書き出し
訪問看護師のターミナルケア行動指標に基づくターミナルケア実践の実態
概要
本研究は、コンピテンシーの概念に基づき訪問看護師のターミナルケア行動指標を作成し、作成した行動指標を用いてターミナルケアの実践の実態を明らかにすることを目的とした。
Spencer らのコンピテンシー・モデル開発デザインを参考に 13 のコンピテンシーと 62 の行動指標で構成される訪問看護師のターミナルケア行動指標を作成した。ターミナルケア実践の実態調査では、「いつも行っている」「よく行っている」の回答が 90%以上の行動指標は 29 項目ある一方で、「ほとんど行っていない」「行っていない」割合が 10~22%と相対的に高い行動指標は 10 項目あった。訪問看護経験年数の 4 分位による比較では、経験の長い方の実践頻度が有意に高まっていた。
行動指標と訪問看護経験年数との関連が明らかとなり、ターミナルケア・コンピテンシー・モデル構築の基礎資料となる可能性が示唆された。