえながら,高等学校の生物教育において「生命を尊重する態度の育成」
につながる「生命観」を育成する具体的な方法について検討する。
以上のようなことから,本研究の目的として以下の4点を設定する.

目的1
生物教育において育成するコンピテンスを検討し,その具体的な育成方法について実践的
な検証を行うこと.
幼児教育から中等教育までを通して生物教育(生命領域の理科教育)において育成すべ
きコンピテンスについて,海外の事例や学習指導要領等を参考にしながら,複数の理科教
育関係者によるブレインストーミングや KJ 法を行うことを通して検討する。加えて,こ
こで整理されたコンピテンスを育成するための授業を計画,実践するとともに,コンピテ
ンスの具体的な評価方法についても検討する。これにより,幼児教育から中等教育にわた
って生物教育において育成するコンピテンスを整理し,コンピテンス基盤型の生物教育を
実践,評価する可能性を実証的に示すことが可能となる。

12

目的2
生物教育において育成するコンピテンシーの「生命観」に着目し,高校生がもつ生命観の現
状について明らかにすること.
生物教育において,学習指導要領の科目等の目標にも掲げられている「生命を尊重する
態度の育成」について,
「生命観」は重要な要素となるコンピテンシーであると考えられ
る。そのため,この「生命観」に注目し,これまでに行われてきた生命観の測定方法とは
異なるアプローチとして,生命及び生物に関する自由記述の内容から生徒の生命観を分析
する。これにより,この方法による分析結果とこれまでの先行研究による下位概念を比較、
検討し,現在の高校生がもつ生命観の状況をより詳細に把握することが可能となる。

目的3
高校生がもつ,生命を尊重する態度の育成につながる生命観が,周囲のどのような要素の
影響を受けているかを検討し,生命観の育成方法についての示唆を得ること.
小学生と中学生を対象とした先行研究では,児童生徒のもつ生命観には地域差及び性差
があることが報告されている(山谷ら,2012b)。これに対し,自由記述による回答に基
づいた高校生の生命観において,地域差及び学校差,性差が見られるかどうかを検討する。
これにより,生命を尊重する態度の育成につながる生命観の下位概念,つまり「価値」に
関するコンピテンスを育成する方法を検討するうえで,考慮すべき事柄についての情報を
得ることが可能となる。

目的4
生物教育における生命観育成の具体的な方法を検討すること.
目的1から目的3の検討結果を踏まえて,生命を尊重する態度の育成につながる生命観
を育成する授業実践とその成果の分析を行い,高等学校の生物教育において生命観を育成
するための具体的な方法について検討する。これにより,生命観の育成,中でも「価値」
を育成するための具体的な手法を提案し,その効果と課題を実証的に評価し,高校教育に
おいて効果的に生命観を育成する教育の手法と留意点を教育現場に提供することで,生命
観育成を通した生命を尊重する態度の育成に貢献することが可能となる。

13

第2節 本論文の構成
第1節で述べた本研究の目的を達成するため,本論文では以下のように研究を展開する.

生物教育において育成するコンピテンスの検討
目的1を達成するため,第3章で研究1を行う。
研究1では,幼児教育や生活科を含む高等学校までの生命領域の理科教育において育成
すべきと考えられるコンピテンシーを検討し,これらを評価可能なコンピテンスまでブレ
ーク・ダウンする。このようにして育成するコンピテンシーの全体像を把握した上で,具
体的なコンピテンスの育成に向けた授業を計画、実践し,コンピテンスの評価についての
実践検証を行う。

高校生の生命観の現状に関する研究
目的2を達成するため,第4章で研究2を行う。
研究2では,研究1で検討したコンピテンシーに基づく「生命観」に注目し,高校生が
生物及び生命をどのように捉えているかを自由に記述させた回答に基づいて分析するとい
う手法で生命観の下位概念を検討する。この結果を,これまで行われてきた文献調査に基
づいた生命観の下位概念と併せて検討し,現状の高校生の生命観について,その下位概念
の状況を分析する。

学校,性別などによる高校生の生命観の違い
目的3を達成するため,第5章で研究3を行う。
研究3では,研究2で用いた自由記述のデータを異なる視点で分析し,生命を尊重する
態度の育成につながる高校生の生命観と,高校生が通う学校及び性別との間にどのような
関係性があるのかについて検討する。また,生命観の下位概念の関係性についても分析を
行い,生命を尊重する態度の育成につながる生命観の育成方法を検討するための実践研究
において,考慮すべき条件を明らかにする。 ...

この論文で使われている画像

参考文献

Ara, T. (2014) Trends and Challemges in Competency/Outcome-Based Education:Assessing

competencies in an OBE curriculum:The ToKYoC Doctor シンポジウム-医学教育に

おけるコア・コンピテンスとその評価-講演資料, 東京医科歯科大学.

Central Washington University. Biology. Department Mission

http://www.cwu.edu/biology/department-mission-goals-and-philosophy ( accessed

2018.11.21)

江上有紀・椚座圭太郎(2016)生命科学リテラシー育成を担う生物教育のあり方.富山

大学人間発達科学部紀要 11(1)

,139-155.

福岡伸一(2009)動的平衡.木楽舎.

濱野佐代子(2012)小学生の対象喪失の悲嘆経験と動物への態度との関連-生命尊重の

教育に資するために-.帝京科学大学紀要8,93-99

鳩貝太郎(代表)

(2004)生命尊重の態度育成に関わる生物教材の構成と評価に関する調

査研究.科学研究費研究成果報告書(課題番号 13680219)

鳩貝太郎(代表)

(2011)生命尊重の態度を育成する体系的な生物学習プログラムの開発

と評価に関する調査研究.科学研究費研究成果報告書(課題番号 20500770)

樋口耕一(2020)社会調査のための計量テキスト分析 ―内容分析の継承と発展を目指し

て― 第2版. ナカニシヤ出版.

人見久城・加藤里実(2011)理科における生命尊重に関する小・中・高等学校教師の意

識.宇都宮大学教育学部紀要 61(2)

,別刷.

岩間淳子・鳩貝太郎・松原静郎・下条隆嗣(2009)小学校における生命観育成及び科学

的概念形成のための生物教材の分析-「魚の解剖」を例にして-.科学教育研究 33

(2)

,118-130.

岩間淳子・松原静郎・小林辰至(2011)理科教育における生命倫理のあり方とその意義

―初等教員養成科目における「魚の解剖」の実践からの考察―.理科教育学研究 52

(2)

,23-32.

岩間淳子・小林辰至・松原静郎・鳩貝太郎(2014a)小・中・高等学校理科教育における

「動物解剖」の実態- アジアの調査例と比較して-.生物教育 54(2)

,94-103.

岩間淳子・松原静郎・鳩貝太郎・稲田結美・小林辰至(2014b)理科教育における体験を

通した生命理解と生命観育成-大学生の体験と生命観に関する調査結果の分析-.

88

理科教育学研究 55(2)

,159-168

科学技術の智プロジェクト(2008)

「21 世紀の科学技術リテラシー像~豊かに生きるため

の智~プロジェクト,生命科学専門部会報告書」Retrieved from

https://www.jst.go.jp/sis/data/theme_static/csc/img/s4a/s4a02.pdf

accessed

2018.11.21)

Next Generation Science Standards. Science Literacy Map

http://strandmaps.dls.ucar.edu/index.html

(Last access 2018.10.29)

金本吉泰・大貫麻美・手代木英明・鈴木誠(2019)コンピテンス基盤型生物教育の提案.

理科教育学研究 60(1)

,15-25

金本吉泰・鈴木誠(2023)高校生の生命観に関する基礎的研究―「生命」と「生物」の

捉え方の分析―.生物教育 64(2)

,94-102

加藤美由紀(2017)小・中・高校において解剖実習を行う際に留意すべき「人と動物の

関係」について.人間研究 53,53-59.

川井順子・今村哲史(2019)生命の見方・考え方を育むための授業の研究-小学校第5

学年「メダカの誕生」を題材として-.日本科学教育学会研究会研究報告 34(1)

55-58.

河村泰代(2011)

『生命の教育』に関する開発研究―生命観を捉える 6 つの視点と『生命

の教育』指導構想の提言―.岐阜大学教育学部教師教育研究 7,103-114.

河内菜摘(2013)

「生と死の教育」に関する開発実践~小学校における道徳授業とミニ道

徳を中心に~.岐阜大学教育学部教師教育研究9,163-173.

小林大介・今村哲史(2016)高校生の生命概念に関する実態調査-第1学年女子を対象

として-.日本科学教育学会研究会研究報告 31(3)

,91-96.

国立教育政策研究所(2021)

「指導と評価の一体化」のための学習評価に関する参考資料

(高等学校編)

牧野治敏(2010)生命観形成のために科学教育が果たす役割について : カリキュラム構想

のための予備的調査(その 1).大分大学教育福祉科学部研究紀要 32 (2)

,249-260.

文部科学省(2008a)幼稚園教育要領.教育出版.

文部科学省(2008b)小学校学習指導要領.東京書籍.

文部科学省(2008c)中学校学習指導要領.東山書房.

89

文部科学省(2009)高等学校学習指導要領.東山書房.

文部科学省(2017a)小学校学習指導要領.東洋館出版社.

文部科学省(2017b)中学校学習指導要領.東山書房.

文部科学省(2017c)中学校学習指導要領解説 特別の教科道徳編.教育出版.

文部科学省(2018a)高等学校学習指導要領.東山書房.

文部科学省(2018b)高等学校学習指導要領解説 理科編理数編.実教出版.

文部科学省(2018c)高等学校学習指導要領解説 総則編.東洋館出版社.

文部科学省(2018d)小学校学習指導要領解説 理科編.東洋館出版社.

森一夫(1977)自然認識の発達と形成(II)-生命観の発達過程と理科指導計画の設計-.

日本教科教育学会誌2(1・2)

,1-6.

NGSS Tests

https://www.ngsstests.com/(accessed 2018.11.21)

Seoul National University. Biology Education

http://edu.snu.ac.kr/en/Biology_Education(accessed 2018.11.21)

白井 俊(2020)OECD Education2030 プロジェクトが描く教育の未来.ミネルヴァ書房.

Society 5.0 に向けた人材育成に係る大臣懇談会 新たな時代を豊かに生きる力の育成に関す

る省内タスクフォース(2018)

「Society 5.0 に向けた人材育成 ~社会が変わる、学

びが変わる~」Retrieved from

http://www.mext.go.jp/component/a_menu/other/detail/__icsFiles/afieldfile/2018/06

/06/1405844_002.pdf(accessed 2018.11.05)

鈴木 誠(2016)

「コンピテンス基盤型生物教育とは何か:日本生物教育学会第 100 回全国

大会公開シンポジウム:グローバルな視点から生物教育を考える:発表資料」.

鈴木 誠, 大塚雄作, 荻原 彰, 人見久城, 隅田 学, 細川和仁, 大貫麻美,三好美織(2018)

「コン

ピテンスに基づく学習コンテンツ再構成に関する研究」

『日本理科教育学会全国大

会発表論文集』, p130.

鈴木 誠(2019)コンピテンス基盤型教育の動向と日本の理科教育への導入の可能性-理

科教育を通して育成すべき資質・能力とは何か-.理科教育学研究 60(2)

,235250.

立田慶裕(2007)

「生涯学習のためのキー・コンピテンシー」.『生涯学習・社会教育研究

ジャーナル』第1号,157-198.

90

高木健・川上紳一(2012)カエルの飼育と解剖を取り入れた生命尊重と生物進化をテー

マにした理科授業~2 分野「動物の生活と生物の変遷」の学習を通して~.岐阜大

学教育学部研究報告(自然科学)36,73-79.

山田貴之(2017)ブタ心臓の解剖実験の導入とその効果―中学校第 2 学年「生命を維持す

る働き」を事例として―.生物教育 58(2)

,38-44.

山谷洋樹・鈴木 誠(2008)理科教育における生命観の構成概念と測定尺度に関する基礎

的研究.理科教育学研究 49(1)

,123-135.

山谷洋樹・鈴木 誠(2012a)生命観の階層構造と各構成概念の相関に関する基礎的研究.

理科教育学研究 52(3)

,167-178.

山谷洋樹・鈴木 誠(2012b)理科教育における生命観 の男女差と地域差に関する研究.

理科教育学研究 53(2)

,359-368.

吉村明修(2012)

「わが国の医学教育改革の流れとモデル・コア・カリキュラムの変遷」,

『日医大医会誌』

,Vol. 8,No.1,18-21

91

謝辞

本論文の作成にあたり,とても多くの方々からのお力添えをいただきました。

まず,本研究の調査に御協力いただいた高校生の皆様,ならびに各高校の先生方に心よ

り感謝いたします。先生方には日常の業務でお忙しい中にも関わらず,私からの突然の協

力依頼にご快諾いただき,とても丁寧に調査を実施していただきました。高校生の皆様に

も,貴重な授業時間を割いて調査にご協力いただきました。先生方と生徒の皆様のご協力

がなければ本論文は作成できませんでした。

また,私が大学院在学中に様々な形でご支援いただきました,かつての勤務先の北海道

立教育研究所附属理科教育センターの職員の皆様,北海道札幌西高等学校の教職員の皆様,

そして現在の勤務先である酪農学園大学の教職員の皆様にもお礼を申し上げます。

研究活動を行うにあたり,科学教育研究室の池田文人先生,山田邦雅先生,重田勝介先

生には大変お世話になりました。ゼミの中で様々なご指導をいただき,自分にはない視点

からいろいろな気付きを与えていただきました。松王先生,池田先生,そして神戸大学大

学院人間発達環境学研究科の山口悦司先生には本学位論文の副査を担っていただきました。

先生方には予備審査会等において本論文の修正点をご指摘いただき,具体的なアドバイス

を賜りました。先生方からのご助言とご丁寧な審査があったからこそ,本論文をまとめ、

提出することができました。本当にありがとうございました。

何より,私の3名の指導教員には並々ならぬお世話になりました。鈴木誠先生からは,

私自身が大学院に入学する機会を与えていただき,入学後も研究方針などについて多くの

示唆をいただきました。そのおかげで,私の世界は大きく広がり,様々な気付きと成長を

得ることができました。また,本論文の完成に至るまで,心の支えとなってくださいまし

た。細川敏幸先生からは,仕事のため十分な時間を確保できなかった時期にも,折に触れ

て励ましのお言葉をいただき,苦しい時期を何とか乗り越えることができました。そして

重田勝介先生からは,私の悩みを一気にかき消す適切なご助言をいただき,本論文の完成

及び学位申請に向けて多大なお力添えをいただきました。先生方からご指導ご鞭撻を賜り

ましたおかげで,大学院在学中のみならず単位修得退学後にも様々な経験を得ることがで

き,研究者としての視点をもつことができたと感じております。本当にありがとうござい

ます。今後とも引き続き,どうぞよろしくお願い申し上げます。

そして最後に,本当に辛かった時期を乗り越えられたのは,家族の力でした。常に私

の側で支えてくれた,妻と二人の娘に心から感謝します。

92

附録

過去の学習指導要領における理科の目標における「生命の尊重」に関する記述

告示年度

学校種

理科の「目標」における記述内容

昭和 33 年

小学校

自然と人間の生活との関係について理解を深め,自然を愛護

しようとする態度を養う。

昭和 43 年

小学校

生物と生命現象の理解を深め,生命を尊重する態度を養う。

昭和 44 年

中学校

(第 2 分野)生物現象の理解を深め,自然界の事物・現象の調

和を認識させることによって,生命を尊重する態度を養い,

自然の保護に対する関心を高める。

昭和 52 年

小学校

(第 1 学年)身近に見られる生物を探したり世話をしたりさせ

て,生物の著しい特徴に気付かせるようにするとともに,生

物に親しむ楽しさを味わわせる。

(第 2 学年)身近に見られる生物を探したり育てたりさせて,

生物の生活の仕方及び育ち方に気付かせるようにするととも

に,生物に親しむ楽しさを味わわせる。

(第 3 学年)身近に見られる生物を探したり育てたりしなが

ら,生物の成長及び活動の様子を調べ,それらが季節に関係

があることを理解させるとともに,生物を愛護する態度を育

てる。

(第 4 学年)生物を育てながら成長の様子を継続して調べ,成

長には段階があること,生命は連続していること及び成長は

養分や日光と関係があることを理解させるとともに,生物を

愛護する態度を育てる。

(第 5 学年)生物の成長の様子及び体の仕組みを調べ,生物は

環境の影響を受けて成長していることを理解させるととも

に,生命を尊重する態度を育てる。

(第 6 学年)植物の成長や繁殖及び人体について調べ,生物は

互いに影響し合って成長したり繁殖したりしていること及び

人体のつくりやはたらきを理解させるとともに,生物と環境

の相互関係について関心を深め,生命を尊重する態度を育て

る。

昭和 52 年

中学校

(第 2 分野)自然界の事物・現象の間の関連性や調和を考察さ

せ,それらと人間の生存とのかかわりを認識させて,環境保

全に対する関心を高める。また,生物現象の理解を深めて,

生命を尊重する態度を育てる。

93

平成元年

小学校

(第 3 学年)身近に見られる植物、動物及び人の体を比較しな

がら調べ、見いだした問題を興味・関心をもって追究する活

動を通して、生物を愛護する態度を育てるとともに、生物の

体のつくりや成長のきまりについての見方や考え方を養う。

(第 4 学年)身近に見られる植物、動物及び人の体を天気や時

刻などと関係付けながら調べ、見いだした問題を興味・関心

をもって追究する活動を通して、生物を愛護する態度を育て

るとともに、生物の活動や成長と環境とのかかわりについて

の見方や考え方を養う。

(第 5 学年)生物の発生や成長をそれらにかかわる条件に目を

向けながら調べ、見いだした問題を意欲的に追究する活動を

通して、生命を尊重する態度を育てるとともに、生命の連続

性についての見方や考え方を養う。

(第 6 学年)生物の体のつくりと働き及び環境を相互に関係付

けながら調べ、見いだした問題を意欲的に追究する活動を通

して、生命を尊重する態度を育てるとともに、生物の体の働

きの共通性や環境との関係についての見方や考え方を養う。

平成元年

中学校

(第 2 分野)生物とそれを取り巻く自然の事物・現象に対する

関心を高め、意欲的に自然を調べる活動を行わせるととも

に、これらの活動を通して、自然環境を保全し、生命を尊重

する態度を育てる。

平成 10 年

小学校

(第 3 学年)身近に見られる動物や植物を比較しながら調べ,

見いだした問題を興味・関心をもって追究する活動を通し

て,生物を愛護する態度を育てるとともに,生物の成長のき

まりや体のつくり,生物同士のかかわりについての見方や考

え方を養う。

(第 4 学年)身近に見られる動物の活動や植物の成長を季節と

関係付けながら調べ,見いだした問題を興味・関心をもって

追究する活動を通して,生物を愛護する態度を育てるととも

に,動物の活動や植物の成長と環境とのかかわりについての

見方や考え方を養う。

(第 5 学年)植物の発芽から結実までの過程,動物の発生や成

長などをそれらにかかわる条件に目を向けながら調べ,見い

だした問題を計画的に追究する活動を通して,生命を尊重す

る態度を育てるとともに,生命の連続性についての見方や考

94

え方を養う。

(第 6 学年)生物の体のつくりと働き及び生物と環境とを関係

付けながら調べ,見いだした問題を多面的に追究する活動を

通して,生命を尊重する態度を育てるとともに,生物の体の

働き及び生物と環境とのかかわりについての見方や考え方を

養う。

平成 10 年

中学校

(第 2 分野)生物とそれを取り巻く自然の事物・現象を調べる

活動を行い,自然の調べ方を身に付けるとともに,これらの

活動を通して自然環境を保全し,生命を尊重する態度を育

て,自然を総合的に見ることができるようにする。

平成 19 年

小学校

(第 3 学年)身近に見られる動物や植物,日なたと日陰の地面

を比較しながら調べ,見いだした問題を興味・関心をもって

追究する活動を通して,生物を愛護する態度を育てるととも

に,生物の成長のきまりや体のつくり,生物と環境とのかか

わり,太陽と地面の様子との関係についての見方や考え方を

養う。

(第 4 学年)人の体のつくり,動物の活動や植物の成長,天気

の様子,月や星の位置の変化を運動,季節,気温,時間など

と関係付けながら調べ,見いだした問題を興味・関心をもっ

て追究する活動を通して,生物を愛護する態度を育てるとと

もに,人の体のつくりと運動,動物の活動や植物の成長と環

境とのかかわり,気象現象,月や星の動きについての見方や

考え方を養う。

(第 5 学年)植物の発芽から結実までの過程,動物の発生や成

長,流水の様子,天気の変化を条件,時間,水量,自然災害

などに目を向けながら調べ,見いだした問題を計画的に追究

する活動を通して,生命を尊重する態度を育てるとともに,

生命の連続性,流水の働き,気象現象の規則性についての見

方や考え方を養う。

(第 6 学年)生物の体のつくりと働き,生物と環境,土地のつ

くりと変化の様子,月と太陽の関係を推論しながら調べ,見

いだした問題を計画的に追究する活動を通して,生命を尊重

する態度を育てるとともに,生物の体の働き,生物と環境と

のかかわり,土地のつくりと変化のきまり,月の位置や特徴

についての見方や考え方を養う。

95

平成 19 年

中学校

(第 2 分野)生物とそれを取り巻く自然の事物・現象を調べる

活動を行い,これらの活動を通して生命を尊重し,自然環境

の保全に寄与する態度を育て,自然を総合的に見ることがで

きるようにする。

平成 29 年

小学校

(第 3 学年)身の回りの生物,太陽と地面の様子について追究

する中で,生物を愛護する態度や主体的に問題解決しようと

する態度を養う。

(第 4 学年)人の体のつくりと運動,動物の活動や植物の成長

と環境との関わり,雨水の行方と地面の様子,気象現象,月

や星について追究する中で,生物を愛護する態度や主体的に

問題解決しようとする態度を養う。

(第 5 学年)生命の連続性,流れる水の働き,気象現象の規則

性について追究する中で,生命を尊重する態度や主体的に問

題解決しようとする態度を養う。

(第 6 学年)生物の体のつくりと働き,生物と環境との関わ

り,土地のつくりと変化,月の形の見え方と太陽との位置関

係について追究する中で,生命を尊重する態度や主体的に問

題解決しようとする態度を養う。

平成 29 年

中学校

(第 2 分野)生命や地球に関する事物・現象に進んで関わり,

科学的に探究しようとする態度と,生命を尊重し,自然環境

の保全に寄与する態度を養うとともに,自然を総合的に見る

ことができるようにする。

平成 30 年

高等学校

(生物基礎)生物や生物現象に主体的に関わり,科学的に探

究しようとする態度と,生命を尊重し,自然環境の保全に寄

与する態度を養う。

(生物)生物や生物現象に主体的に関わり,科学的に探究し

ようとする態度と,生命を尊重し,自然環境の保全に寄与す

る態度を養う。

96

...

参考文献をもっと見る

全国の大学の
卒論・修論・学位論文

一発検索!

この論文の関連論文を見る